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修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー

2016.12.16【Vol.1411】

Planar 50/1.4 HFT 編(無闇にネジを外さない)

Planar 50/1.4 HFT

全てのレンズマウント部のネジを外したら、取り着けられている部品が内部へ落下してしまいヘリコイドに引っかかってしまいました。と助けを求めてきました。
小袋にネジと部品が添えられています。

Planar 50/1.4 HFT

ボロ隠しの差し込み遮光環を外すと落下した部品が見えます。

Planar 50/1.4 HFT

後群レンズを外すと絞り値開閉に連動するA-M切り替えレバーと絞り値カムレバーを確認しました。

Planar 50/1.4 HFT

レンズマウントへ落下していた絞り値作動部を取り着けました。
しかし、絞り値作動ピンの組み込み位置は?となったのです。

Planar 50/1.4 HFT

兎も角、安易に組み込んで見ました。
いけませんね!手動絞りは変化しますが、自動絞りが働かないのです。
と言うことは絞り値作動ピンと絞り値作動部の連携に問題があるようです。

Planar 50/1.4 HFT

絞り値作動部を天眼鏡で上下左右観察してみました。拡大画像で示したように小さなバスケットを見つけたのです。
このバスケットに絞り作動ピンの一端を差し込むようです。なるほどザワールドでした。

Planar 50/1.4 HFT

兎も角仮組み込みをしてみたのです。
本体側より絞り値作動ピンは赤両矢印①方向に押され戻ります。押された時に連携しある絞り作動部(赤両矢印②)方向に動き絞り羽根が開閉するのです。
でも絞り値作動ピンの戻りの動きがおかしいのです。
と言うことは戻すために何らかの力が掛からねばならないのです。

Planar 50/1.4 HFT

ヘリコイド回りに落ちている部品が無いか探しましたがありませんでした。
経験から保管してある雑部品の中より3個のコイルバネを探し出したのです。
長いコイルバネはバネ圧が強すぎます。同じ形状の2個の中の1個を試して見ました。

Planar 50/1.4 HFT

コイルバネ圧は程良く完璧です。
初顔あわせで分解されていましたので此処の部品の働きを確認するに時間を要しました。
特に「おかしい!・おかしい!」と思い悩みながら絞り作動部にある小さなバスケットを見つけた時に謎が解けたと喜んだ次第です。

Planar 50/1.4 HFT

注意すべきは前群レンズを分離する時です。
国産レンズのネジ切り仕様と違い投げ込み方式があるからです。
押え環を外しますと鏡筒部より前群レンズのG1レンズが剥き出しでした。
続いて現れたG2レンもは固定されていないのです。
押え環を外して安易に逆さにして分離しようとするとG1・G2レンズと落ちてきて損傷する恐れがあります。
前群レンズの白く見える輪の径に合わせた筒が必要であり、尚且つG1レンズを支えなければならなかったことです。クワバラ!クワバラ!でした。

隠居人 田口由明

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