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修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー

2016.04.22【Vol.1336】

Micro-NIkkor 55mm f2.8 編(大手門が開かない)

Micro-NIkkor 55mm f2.8

化粧環を外せないと前群レンズの清掃が出来ません。持病である副ヘリコイドのグリス交換は、後に可能であることが判明したのです。
補修部品があれば無理して外しますが、交換部品が手に入りません。
正にテキストを書くためにお借りした個体が外れなかったのです。其れでは講義に差し障りますので外す算段を模索したのです。

Micro-NIkkor 55mm f2.8

無限位置にて分離した副ヘリコイドです。外ヘリコイドと中ヘリコイドに無限位置の罫書きを記します。

Micro-NIkkor 55mm f2.8

直進キーを外します。

Micro-NIkkor 55mm f2.8

中ヘリコイドを赤矢印方向に回すと終端位置になります。先に無限位置で中ヘリコイドの罫書き線に合わせて外ヘリコイドへ2本の罫書き線を記し、終端位置とします。

Micro-NIkkor 55mm f2.8

前画像で外・中ヘリコイドの終端位置を保持したまま底部にし、内ヘリコイドを反時計方向に動かします。外ヘリコイドの一部が庇上になっており、内ヘリコイドの外径より内径が小さくなっています。故に外ヘリコイドで動きが阻害されて止まります。
外ヘリコイドと内ヘリコイドに罫書きを入れ終端位置とし、組み込む際の指標とします。

Micro-NIkkor 55mm f2.8

内ヘリコイドを分離すると前環を止めている3ヶ所のネジ窓が現れます。
この時点でネジを外せれば良いのですが、ドラーバービットを差し込むことが出来ません。
外せなかった化粧環はアルコール系接着剤を使用してあります。
又外せない化粧環の素材はプラスチックですのでシンナー・ケトン等の素材を溶かす溶剤は厳禁です。赤○部よりアルコールを注し緩むまで待ちます。

Micro-NIkkor 55mm f2.8

やっとの事で化粧環を外すことが出来ました。

Micro-NIkkor 55mm f2.8

化粧環を外すことが出来ましたので、事後検証を致します。
外せなかった化粧環は前環に取り付けられています。赤○部より注入したアルコールが浸透し徐々に接着剤を緩め外せたのです。
ま~ぁ!現役時代には思いもしない方法で外す道を模索した次第です。

Micro-NIkkor 55mm f2.8

お借りしたお礼としてカビ清掃を致します。
押さえ環を外し、レンズサッカーで吸着してG1レンズを外します。

Micro-NIkkor 55mm f2.8

続いてG2レンズを外し、G3レンズ迄のカビ清掃を致しました。
G2レンズを吸着している工具は、とある方が製作したものです。
不便だったのでしょうね!もそっと吸着面が大きな径ですと喜びとしたところです。

隠居人 田口由明

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