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修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー

2014.11.21【Vol.1165】

Elmar f=5cm 1:2.8 編

Elmar f=5cm 1:2.8 編

差し込みの遮光環を外します。

Elmar f=5cm 1:2.8 編

バヨネット環から鏡筒を固定している剣先ネジを外します。その後、締め付け環を分離します。

Elmar f=5cm 1:2.8 編

ヘリコイドとバヨネット環はフエルトを介して差し込まれています。
フエルトの厄介なところはバヨネット筒をヘリコイドから抜いてしまうと起毛してしまいバヨネット筒を収めるに難儀します沈洞仕様です。
鏡筒部の手入れで在ればバヨネット筒を鏡筒側に押し出しておきますと安心です。

Elmar f=5cm 1:2.8 編

時としてフエルト部に異物が入り込むことがあります。
その様な場合はバヨネット筒を分離しなければなりません。しかし収めるに難儀しますので簡単に収める方法を考え製作したのが誘導筒です。
誘導筒の先端部に傾斜を作り、起毛したフエルトを徐々に寝かせながら誘導筒を貫通させます。貫通したらバヨネット筒を後部に差し込み、押し出せば簡単にバヨネット筒を差し込むことが出来る優れものです。

Elmar f=5cm 1:2.8 編

2本のネジを外し、被写界深度環を外します。

Elmar f=5cm 1:2.8 編

内ヘリコイドに取り付けられている制限釦を外します。
制限釦の無限位置側に被写界深度環無限位置と合致させる為の調整ネジが取り付けられていました。

Elmar f=5cm 1:2.8 編

中ヘリコイドを時計方向に回しますと終端位置になります。念のためペイントで印を付けておきます。もし、印を付け無くても回転ヘリコイドでもあり、制限釦が中ヘリコイドに取り付けられ制限の役割をしています。ですから中ヘリコイドが無限から近距離まで満足する組み込み位置を簡単に探ることが出来ます。

Elmar f=5cm 1:2.8 編

経年変化と外的要素でグリスが汚れていました。
線条の底部まで丁寧に汚れたグリスを洗浄致します。

Elmar f=5cm 1:2.8 編

最初にNPC社製のGE-X8を塗布して感触の確認をしましたが線条仕様と素材の相性が悪いのか粘度が足りません。再度洗浄をします。
次ぎにパルピス社製のPOWER GREENに替えてみました。粘度の感触が宜しいようです。

Elmar f=5cm 1:2.8 編

社名環を固定している押さえ環を取り去ります。前環緩み防止剣先ネジ(赤○部)を外しますと前環・絞り値環を分離することが出来ます。
絞り値環を分離する際にクリックの鋼球の打ち上げに注意が必要です。

Elmar f=5cm 1:2.8 編

前群レンズは製造から半世紀を経過し、経年変化で中心を除き白濁が見られました。
白濁を清掃するにはコーティングを傷める恐れがあるので剣呑です。
清掃紙・綿棒は使用できません。綿棒の前の状態の脱脂綿を使用します。其れもピンセットに綿棒と同じように巻き付けてはいけないのです。
ピンセットに巻き付ける要領は、綿の繊維が竹箒の状態とし綿の繊維に不可が掛かるのを極力避ける状態が良いですね!
それでも時としてコーティング傷を発生させてしまいます。
此度は撮影できる程に白濁を拭うことが出来ました。

隠居人 田口由明

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