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修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー

2014.02.28【Vol.1064】

TANAR 5cm 1.9 編(首をひねるか?)

無限位置

分解する前の状態なのですが、無限位置でEV値が表示されています。絞り値は、と申しますと180°反対側にあります。何か違和感を覚えるのです。

ヘリコイド

調整後、ヘリコイドに鏡筒を組み込む位置を替え、被写界深度の無限位置と絞り値の設定位置を合わせてみました。時間速度を設定してから絞り値を合わせる方が自然だよね!
EV値の表示ですと本体を引っくり返さなければならないか、首を曲げねばなりません。
それとも単独露出計の数値、EVで合わせていたのでしょうか?

ヘリコイド

それはさておき腑分けをして行く事にします。
締付環を外しますとヘリコイド部と鏡筒部とに分離しますのはM39の特徴です。
ヘリコイド部と鏡筒部の間には個体固有の焦点調整環が入っています。

鏡筒

社名環を取り去ると前群レンズを外す事が出来ます。
後群レンズも外せたのですが、鏡筒と後群レンズの間に後レンズ焦点調整環が組み込まれていました。鏡筒の仕様間違えか?後群レンズの仕様精度にバラつきがあったのでしょうか?兎も角、保存に努め組み込み忘れをしないように致します。

側面

絞り値クリック環の側面にあるネジ3本を抜き去り外します。
組み込む際は、絞り値環の値設定印と一致する様、絞り値クリック環を取り付けます。

押さえ環

絞り値作動板を止めているネジを外し、鏡筒内側に押し出して外しますと絞り値環も外れました。
そして押さえ環を外します。

湿潤

絞り羽根に油分の湿潤がみられます。洗浄後組み立てますが、絞り値作動環に違和感が無いかを確認しておく事が大事です。

関係

経年変化でグリスの働きが宜しくありません。押さえ環を外すとマウント環と中・内ヘリコイドは滑空仕様でした。此処で肝心なことは、分解洗浄する前に中と内ヘリコイドの関係を確認せねばなりません。

両者

両者は前後どちらの方向にも抜けてしまうようで、組み込み位置の確認が出来ないのです。 其処で金床に乗せ、中・内ヘリコイドが水平になるように致しました。此の行為は何度か繰り返した方が、誤差が少ないですね! 両者に卦書きを入れておく事で組み込み位置がずれないようにしたのです。

無限位置

鏡筒を組み込んでしまいますと無限位置の調整に鏡筒を外したり、取り付けたりと面倒でした。
考えましたのは、合致調整してある他の民具に取り付けて、無限位置を探る事でした。
中ヘリコイドを左右どちらかに回転させて距離計の合致を合わせます。

ヘリコイド

そして合致を出したヘリコイドを動かさないよう距離環を取り付けます。
取り付けた後に合致を確認し、ズレが生じた場合は作業を繰り返します。
新たなグリスは滑らかな回転をもたらしました。初顔合わせは右脳を活発化させるものですね!又一つ勉強させて戴きました。

隠居人 田口由明

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