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2013.06.14【Vol.120】

周辺減光の話

口径食とは何か?

撮影した写真を見たとき、画面の周辺(四隅)がぼんやりと薄暗くなった写真を見たことがあるでしょうか。周辺減光、周辺光量落ちといわれる現象です。本来は画面全体画が均一に露光されているので同じ明るさ(部分的な明暗のない)で写真は見えるはずです。主に開放気味で撮影した際に広角レンズ、望遠レンズ問わず発生する現象で、特に広角レンズのほうが周辺減光は目立ちます。

口径食とコサイン4条則が周辺減光の最たる理由なのですが、簡単に言うとレンズ周辺部から画面に侵入する光が遮られたり減ることで中心部に比べると周辺が暗くなってしまうわけです。レンズを取り付けている鏡筒内の枠などが斜めから入る光を邪魔してしまうのが口径食、光軸に対して光の入射角度が鈍角になる(広角)とレンズを通過した際に周辺光束が細くなってしまい光量の減少をもたらすのがコサイン4条則になります。

口径食に関して言えば開放で撮影せずに少し絞ることで周辺減光は解消されます。もっとも撮影用レンズはレンズ中心部の描写が一番よく、周辺部になるに従いその描写性能は悪くなっていきます。収差の影響もこのレンズ周辺部からの光によるためが大きいのですが、周辺減光もレンズ周辺部から入る周辺光の通過量が減少してしまうことにより四隅が薄暗くなってしまいます。

最近ではカメラ内で自動で周辺光量を補正したり、レンズデータを読み込ませた現像ソフトで自動補正をおこなってくれたりします。そのため本来の補正無しの画像を目にしなくともよくなりました。ただ、レンズ本来の描写性能でもある周辺減光のある写真が必ずしも悪いというわけではないと思います。画面中心部を引き締める効果があったりするなど周辺減光が逆に生かされる場合もあるからです。デメリットとしてあげらることの多いレンズの描写性能ですが、きれいに補正された画像だけでなくレンズ本来の描写と比べて見るのも面白いかもしれません。

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