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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2016.12.30【Vol.302】

お正月花を撮影する

稗田紫玉作

稗田青凉作

酒井洸恵作

草月流理事の先生にお正月花を生けていただき、撮影してみました。大きな作品になると屋外やホテルや百貨店のロビーなどでも展示が行われますが、今回は自宅など身近な場所にも飾れる比較的小型な作品です。お正月花ということで、材料に松を使用したり水引を添えたりと日本らしい作品なのかなと思えば、綺麗なベネチアンレッドの花器を使ったりと色彩豊かな作品もいけていただけました。お話をうかがうところによれば、花材、花器、作品サイズなど、型にとらわれず自由な発想でいけるのが草月流の特徴ということです。

写真は室内に照明(モノブロックストロボ)を持ち込んで撮影したものと室内に差し込む自然光のみを利用して撮影したものです。影の強さ、ハイライトと影のバランスなど作者である先生に意見をうかがいながら照明を調整していきます。花材に限らず、花をいける花器も作品を引き立たせる大切な要素ですので、花器の色や質感にも注目して照明を当てていきます。花全体をフラットな光で柔らかく包む事も出来ますが、メリハリが失われ、花の形や躍動が伝わりにくいので適度に影を残すのがポイントです。デジタルカメラになり、ISO感度を高くすれば、照明を使わずに室内の光だけでも撮影できてしまいますが、それだけでは狙った通りの影やハイライトを作るのが困難です。照明を1灯使うだけでも光のコントロールに自由度が生まれてくるので、室内などで小物撮影する際には裸電球ひとつだけでも用意しておくといいでしょう。

1枚目の写真は赤い花器が透き通って見えるように花の上部、後ろ側から花器を逆光で照らしているのがポイントです。またもう1灯はコントラストが強く出るように被写体に近づけています。
2枚目の写真は作品に向かって右側が明るくなるように照明を設置。水引のあたりが特にハイライトとなるように照明の高さを調整しています。そして右側からの照明だけでは陰影が強くつきすぎてしまうので、左側離れた位置からバウンスさせた光を当ててみました。
以上二つの写真は、照明による影を確認しやすくしたり、被写体への余分な反射や写り込みを避けるために室内の明かりは消灯し、外光が入らないよう遮光した状態で撮影しています。

3枚目の写真は向かって左側から差し込む外光を利用して撮影しています。窓に差し込む光をレースのカーテンの開閉具合で調整しながら、強い影をつけないようにしています。ただし陰影が失われてはいけないので、松葉や水引をハイライトとなり、反対側に影が適度に落ちるように台座を動かしながら撮影位置を決めていきました。

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