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修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー

数々の執筆経験を持つカリスマカメラ修理人・田口由明氏のカメラ修理に関するコラム。
趣味の蕎麦打ちや家庭菜園などについての話題も掲載。

プロフィールはこちらから
1948年東京生まれの団塊世代。
1966年カメラのきむらに入社、修理部に配属される。
配属後、オリンパス光学・ニコンにて修理技術研修を受ける。 カメラ修理が趣味として確立されて行く中、良き相談元として、数々の取材を受け学習研究社「カメラGET」に「修理の手引き」を執筆、その後、成文堂新光社「おとなの工作読本」に「蘇れ:名機達」の修理記事を執筆し、自ら考案した修理方法を惜しげもなく公開して、日本の文化的財産であるカメラ保存の一翼を担う。
総集編「よくわかるカメラの改造と修理」は、バイブル的存在となっている。
その後、請われて池袋東武カルチャースクールの講師となる。
緻密な銅板画を描くイギリス人画家Grahamclarkeには共鳴するところがあると言う。
杉浦日向子著の「蕎麦屋に憩う」を片手に蕎麦友と蕎麦屋通いの途中、神楽坂にある「たかさご」の店主に誘われ十割り蕎麦打ちを始める。
そして、蕎麦打ちは蕎麦作りからと、親睦会の「たかさご会」設立に伴い入会し、都下檜原村での蕎麦づくりに参加。
2007年4月、修理部閉鎖に伴い日本橋店中古売り場へ異動。
2009年4月、統合によりカメラのキタムラ日本橋店中古売り場担当として活躍する。
2010年11月、カメラのキタムラを退職し、第2の人生をスタートさせる。

2017.04.21【Vol.1448】

オリンパスPen編(シャター部の腑分け)

オリンパスPen シャター部の腑分け

簡易な構造ほど無闇に変形させると修復が難しくなります。
理由は、使用されているバネ類の微妙な作用で動作しているからです。
花丸環を外しますとクリック環・秒時カム環の順に外れ、秒時制御部が現れます。

オリンパスPen シャター部の腑分け

これより分解する前にシャターをチャージしてからピンセットで強制的に赤両矢印方向へ動かしますとシャター羽根が黄色両矢印方向に開閉します。
その際に各レバーとバネの働きを観察すると良いでしょう。

オリンパスPen シャター部の腑分け

各部品の動きを働かせるバネ類の一端の多くはシャター後室の側壁に位置しています。
レリーズ板とバネ。シンクロ端子とバネを外します。
①はBレバーバネで一端はシャター後室に位置しています。
②は羽根戻しバネで一端はシャター後室に位置しています。

オリンパスPen シャター部の腑分け

痛めないよう赤丸部に位置するMバネの一端を逃がします。そして止めネジも外します。
セット板(鎌形板)を斜め右方向に引き上げ外します。

オリンパスPen シャター部の腑分け

Bレバーバネを外します。

オリンパスPen シャター部の腑分け

背部の3本ネジを外しますと前後に分離されます。

オリンパスPen シャター部の腑分け

表側になります。飛び出ているのは羽根戻しバネのみです。
羽根・秒時制御部・シャター後室の清掃をしておきます。
減速歯車押さえ環を外して減速歯車の洗浄や注油の際には注意が必要です。
理由は黄色矢印歯車の動作範囲が減速歯車押さえ環の固定位置で決まるからです。

オリンパスPen シャター部の腑分け

秒時制御部をシャター後室に納めるには、羽根戻しバネを捌いて秒時制御部の納め位置をネジ穴一つ分半時計方向位置にしてから斜めに滑らせ、先のネジ穴分を時計方向に回しますと収まります。羽根と交合しているかは羽根開閉レバーを黄色矢印方向に動かし検証します。
交合しましたら裏側の3本ネジを締め付けます。
そして残っていますバネ・レバー等を組み付ければ完成です。

オリンパスPen シャター部の腑分け

シャター機構部赤点線部分の汚れを清掃します。又秒時カム環の係合滑走する部分も清掃します。その後、ローソクを塗布すると滑りが良くなります。
この作用は、滑りの悪い障子・唐紙の滑走部分に塗布すると滑りが良くなる応用です。
グリスでも良いのですが、塗りすぎるとはみ出したグリスが悪さをします。

隠居人 田口由明

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