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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2014.10.03【Vol.187】

クラシックカメラ話「ライカM3」

ライカM3 DRズミクロン

つい先日ドイツケルンで開催された写真、映像用品の一大展示会であるフォトキナ。ちょうど60年前の1954年のフォトキナで一台のカメラが世界中を驚かせました。発表されたカメラはErnst Leitz社のライカM3です。

ドイツの都市は第二次大戦中の空襲で多くの街が焼けてしまい、1954年当時、ドイツは依然復興のさなかでした。そんななか、ドイツの写真産業は外貨の獲得を復興の一つとして多くのカメラを登場させました。これは戦後日本でも多くのカメラが登場したのと似ています。ライカM3は1925年に発表され脈々と進化を続けてきて、通称バルナックライカの欠点であったファインダー、巻き上げ機構、そしてフィルム装てん方式などの数々の不便さを一気に克服しています。むしろ従来のライカの改良というよりはまったく新たなライカが誕生したといいってもいいでしょう。それら機構の進化はそれまでのライカユーザーのみならず多くの写真愛好家、カメラメーカーを驚かせます。レンジファインダー式のカメラにセルフコッキングレバー巻上げを採用したカメラはライカM3が初ともいわれています。

他にもセルフタイマーを搭載(ライカIIId ,IIIfで採用済み)したり、倍率0.91倍の高倍率50mm視野枠ファインダーには、レンズ交換するごと90mm、135mmの視野枠が自動的に切り替わる方式も採用しています。もちろんパララックスも自動補正し、ブライトフレーム式なので、ファインダー像も明るく見やすくなりました。そのほか細かな改良点もおおく、フィルム枚数カウンターの自動復元、連動露出計との組み合わせなどそんな改良点の一つでしょう。そして、レンズマウントの改良もライカM3の大きな特徴です。Mマウントと呼ばれる4本爪のバヨネットリングにより、従来のねじ込み式よりレンズ交換の素早さや耐久性がアップしています。新型のMマウントレンズも登場し現在にもつながるライカMマウントシステムが稼動していきます。

その後M3は民間用モデルの生産を1966年まで、最終的に1968年まで製造が続き約20万台をこえる生産数となります。その間1957年にライカM2、1959年にM1と続き、そしてM型ライカ発売から60年となる今年11月にはフルメカニカルカメラであるライカM-Aが登場予定となっています。数々の改良を重ねながらも未だにカタチを変えずに多くのユーザーに愛されるライカがこの先も変わらずに登場し続けてくれることを願っています。


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