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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2013.05.31【Vol.118】

クラシックカメラ話「アグファ カラット」

アグファ カラット

かつて、ヨーロッパのフィルムメーカーとして世界的に有名であったAGFA。 1916年にはカラーフィルムの現像について研究、製品を発表し、1920年代までは世界で唯一のカラー写真素材を提供する企業でした。それまで撮影方法が煩雑だったカラー写真製法を一度の撮影、一度の現像操作で行えるアグファカラー・ノイを1936年にリリースした、カラーフィルムのパイオニア的存在です。AGFAという社名は「Aktien-Gesellschaft fur Anilin-Fabrikation」アニリン製造株式会社という化学薬品メーカーでした。

そんなフィルムメーカーとしてのAGFAも当時のドイツカメラ産業に乗り込みたくさんのカメラをリリースしました。今回のAGFA KARATは1930年代中頃から50年代まで生産された35mmフィルム使用の小型カメラです。35mmフィルム使用ではあるのですがSLカートリッジ(RAPIDカートリッジ)という特殊なフィルムマガジンに入ったフィルムを使用しなければなりません。フィルムの装填ミスが起こらないような簡単なカートリッジ式のフィルムで、フィルムの巻き戻しが不要のダブルパトローネという種類のカメラになります。カートリッジの制約のため撮影枚数は最大で12~14枚程度と少ないのがデメリットです。

また、1930年代当時はこのカートリッジを採用するメーカーがほかになかったためあまりフィルムのシステム自体の普及にはならなかったようです。しかしながら、1960年代にKODAKのインスタマチックカートリッジに対抗すべくRAPIDカートリッジが再び登場し、日本のカメラメーカーでもRAPIDシステムを採用したカメラがたくさん製造されました。

AGFA KARATに話をもどしますが、このカメラは小型ながら蛇腹を使用しながらしっかりとしたアルミのボディーで頑丈な作りになっています。価格によってレンズ、シャッターの組み合わせが複数あり、初心者からでも扱えるシンプルな構造を持っています。生産数も多くバリーエーション豊かなカメラとしてコレクションしている人も多いようです。フィルムも現在生産されている35mmフィルムが使用できるので、カートリッジさえ入手できれば撮影も可能です。


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