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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2013.07.05【Vol.123】

クラシックカメラ話「ローライフレックス4x4」

ローライフレックス4x4

1931年、ドイツのライプチッヒ見本市で紹介されたカメラにフランケ&ハイデッケ社のローライフレックス4x4というカメラがあります。ブローニーフィルムを使用し、1kg近い重量のあるオリジナルのローライフレックスの小型版として開発されたローライフレックス4x4ですが、よくあるフラッグシップ機に対する廉価版という位置づけではなく、フィルムサイズを小型化したバリエーションとしてオリジナルのローライフレックスをそのまま縮小した形になっています。フィルムは127という種類のフィルムで日本ではベスト判フィルムという名称でも呼ばれています。ブローニーでおよそ6x6センチで撮影できる画面に対しベスト判では4x4センチと一回り小さいサイズで撮影できます。

ちょうどその頃、カメラも大きなフィルムを使用するものからブローニーやベスト判、35mmフィルム使用の小型カメラが増えてきました。同じドイツのライツ社が35mmフィルム使用のライカで有名になり、小型画面サイズ、小型フィルムと言葉が盛んに使われるような時代でもありました。そんなことから、カメラの形態としてはまったく異なりますが、ブローニーよりも小さなベスト判を使用するローライフレックス4x4が登場するに至りました。搭載するシャッターも1/300や1/500の高速シャッターが使えるコンパーシャッターを採用し、レンズは開放F3.5 やF2.8とライカで供給されているレンズと似たスペックの高級レンズを搭載するなど、ライカを意識した戦略の販売でもあったようです。この戦前モデルの生産台数は1931年から1944年の約13年間で1万8000台ほど生産されました。

戦後になった1957年には新たなデザインと機能を備えた戦後型のローライフレックス4x4が登場します。薄いブルーグレーの外装で黒一色の無骨なデザインから優しい印象となり、かわいらしさが感じられます。1968年までの11年間におよそ6万8000台生産され、そのうち約5000台ほどが黒の外装で販売されています。搭載されたレンズはシュナイダーのクセナー60mmF3.5に統一され、少し本家のローライからはスペックダウンしています。手のひらに乗る小さな形体からベビーローライの愛称でしたしまれていて、人気のあるクラシックカメラの一つです。ただ、残念なことに現在、日本国内において127フィルムは潤沢に供給されておらず、入手が少し難しいフィルムになります。海外などから取り寄せるなどして購入することは可能です。


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