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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2013.02.01【Vol.101】

クラシックカメラ話「ミノックス」

ミノックスB型

カメラにはスパイカメラとも呼ばれる超小型カメラがあります。中でもその超小型カメラの代名詞とも言えるミノックスは現在においても超小型カメラのブランドとして生き残っています。

第二次大戦の始まる数年前、ラトビアで創業したミノックスは1936年~1937年に試作、発売されたミノックス1型の時点で本体長さわずか8センチ程度の超小型カメラを世の中に送り出しました。フィルム画面サイズは8mm×11mm。双眼鏡のような形をした専用のマガジンにフィルムが収められています。レンズに絞り機構は搭載せず、基本的にシャッター速度のみで露出を調節します。鮮鋭度のすこぶる高い3群3枚の15mmF3.5のレンズを搭載したミノックス1型は文書などの細かい被写体でもきっちり鮮明に写すことが出来ることから、戦中戦後を通してスパイカメラとしても活躍しました。戦後は会社をドイツに移し、新しいモデルを登場させていきます。基本設計は初代モデルで殆ど出来上がっていたようで、大幅な機構の変更はありませんが、露出計を内蔵したり、電子シャッターを搭載したりと、徹底的にコンパクトにまとめたボディーに詰め込まれた技術には感動します。またシンプルながら良く考えられた付属品も魅力です。機能性を持つおしゃれな小型三脚。距離計測が出来る専用ストラップや双眼鏡アダプターなど。現像引き伸ばしの道具も一式専用品があるので、まさにシステムカメラとしての製品ラインナップが行われている点にも脱帽です。

そして、大きな魅力は搭載レンズです。ネガサイズは極小ながら、性能の高いレンズを持っているので、シビアな現像をきっちり行えば拡大引き延ばしにも耐えるようなネガを得ることは十分可能で、風景からスナップまで通常の撮影を行いプリントを楽しむことも出来ます。

しかしながら、現在では専用フィルムの入手が非常に困難な状況にあるので、いつでも撮影が行えるわけではありません。ただカメラ好きとしては一度は手にとり撮影を行いたい魅力をもつカメラのひとつです。


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