パナソニック LUMIX S 50mm F1.8 レビュー|初めての単焦点レンズならこれに決まり!

水咲奈々

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はじめに

 LUMIXの「F1.8単焦点シリーズ」に、新しいレンズが仲間入りしました。昨年11月に発売された「LUMIX S 85mm F1.8」に次ぐ2本目のレンズで、同シリーズの特徴でもある小型・軽量でコストパフォーマンス抜群の、大口径標準単焦点レンズ「LUMIX S 50mm F1.8」の魅力を、ポートレートのスチールとムービーでお送りします。

小型・軽量・コストパフォーマンスGOOD!

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■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + LUMIX S 50mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/250秒 ISO800 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:深澤胡桃

 F1.8の大口径ながら、最大径73.6mm、長さ約82mm、重さ約300g (レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップを含まず)という小さくて軽い本レンズは、フットワークの軽い撮影を行えます。

 ポートレートに限らず、メインの被写体の背景を変えたいときは自分が動いて抜けを考える必要がありますが、長いレンズだと狭い場所の出入りに難があることも。また、重量がある場合、最近の軽いカメラに装着すると前側に重心が傾いてしまい、見た目のバランスが悪くなるとともに、支えている左腕の疲れにつながってしまいます。

 いい写真を撮るためには多少の苦労も厭わない!とも思いますが、正直、機材は小さくて軽いに越したことはありません。さらに、コストパフォーマンスがいいのも本レンズの特徴で、6万円以下でこの性能のレンズが手に入るのかと思うと、技術の進化に感謝してしまいます。

ポートレート風ショートムービー

 LUMIX S5と本レンズで、ショートムービーを撮影しました。微揺れも無くしたかったので三脚を使用しましたが、手持ちでも揺れの少ないムービーを撮影できるコンビと言えるでしょう。

 絞りは開放、フォトスタイルは人物モードで全編撮影しています。室内なのでNDフィルターは使用しませんでしたが、屋外撮影や光が強い場所では必須のNDフィルターも、「F1.8単焦点シリーズ」はレンズのフィルター径が67mmと同じなので、本レンズとS 85mm F1.8の2本を持っている方も1枚のフィルターで済むのは大きなメリットです。

 筆者は様々な焦点距離のレンズを使ってムービーを撮影していますが、50mmの画角は見え方が自然で使いやすい焦点距離でした。また、画に過度な味付けが施されないので、その場にいるような自然で好感が持てる映像になりました。

ポートレートに最適の上品な描写

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■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + LUMIX S 50mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/250秒 ISO800 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:深澤胡桃

 ピントが合っている面のシャープさはもちろん、そこからボケにつながるグラデーションは滑らかで自然、わざとらしいボケを排除している上品な描写でした。特に柔らかいボケ味が印象的でした。前後に大きなボケになるような被写体を配置して、その場のムードを写し込むような撮影に向いています。

 レンズ構成は8群9枚で、非球面レンズを3枚採用して球面収差を抑え、色収差はEDレンズ1枚を効果的な位置に配置することで補正しています。また、高屈折率のUHRレンズを採用しており、画面周辺の描写性能も高い構成となっています。絞り形式は9枚羽根の円形虹彩絞りで、美しい玉ボケを作り出すことが可能です。

 また、画面隅々の描写もしっかりしていて、寄りでも引きでも高い解像感を保っていると感じました。

素早く、正確、静かなAF

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■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + LUMIX S 50mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/250秒 ISO800 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:深澤胡桃

 カメラボディの性能に依るところも大きいですが、AFは素早く正確。本レンズはフォーカスレンズを保持するフレームがガイド軸に沿ってリニアモーターで駆動する構成となっており、これによって素早く、精度の高い、そして静かなAFを実現しています。

 モデルのポーズ替えごとにピントを合わせ替える撮影時に、ピント合わせに時間がかかるのは致命的ですので、素早くて正確なAFは大変ありがたいです。また、動画撮影時にピント合わせの音が収音されないように、合焦音が静かというのも大変助かります。

シンプルでスッキリとしたデザイン

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■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + LUMIX S 50mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/250秒 ISO800 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:深澤胡桃

 レンズの外観はシンプルで、艶感のある黒色と縦スリットのローレットが特徴的です。どのカメラボディにも合うゴテゴテしていないデザインは、安っぽさを感じさせません。ひとつ注意点は、S 85mm F1.8もまったく同じサイズ、同じデザインなので、防湿庫から出すときにはしっかりと確認しないと間違えてしまいそうです。

優しい色味とラインを描き出してくれる描写性能

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■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + LUMIX S 50mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/200秒 ISO640 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:深澤胡桃

 本レンズは防塵・防滴仕様、マイナス10℃の耐低温設計で雪山などでの撮影も可能です。今回はポートレートでのレビューですが、スナップや旅行などでも使いやすいコンパクトさですので、ちょっとの雨風にも負けない防塵・防滴仕様はありがたいです。

 また、今回は描写性能を見るのに、明暗の差を重視して撮影してみました。白とびギリギリの明るいところの描写が破綻していないこと、黒つぶれまでいかないまでも、暗いところの描写が濁っていないこと、その中間の明るいところから暗いところへのグラデーションの描写がナチュラルなこと、それらをテーマとして撮影場所をセレクトしました。

 大きなボケを作り出すことだけが大口径レンズのメリットではなく、明るく撮れることだけがF値の小さいレンズを使う意味ではありません。50mmという標準画角の焦点距離は人の目の見え方にも似通っていることから、筆者は上記の描写能力をかならず確認するようにしています。

 結果、人物の柔らかい肌色をそのままに、女性の丸いラインを優しく形取ってくれる、この焦点距離で欲しい描写性能を備えたレンズであると感じられました。

初めての単焦点レンズにお勧め!

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■撮影機材:Panasonic LUMIX S5 + LUMIX S 50mm F1.8
■撮影環境:F1.8 1/160秒 ISO3200 AWB フォトスタイル 人物
■モデル:深澤胡桃

 今回は、描写性能をみるためと題材がポートレートなので絞り開放でのレビューとなりましたが、F5.6からF8くらいに絞って、街中でのスナップ撮影も楽しいレンズでした。Sシリーズレンズの単焦点を初めて買う方には特に、性能とコストパフォーマンスも併せてお勧めできるレンズに仕上がっています。

00_LUMIX S 50mm F1.8の製品画像.jpg

■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。

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