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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2014.11.21【Vol.194】

単焦点レンズのはなし

写真撮影用のレンズは、撮影できる範囲が一つに決まっている単焦点レンズと、特定の範囲内の焦点距離を無段階に撮影できるズームレンズがあります。

デジタル一眼レフカメラとのセットについてくるレンズのそのほとんどはズームレンズですので、初心者の方の多くはズームレンズから写真をはじめた人が多いと思います。一本で広い範囲から遠くまでを狙えるズームレンズはあらゆる撮影に便利で、持っていく機材を減らすという意味でもカメラマンにとっては重要です。

ではなぜ、すべてがズームレンズではなく単焦点レンズがあるのか。やはり大口径(明るいF値)やそれによるボケ具合、画質面などでズームレンズが単焦点に道を譲るポイントがいくつかあるわけです。設計上、一つの焦点距離についての画質を追求すればいい単焦点レンズと違い、ズームレンズはレンズが有する特定の焦点距離内において平均的な性能のバランスをとる必要があったり、レンズの枚数がどうしても多くなってしまうので光の乱反射によるフレアなどが出やすいことなどが上げられます。ただし最近ではコーティングがよくなることで画質面に関してはズームレンズでも単焦点レンズに引けを取らないぐらい優秀なものも多く存在しています。しかしF1.2 F1.4などの大口径は単焦点レンズだからこそ得られる特徴なのも事実です。ズームレンズに比べて画面周辺部の歪みが少なかったりするので、24mmなどの超広角レンズでも不自然にならない描写を得られたりします。

ただし、デメリットもあるわけで、撮影に必要と思われる分の焦点距離の本数を持っておく必要がある、重い、そして価格が高いなどが挙げられます。もちろん、そこまで大口径にこだわらずF2.8ぐらいの単焦点レンズであれば、焦点距離によってはパンケーキタイプなどと呼ばれるコンパクトなレンズもあるので重さや価格のデメリットはありません。ただし単一の焦点距離による撮影できる範囲の制約はどうしても撮影者でクリアする必要があります。自分が被写体に近づいたり離れたりすることで、撮影距離を変え写る範囲を調整する。単焦点はその繰り返しを必ず行う必要があります。ズームレンズは同じ位置からでも焦点距離を変更できるので手軽にワイド、望遠の写真を撮影できます。これだけ聞けば撮影はズームのほうが楽に行えます。ただし、この単焦点の手間である自分自身の移動が出来上がる写真を大きく変える大事な要素であることも忘れてはいけません。

手軽なズームか、ひと手間ふた手間を惜しまずに単焦点か。難しい選択ですが、一ついえることは単焦点レンズでの撮影に慣れてみると、次第に自分が一番よく使う焦点距離がわかってくるということです。


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