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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2012.08.03【Vol.075】

構図の話1

フレーミングはどうすればいいでしょうか?構図は?という声を聞くことがあります。

その二つをまったく同じことと定義している人もいれば違ったものと捉えている人に分かれるようです。そのどちらが正しいとか間違いとかはないと思いますが、私個人としてはフレーミングと構図は別のモノと捉えて話すことが多く、ここでもそのようにお話したいと思います。

まず、フレーミングは目の前に広がる状況をカメラのファインダーで見えている枠で囲む作業のことと考えることができます。そして写真を撮影する作者が、その画面でいったい何を一番見せたいかが重要で、それをより明確にするためにそのフレーミングで得られた枠の中でおこなう細かな画面構成を構図と呼ぶことが出来ます。被写体の前後の重なり、ピント位置などその画面内にあるモノの要素に変化を与える作業も構図のひとつでしょう。

ちょっとづつフレーミングを修正しながら大まかな枠を決めていき、細かく構図を追い込んでいくというセオリーがひとつ見えてきます。

日の丸構図、対角線構図などといわれる、あらかじめ決まった画面構成を知っておくことで、それを枠のなかに当てはめて構図を決定することもできます。ただ、あらゆる被写体をその決められた画面構成に最初から当てはめていくのは少し難しい気がします。フレーミングで得られた枠があったうえで結果として「~構図」と呼ぶ画面構成が出来上がることも多いのではないかと考えられます。

例えば同じ情景を見たとき、フレーミングと構図そのどちらの考え方を先にもって来るかで当然出来上がりの写真のイメージに違いは出てきます。上記の話で言えばフレーミングがあった上での構図という一連の作業について述べていますが、ただ、作者自身が初めから画面をどのように見せたいかが明確であればあるほどフレーミングの作業は簡略化でき狙い通りの構図を得られやすくなるのは事実です。

フレーミングと構図そのどちらが後先というものであったり、作業工程としての捉え方だけではなく、作者の意思がいかに明確であるかをあらわすものの一つが構図といえるのかもしれません。