完成度が想像を超えた!4年ぶりに進化したソニー α7 Vの真価:基本性能解説編

鈴木啓太|urban
完成度が想像を超えた!4年ぶりに進化したソニー α7 Vの真価:基本性能解説編

はじめに

こんにちは!フォトグラファーの鈴木啓太|urbanです。長年オールドレンズやフィルムを中心にポートレート、スナップ、家族写真を撮影しております。今回は2025年末に発売されたSONY α7 Vのレビューとなります。約半年近く使用し、前モデルとの違いも体感できるようになってきました。今回は子ども撮影やポートレートに主眼を置いてレビューをしていきたいと思います。ベーシックモデルと言いながら最上位機種に匹敵する性能を持つα7 V、その性能をさっそく見ていきましょう。

4年ぶりのベーシックモデル更新!

α7 Vは前モデルであるα7 IVから約4年を経て発売されました。その4年の中には大きな進化が見られます。全体的なスペックの底上げがなされているため、まずは簡単にですが、そちらに触れていきたいと思います。

半年ほど使用して特に進化を感じたのが、AIを取り入れた被写体認識AF、サードパーティ製レンズでも十分な性能を発揮するAF追従性能、大型化した液晶に加えチルト+バリアングルの使いやすさ、そしてバッテリーの持ちの良さです。

性能面だけではなく、本体としての使いやすさも大きく向上しました。サイズに関してはα7 IVと比較し幅1mm減の代わりに厚みが2.6mmほど増加していますが、体感差はほぼありません。メディア、バッテリーを含めた重量は約695gと37gほど増えていますが、こちらもレンズキャップ1つほどの重さが増えた程度ですので、体感差はほぼないと言っていいでしょう。4年で大きくスペックアップした中で、ほぼ前モデルと同じサイズ、重量を維持できているのはありがたい限りです。グリップも深めなため、数値以上に軽さを感じるのも個人的には推したいポイントです。

まずは簡単にポートレートの作例から紹介していきます。

■撮影機材:SONY α7 V + TAMRON 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:焦点距離35mm f8 1/500秒 ISO100 WBオート
■モデル:あまね
■撮影機材:SONY α7 V + TAMRON 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:焦点距離150mm f11 1/50秒 ISO100 WBオート
■モデル:あまね
■撮影機材:SONY α7 V + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:f1.4 1/6400秒 ISO100 WBオート
■モデル:あまね

さて次章からはスペックアップした4つの点に着目し、その性能を紹介していきたいと思います。

シャドウからハイライトまでより滑らかになった諧調表現

■撮影機材:SONY α7 V + 7Artisans 40mm F2.5 AF
■撮影環境:f2.5 1/3200秒 ISO100 WBオート

α7 Vは従来機と比較し、ダイナミックレンジと呼ばれるシャドウからハイライトのレンジが1段ほど大きくなり、15ストップから16ストップに進化しました。とても簡単に言ってしまうと、より明るいところより暗いところの情報が残るようになったということです。

また、暗いところでISOを高くして撮影しても高感度ノイズが抑えられ、特にRAW現像でシャドウを持ち上げた時の破綻が若干ですが少なくなりました。1段という差は劇的に違うというわけではありませんので、今まで通り白飛びと黒潰れに気をつけるということは忘れないようにしましょう。

ポートレートにおいては明暗が強い古民家の撮影等で、より光の情報を残せることに繋がり、子どもを撮影する場合は露出ミスを1段分カバーできるということにも繋がりますので、子どもを咄嗟に撮影したときの明るすぎる、暗すぎるというミスを救うことにも有効に働きます。

■撮影機材:SONY α7 V + 7Artisans 40mm F2.5 AF
■撮影環境:f8 1/320秒 ISO100 WBオート
明暗が強いシーンでも破綻なくシャドウからハイライトまで描き切ることができます。
■撮影機材:SONY α7 V + 7Artisans 40mm F2.5 AF
■撮影環境:f2.5 1/400秒 ISO100 WBオート
ハイライトが大きく入るシーンも印象深く残せるため、表現の幅がより広がります。

AI認識により進化したAF

■撮影機材:SONY α7 V + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:f1.4 1/400秒 ISO100 WBオート

α7 IVから大きく進化を感じるのがリアルタイム認識AFです。従来機では純正レンズは元より特にサードパーティ製レンズではボディAF性能を最大限引き出せなかったのに対し、本機では明確にAFの性能が向上していると感じます。特に、被写体を認識してトラッキングする精度が高くなり、いきなりフレームインしてくる子どもでもしっかり捉えてAFを追従するようになりました。更に広角で撮影した際、人物が小さい場合でも瞳を正確にとらえることができる点は、進化を感じることができるポイントだと言えるでしょう。

筆者はよく子どもが走ったり飛んだりするシーンをトラッキングAF&連写で撮ることが多いのですが、絞り開放でも格段に合焦率が上がっています。TAMRONやSIGMA、そして続々と出てくる中華メーカーのレンズでも、性能を引き出すことができるのは非常に頼もしいと感じます。あまり動かない静物やポートレート撮影においては、ピントがあっていないということは皆無といえるでしょう。

■撮影機材:SONY α7 V + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:f1.4 1/800秒 ISO100 WBオート
このように狙った被写体の顔が隠れていても人物と認識し瞳を正確にとらえ続けることが可能になりました。他に被写体がいても、ピントが移動してしまうこともありません。
■撮影機材:SONY α7 V + 7Artisans 40mm F2.5 AF
■撮影環境:f2.5 1/2000秒 ISO100 WBオート
サードパーティ製レンズの開放でも、問題なく追従することが可能です。連写速度も上がっているため、多くのシーンから良いと思う写真をセレクトしやすくなりました。
■撮影機材:SONY α7 V + 7Artisans 40mm F2.5 AF
■撮影環境:f8 1/400秒 ISO100 WBオート
乗り物の中の被写体にも正確にピントが合います。動いている被写体を撮る場合、F値とSSの組み合わせが重要です。 ブレや動きを強調したい場合、流し撮りも有効なテクニックのひとつです。

色再現性の精度向上、ホワイトバランスの強化

■撮影機材:SONY α7 V + TAMRON 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:焦点距離35mm f8 1/125秒 ISO100 WBオート

AWB(オートホワイトバランス)という観点では従来と比較し、色再現の安定性と環境適応力が改善されたと感じられます。特に屋内における自然光と室内LEDのミックス光があるシチュエーションでは、AWBがコロコロと変わってしまっていた印象ですが、α7 Vではより自然で一貫性のある色を捉えることができるようになりました。

このため、屋内のイベントや動画撮影でも正確な色を出力することができるというメリットがあります。子どものお遊戯会などは体育館を使っての実施が多いと思われますが、色々な色が混ざり合うシーンでも正確な色を表現することが可能となりました。また、人肌も非常にニュートラルでα7 IIの頃にRAW現像で非常に苦労したのが嘘のようです。色が良くないと言われていたαはもうだいぶ過去のものとなっています。

■撮影機材:SONY α7 V + 7Artisans 40mm F2.5 AF
■撮影環境:f8 1/400秒 ISO100 WBオート
露出調整のみのRAWデータですが、レトロな遊園地の低彩度もよく表現できています。
■撮影機材:SONY α7 V + 7Artisans 40mm F2.5 AF
■撮影環境:f2.5 1/640秒 ISO100 WBオート
こちらも露出調整のみのRAWデータです。肌色の正確さはポートレートの強い味方。
■撮影機材:SONY α7 V + TAMRON 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:焦点距離150mm f8 1/160秒 ISO100 WBオート
一風変わってモノクロですが、木々の細かなトーンもしっかりと再現してくれます。

新バリエーション追加で表現豊かになったクリエイティブルック

■撮影機材:SONY α7 V + Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
■撮影環境:f1.4 1/200秒 ISO100 WBオート クリエイティブルック:ST

α7 IVに搭載され、筆者も常に使い続けてきたクリエイティブルックですが、今回新しくFLシリーズの2と3が追加となりました。SONYの他機種では既に採用されていたこの2種ですが、どちらもフィルムをイメージしたクリエイティブルックとなっており、フィルムユーザーにも受け入れやすいカラーとなっています。

筆者は過去ずっと「FL」を使用してきましたが、コントラストがやや高く落ち着いた発色の「FL2」、コントラストをやや抑えクリアな発色を表現した「FL3」とどちらも非常に魅力的な選択肢と感じました。以下撮り比べとして、それぞれの発色、コントラストの差がわかるようにしてみましたのでぜひご覧ください。

惜しむらくは2026年5月初旬時点でLightroomのプロファイルにはクリエイティブルックのデータが搭載されておらず、これらをベースとしたRAW現像ができないという点でしょうか。早めの対応を期待したいところですね。体感は、FL2は富士フイルムのフィルムシミュレーション「クラシックネガ」に近く、FL3はシアンが少し強い印象を受けました。個人的な好みはやはり「FL」ですが、この3種の中では最もコントラストが高いため、カスタマイズで少し下げて使用しています。

クリエイティブルック:FL

クリエイティブルック:FL2

クリエイティブルック:FL3

すべて同じ設定で撮影した結果です。空の色、葉の色、看板に当たる光の強さ、青いトタンのカラーがそれぞれ異なっています。FL3はFLの低コントラスト版と思いきや、かなりシアンに色が振れていて好みがわかれる印象。FL2は他の2つとは異なり、ややマゼンタが強い結果となっています。

まとめ

■撮影機材:SONY α7 V + 7Artisans 40mm F2.5 AF
■撮影環境:f2.5 60秒 ISO100 WBオート

簡単にですがα7 Vの特徴を解説してみました。なかなか高額なカメラではありますが、ベーシックモデルのα7シリーズは、リセールバリューが高いのも見逃せない点です。筆者は前モデルも発売日に購入し4年使い続け、α7 Vも発売日にカメラのキタムラで購入。その際に前モデルを下取りに出すことで、α7 Vを市場価格の60%程度で購入することができています。

カメラのキタムラでは新機種のリリースタイミングやGW等に買取査定アップキャンペーンなども実施していますので、これらを活用し最新モデルを入手するというサイクルは特にファミリー層にもおすすめです。これ1台でなんでもこなせてしまうので、パパがα7 Vで写真、ママはスマホで動画、時には交代で撮影など満足のいく写真ライフが送れると思います。

次回はα7 Vだけでなくその他のSONY機にも使える低価格で高性能なレンズも紹介しようと思いますので、ぜひご期待ください!それではまた次回、α7 V記事の第2回目でお会いしましょう!

 

 

■モデル:あまね(@amane._.0324

■フォトグラファー:鈴木啓太|urban
カメラ及びレンズメーカーでのセミナー講師をする傍ら、Web、雑誌、書籍での執筆、人物及びカタログ撮影等に加えフィルムやオールドレンズを使った写真をメインに活動。2017年より開始した「フィルムさんぽ/フランジバック」は月間延べ60人ほどの参加者を有する、関東最大のフィルム&オールドレンズワークショップに成長している。著書に「ポートレートのためのオールドレンズ入門」「ポートレートのためのオールドレンズ撮影マニュアル」がある。リコーフォトアカデミー講師。

 

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