万能で高機能なOMシステムのカメラと出かけよう|斎藤巧一郎

斎藤巧一郎
万能で高機能なOMシステムのカメラと出かけよう|斎藤巧一郎

カメラのキタムラ写真教室では4月26日(日)に熊本市・水前寺成趣園にて、斎藤巧一郎さんを講師に招いたOM-3を用いた撮影会を開催します。当日はOM-3やOM-1 Mark IIの貸出も予定していますので、ご興味のある方は文末の撮影会のご案内をぜひご覧ください。

はじめに

OMシステムのカメラたちはどれも軽くてコンパクトで持ち出すのが楽しくなる。
それでいて高画質でさまざまな表現機能が備わっているので、作品と呼ぶような写真を撮りたくなる。そう、旅先で感じたことを表現するにはもってこい!なカメラである。

コンパクトなのは搭載するセンサーがいわゆるフルサイズのセンサーと比べ約1/4ほどの面積になるマイクロフォーサーズ規格のためだが、さかのぼるとオリンパスのフィルムカメラ時代も軽量、コンパクトなのは信条だった。50年程前にフィルムカメラの OM-1は高い機動性を実現していたが、その信条は現代のOM-1にも引き継がれている。
機能、そしておすすめのレンズを作例と共に紹介していこう。

おすすめのレンズたちの作例

まずは 熊本の名勝地から御輿来海岸。上級グレードのPROレンズは夕陽の空のグラデーションを美しく残してくれる。夕日の色合いの調整はホワイトバランスを曇天にし、少し暖かめな色合いにしている。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO
■撮影環境:1/3200秒 F2.8 ISO200 WB曇天(6000KB)

レンズを交換してOM-1 Mark IIとM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3。広角から望遠まで1本でこなせる高倍率ズームは旅で活躍してくれる。
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」で世界遺産に登録される熊本の崎津集落。
教会を中心とした港町は多くの撮影者に訪れてほしい絵になる場所。ズームで望遠にして撮影している。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
■撮影環境:1/1250秒 F8 -0.3EV ISO400 WBオート

教会の塀の隙間も十字架で、先に見えているのは崎津教会のバラ窓。これも少し望遠ぎみの焦点距離で撮影。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
■撮影環境:1/400秒 F8 -0.7EV ISO400 WBオート

集落の猫達は、優しい住人達が多いせいか人を怖がらない。足元で遊んでほしいとせがまれる。猫に触れそうな距離感、広角端の12mmで撮影している。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
■撮影環境:1/800秒 F5 ISO400 WBオート

天草の近海でイルカウオッチングに参加。船の近くにイルカが姿を見せてくれるが、船とイルカの距離は近くなったり離れたり変わりやすく、高倍率ズームなら対応しやすい。1/3200秒でしぶきを止めている。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
■撮影環境:1/3200秒 F8 -0.7EV ISO1600 WBオート

遠くに目をやると大型のサギがこちらを警戒していた。200mmの望遠端で程よく画面構成ができる。200mmの焦点距離はフルサイズ換算400mmになるので遠くの被写体もあきらめなくていい。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
■撮影環境:1/1000秒 F8 -0.7EV ISO400 WBオート

熊本天草の名物はクルマエビ。お刺身のクルマエビもこんな距離感で撮影できる12-200mmは最短撮影距離0.22m(ワイド端)とマクロレンズ並み。カメラを左手で構え、右手で箸を使いつつ撮影。軽いカメラなので出来るワザ。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
■撮影環境:1/50秒 F6.3 +0.3EV ISO400 WBオート

夏の熊本の人気撮影地の菊池渓谷。長靴で水に浸かりながら川を進んで行くが、OMシステムのカメラたちは防塵防滴。水がかかっても気にせず思いの位置まで進んで、水面に近いところにカメラを構える。こんな場所でも安心して撮影ができる。運よくこの朝は光芒がすごかった。

■撮影機材:OM-5 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:1/400秒 F4.5 -0.3EV ISO1600 WBオート

大雪山にもOM-1 Mark IIと共に登った。曇り空のもと登り始めたが途中から雨の中テント場まで進んだ。
私はレインウエアを着たが、OM-1 Mark IIはそのまま首にかけて歩いた。軽量なのも登山には嬉しいが雨の気遣いをせずにいられるのも楽でいい。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
■撮影環境:1/800秒 F2.8 -1.0EV ISO200 WBオート

軽量、コンパクト、信頼性の高さをここまでお伝えしたが、表現のための機能も充実。ライブGND機能は、いわゆるハーフNDで濃度の段階、NDをかける範囲、角度を調整できる。
写真は朝日がまぶしいシーンで、空の部分にGND4で撮影している。場所は城崎、円山川を渡っていく「けあらし」。霧が低いところにあるので天地が逆のよう。空はGNDの効果で太陽の形もはっきりし、写真上部左右は減光されている。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:1/1250秒 F8.0 GND 4 -0.3EV ISO200 WBオート

この写真も同じように、水平線から上にGND4を使用することで空に濃度をつけることが出来る。ホワイトバランスを曇天に設定し夕陽は、より暖かみのある色になっている。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:1/30秒 F4.0 GND 4 -0.7EV ISO200 WB曇天

GNDをわかりやすく比較するとこうなる。
ルピナスが咲く夏のニュージーランド、雲の様子を見てもらいたい。

▼GNDなし

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8
■撮影環境:1/320秒 F10 ISO200 WBオート

ライブGNDという機能を使い、陸と空の境目あたりから上にGND4で空側に濃度を求め、それもライブというように、ファインダーで確認しながらフィルターの位置、角度、境目のにじみ具合を調整して撮影をすることができる。
私はレンズ前につけるハーフNDフィルターを使ったことが無かったが、これから使ってみようと思うほどだった。

▼GNDあり

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
■撮影環境:1/250秒 F10 ISO200 WBオート

ハーフNDだけでなくNDフィルター効果もカメラ内にある。
NDフィルター機能は先にカメラに搭載されていていた。ND2〜64までの段階があり、風景撮影にガラスのNDフィルターを使用されている方もいるようだが、カメラ内にND、GNDがあるなら持ち物を減らせるし、費用もかからない。まずはカメラ内の表現効果でNDの効果を楽しんでみて必要ならレンズ前のフィルターを購入すればいい。
写真は昼間の海を2秒のスローシャッターで撮影。絞りをF22まで絞ってはいるが、ライブND32を設定して打ち寄せる波を撮っている。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:2秒 F22 ISO100 WBオート

星の長時間撮影で使用するライブコンポジットは、いわゆる比較明合成をカメラ内で仕上げてくれる機能で、徐々に長くなっていく星の光をモニターで確認しながら撮ることができる。
私は少し青い空の色が好みのため、星空撮影時のホワイトバランスを電球色にしている。
長崎 瀬詰崎灯台は周りに家のあかりなど無いために星空撮影に適している。時々、遠くに漁船が通過するのも面白い。

■撮影機材:OM-5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
■撮影環境:40秒 F4 ISO1600 WB電球

最後に私のライフワークの「日本の食」の取材から、鹿児島出水の製茶業川村さんがお茶を煎る様子を撮ったもの。
OMシステムのカメラは自然写真、星景写真などネイチャーフォトに特化していてると思われているが、私の取材での生産者の肖像写真は、
程よいボケ感で、周りの環境を取り入れたポートレート写真が出来上がる。
ボケ量が少ないマイクロフォーサーズのカメラではあるが、ボケ過ぎずにいい。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
■撮影環境:1/2500秒 F5.6 ISO3200 WBオート

福島会津の酒蔵、杜氏の林ゆりさん。柄杓を手に酒蔵のタンクの前で撮らせてもらっている。
25mmF1.2上位グレードのPROレンズは豊富なトーンで、明るさの差が大きい蔵のなかの様子を再現する。シャープで柔らかなボケもこのレンズならでは。

■撮影機材:OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
■撮影環境:1/400秒 F2.0 +0.7 ISO3200 WBオート

まとめ

これまで多くの作品づくりに活躍してくれたOM システムのカメラは撮影フィールドを選ばず、紹介したような写真を撮ることが出来たわけだが、万能で多機能だとお分かりいただけただろうか。
革新的なさまざまな表現はコンピュテーショナルフォトグラフィと呼ばれ、以前なら考えもつかないようなもの。使う人次第で新たな表現の作品ができていくはずなので、ぜひ試していただき作品づくりに活かしてほしいカメラである。

OM SYSTEM OM-3の最新機能を使い風景を鮮やかに撮影しよう!撮影会のご案内

OM SYSTEM OM-3/OM-5 Mark IIを手にして、最新のデジタル技術を駆使したコンピュテーショナルフォトグラフィや小型軽量ながら接写もできる優れたレンズなどを活かした作品づくりをスナップ撮影で体感しませんか? 撮影会後は皆さんの作品を各自ご提出いただき講評会を開催する充実した内容です。ぜひ皆様のご参加をお待ちしております。

撮影会概要
■開催日程:期間:2026年4月26日(日)10:00~15:15
■場所:熊本市・水前寺成趣園およびカメラのキタムラ 熊本・東バイパス店
■参加費用:4,000円(税込)
■申込期間:2026年4月10日(金)~4月23日(木)
■参加人数:先着6名 最少催行3名
■撮影機材:OM SYSTEM カメラ、レンズ(標準ズームレンズを基本とします。余裕があれば広角&望遠ズームレンズ、単焦点レンズもお持ちいただいても構いません)、お持ちでない場合も、OM SYSTEM機材の貸出しがあります。
■機材協力:OM SYSTEM

▼詳しくはこちらから
https://www.npopcc.jp/classroom/detail/?id=8079&category_id=71

 

 

■写真家:斎藤巧一郎
1968年鹿児島県出身。日本大学芸術学部写真学科教授。
ライフワークは「日本の食」を撮影していて、素晴らしい生産者や漁師さん達がいることに着目している。海外へも被写体を求め訪れた国は50を超えた。その経験を伝えようと写真教室講師やイベントなどの講演も務める。好物はちくわ、そして猫好き。

 

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