DJI Osmo Pocket 4 で楽しむフーコックの旅|水咲奈々
はじめに
2026年4月22日に発売されたDJIの「Osmo Pocket 4」は、1インチセンサーを搭載したスティック形状のジンバルカメラで、誰もが簡単に高画質でブレの少ない映像を撮れると、根強い人気の前機種「Osmo Pocket 3」から約2年半ぶりのアップデート機種です。
前機種の「Osmo Pocket 3」も海外でレビューをしています。よろしければ併せてご覧ください。
今回は本機を持って、ベトナムのフーコック島に行ってきましたので、気軽に撮影できるVlogカメラの視点でレビューいたします。
前機種とのボディ比較


本機のカメラセンサーは改良型の1インチCMOSセンサーとなり、F2.0の開放絞りとのコンビネーションで、立体感とグラデーションが美しい、見ごたえのある動画撮影が可能です。ダイナミックレンジは14ストップを保持、10bit D-Logにも対応しています。
ボディサイズは本機144.2×44.4×33.5mm(長さ×幅×高さ)、重さ190.5g、前機種139.7×42.2×33.5mm(長さ×幅×高さ)、重さ179gと数字で見ると少し大きく重くなっているのですが、もともとがとても小さいので、使用時もバッグへの収納時も、大きくなった印象は皆無でした。
ジンバルクランプはなるほどの使いやすさ

今回使用したのはクリエイターコンボです。基本セットにプラスして、DJI Mic 3トランスミッター、補助ライト、広角レンズ、ミニ三脚、キャリーバッグなどが同梱されています。
前機種のクリエイターコンボからの変更点としては、Mic 2からMic 3になっていること、補助ライトが新登場していることと、ボディとジンバル部を保護するハードケースがなくなり、代わりにジンバル部を保護する、小さなクランプがセットになっていることなどです。
筆者は前機種使用時は、かさばるのでハードケースはほとんど使用せず、サードパーティー製のシリコンカバーでボディとカメラ部分を保護して使用していました。ですが、ジンバル部がバッグのなかで回ってしまい、ちょっと持ち運びに不安を感じていたので、この小サイズのクランプはなるほどと思って感動しました。
ズームしても綺麗!新センサーが生み出す綺麗な映像
※動画内で「日が沈んで」と言っていますが「太陽が雲に隠れて」の意味です。太陽が水平線ギリギリなのでマジックアワーっぽくなっています
※同じく「等倍」と言っていますが「最広角側」の意味だと思ってご覧いただくと違和感がないと思います
コントラストが高く明暗の差が大きいため、グラデーションのトーンが飛びがちな夕焼けの映像も、改良型の新センサーが何の苦もなく、綺麗な画を生み出してくれました。
液晶は前機種と同じく、2インチの回転式タッチ画面。搭載されているLEDディスプレイは黒色の締りが良く、実際の映像よりも綺麗に見えるほど。輝度は前機種の700ニトから1000ニトにアップグレードされたので、今回のような日差しの強い南国でも視認性が良く、本当に助かりました。
この液晶画面を横にすると使用できる、新たな物理ボタンがふたつ搭載されました。等倍と2倍・4倍の切り替えがワンタッチでできるズームボタンと、自分好みに設定を割り当てられるカスタムプリセットボタンです。
筆者は前機種のときから5Dジョイスティックでズーム操作をしていたので、このボタンにはあまり興味がなかったのですが、実際に使ってみると一気に2倍、4倍のズームができるので、気楽にズーム操作ができる便利さを感じました。
作例の動画では、ゆっくりとズームして画角の違いをご覧いただきたかったので、がんばってジョイスティックでズームインとズームアウトしています。ロスレスズームも便利ですが、動画内で使用するなら、ゆっくりズームのほうが筆者好みでした。
Vlog風歩き動画
ノーカットなのでちょっと長いですが、「Quán Ăn 93(クアンアン・チンムイバー)」という、ローカルな海鮮居酒屋への道のりと、筆者のラフなしゃべりがご覧いただけます
■アクセサリー:DJI Mic 3 トランスミッター使用
カスタムプリセットボタンには、1回押すとジンバル回転、2回押すとジンバルを中央位置にリセットする再センタリング、3回押すとカメラ方向のロックもしくはロック解除できるように登録して使用しました。
筆者がよく使用するのが、ジンバルの再センタリング。歩いているうちにカメラを左右に振ってしまい、ジンバルが意図しない方向を向いてしまったときに多用しています。5Dジョイスティックの2回押しでも再センタリング可能なのですが、多用するがゆえに、カスタムプリセットボタンにも設定しておきました。
次によく使用する、前方撮影と自撮りとのカメラ切り替え(ジンバル回転)は、5Dジョイスティックを3回押してもできるのですが、歩きながらだと押しが足りなくて、2回しか押せてなくてジンバルが再センタリングされただけ……みたいな操作ミスがあったので、この操作を物理ボタンに割り当てられたのはとっても便利でした。
Vlogカメラとして重要なマイク性能
※ヘッドフォンでお聞きいただくととてもわかりやすいと思います
内蔵マイクはPRO設定にして、指向性などの設定をして使用するのがお勧めです。景色と自撮りを交えて撮影するときは、指向性オーディオを「前方&後方」にしておくと、景色の環境音と自分の声がクリアーになります。喋りが多いときはボーカルブーストをオンにして、人の声を強調するといいでしょう。
動画を見る人の意識を前方の景色に集中させたいときは、指向性オーディオを「前方」に、環境音を立体的に収録したいときは、指向性オーディオを「全方向」に設定するのがお勧めです。

右:Osmo Pocket 4/DJI Mic 3トランスミッター/ウインドスクリーン(2色)/補助ライト
クリエイターコンボには外付けのマイク「DJI Mic 3トランスミッター」が同梱されます。前機種では「DJI Mic 2トランスミッター」が同梱されていました。自撮りだとどうしても目立ってしまう外付けマイクですが、Mic 3になってぐっと小さくなったので、存在感もかなり控えめになりました。
こちらは、その外付けマイクと内蔵マイクの性能テストの動画です。野生のヒトデが沢山いるスターフィッシュビーチに行くモーターボートで撮影したのですが、エンジン音と水しぶきの音がものすごく大きくて、カメラに向かって話している自分の声が、自分でも聞こえないほどでした。
※モーターボートの大きな音が出ます!ご注意ください!
この動画が面白かったのが、自分ではリアルタイムに聞こえていなかった声が、動画にはちゃんと収録されていたことです。特にMic 3を使用したシーンは、話している内容が分かる程度に収録されています。
内蔵マイクのシーンは、最初はくぐもってしまってかすかに声が聞こえる程度なのですが、後半から急にクリアーになってきたのにびっくりしました。モーター音が大きいので、音量にお気をつけてご覧ください。
飛躍的に向上した静止画性能

Vlogカメラの方向性的に静止画性能が見逃されがちですが、前機種は940万画素だったのが、本機では3700万画素と、実は前機種よりも飛躍的に向上しています。最大静止画サイズは16:9比率で7680×4320ピクセル、1:1比率で6144×6144ピクセルと、ちょっと変わったピクセルサイズですが、どちらも十分に大画面の鑑賞に耐え得るサイズなので、積極的に静止画も撮りたい方は、かなり心惹かれるのではないでしょうか。
内蔵ストレージとメディアカバーが新搭載


本機は、前機種では非搭載だった107GBの内蔵ストレージを搭載しているので、いざというときも安心ですし、記録メディアが高騰している今、購入するメディアの容量を抑えられることも、恩恵のひとつかもしれません。
そして筆者が地味ながら、前機種から不満に思っていたことが解消されました。本機はメディアカバーが搭載されたのです。
前機種も爪でしっかり押さないと、メディアが不意に飛び出るようなことはない仕様ですし、ゴミや水などが入ることはそうそうないとは思います。ですが、一眼レフ、ミラーレス、コンデジと、メディアはロックされたりカバーがあるのが当たり前の育ち方をしてしまったので、この無防備感がなんとなく怖かったんです。
前情報では確認できていなかったので、本機を手にしたときに最初に気がついて喜びが大きかったのが、実はこのメディアカバーの存在でした。
バッテリー容量もアップ!
前半:街歩き編 後半:離陸編
■撮影環境:4K30fpsで撮影 タイムラプス設定:ハイパーラプス レート:Auto
動画モードのなかにはハイパーラプス、タイムラプス、モーションラプスのモードがあります。こちらは自分が動きながら撮影するハイパーラプスで、レート:Autoで撮影しました。
タイムラプス系は、撮影時間が短いとあっという間に終わる動画になってしまうので、かなり長回しする必要があります。こちらも4K30fpsで撮影できるので、気がつけばかなりバッテリーを消耗していた、なんて事態も起こりかねません。
本機のバッテリーは、リチウムイオンバッテリーで容量は1545mAhと、前機種よりも245mAhアップしました。動作時間は240分、充電時間は80%までの急速充電は18分、100%までの充電は32分と、前機種よりもすべて向上していますが、旅先で撮影するならこまめに充電できない可能性を考えて、バッテリーハンドルを用意することをお勧めします。
本機用のバッテリーハンドルの容量は1080mAhで、本機に装着すると駆動時間を約62%延長できます。こちらも前機種用の950mAhより容量がアップしており、背面のUSB-CポートはUSB 3.1に対応しています。
装着すると少し長くなりますが、手の大きな方はちょうどいい握り具合に、自撮りで自分の顔とカメラの距離を取りたい場合は、自撮り棒気分で装着すると、ちょうどいい距離になります。
前機種のOsmo Pocket 3用のバッテリーハンドルも本機に対応しているので、買い替えの場合はバッテリーハンドルはそのまま使用することもできます。ただ、Osmo Pocket 3用のバッテリーハンドルはUSB 2.0の規格なので、本機とPCなどを接続してデータを転送する場合は、転送速度はUSB 2.0規格に制限されます。その場合は本体のUSBに直接接続して、USB 3.1規格で転送するほうが体感的にも速いと感じられると思います。
ジェスチャーで録画!アプリで簡単編集!
撮影した動画は自分でカラーグレーンディグしたり、カラーコレクションして、作り込んで編集することもできますし、専用アプリの「DJI Mimo」で読み込んで、アプリに編集してもらう方法もあります。好みのテンプレートと入れ込みたい映像を選択するだけで、簡単にムービーが作れちゃいます。
また、撮影はジェスチャー操作がとっても便利。「Palm(パーム)ジェスチャー」はカメラに向かって手のひらを見せると、ActiveTrackのオンオフが操作できます。「V(ブイ)ジェスチャー」がまたとっても便利で、カメラにピースサインをすると、写真撮影や動画撮影の開始・停止を操作できます。
これは、被写体登録をすれば登録した被写体のみに反応するので、自分以外の人のピースサインで思わぬときに動画が止まってしまった!というミスを防げます。
さいごに

Vlog撮るならOsmo Pocket一択でしょう!というのが、前機種のOsmo Pocket 3を愛用している筆者の決まり文句だったのですが、これから購入する方は、金額差も大きくないのでOsmo Pocket 4を検討されたほうがいいと思いました。セットは断然クリエイターコンボがお勧めです。
バッテリーの保ち、夕方から夜にかけて実感する映像の綺麗さ、クリエイターコンボ同梱のDJI Mic 3の性能はすべての方に共通するお勧めポイントですが、特に静止画については飛び抜けて良くなっているので、初めてのOsmo Pocketなら迷わず4のクリエイターコンボです。
Osmo Pocket 3からの買い替えの場合は、静止画にこだわる方以外はあまり恩恵を感じられないかもですが、結局迷って1年後とかに買ってしまいそうな方は、早めに買ったほうが長い期間使えて得した気分になれると思いますよ。
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。














