ほぼ「写ルンです」みたいなトイデジタルカメラ「レトロデジ90」

坂井田富三
ほぼ「写ルンです」みたいなトイデジタルカメラ「レトロデジ90」

はじめに

今回ご紹介するのはトイデジタルカメラのジャンルで2026年3月に新発売になった、「写ルンです」のようなデザインのトイデジタルカメラ「レトロデジ90」です。この「レトロデジ90」は、レンズ付フィルムカメラ「写ルンです」のようなデザインが人気で、「CP+2026」の会場でも注目を浴びていた商品です。そんなトイデジタルカメラ「レトロデジ90」の魅力と写りをご紹介します。

トイデジタルカメラ「レトロデジ90」の基本スペックと操作方法

今回新発売になったトイデジタルカメラ「レトロデジ90」は、「写ルンです」ライクな見た目が注目のポイントですが、操作もかなり「写ルンです」に近づけているので、通常のコンデジとは一線を画すカメラになっています。

通常デジカメと言えば、液晶画面で撮影した画像を確認したりカメラの設定メニューなどを確認したり、電池の残量などの確認できるのが当たり前の機能と言ってもいいのですが、この「レトロデジ90」は、液晶画面が無いので撮影した画像を見ることもできませんし、メニューや電池残量を知ることもできません。撮影した画像を見ることができない点においては、本当にフイルムカメラ「写ルンです」に近い感覚です。

ここで「レトロデジ90」の基本スペックを一覧にしてみました。比較対象として「写ルンです」をセレクトしてみました。

レトロデジ90 写ルンです
形式 1/10型 CMOS
総画素数 32万画素
有効画素数 32万画素
※補間画素数122万画素
レンズ 1.8mm F2.8 32mm F10
焦点距離(35mmフィルム換算) 42.3mm 32mm
撮影距離 約0.5m~無限遠 1m~無限遠
外部メモリー microSDHC(スピードクラス2~10):4~32GB
ファイル形式 静止画:JPG 動画:MJPEG(AVI)
静止画サイズ 1280×960ピクセル
動画サイズ 640×480(30fps)
シャッター速度 1/100秒 1/140秒
ISO感度 100 400
ホワイトバランス オート
電源 単四形アルカリ乾電池×3本
入出力ポート USB Type-C
大きさ 約113×56×32mm W 115.0×H 54.0×D 34.0mm
質量 約81g(付属品含まず) 90g

トイデジタルカメラ「レトロデジ90」の基本スペックですが、画素数は32万画素という最近では見かけることのない小さな画素のイメージセンサーを採用しています。画素数32万画素というと1990年台後半に登場したデジカメ初期の頃のセンサー画素数です。商品名の「レトロデジ90」もこの年代をイメージしているようです。

焦点距離に関しては、「写ルンです」よりも画角が少し狭く、35mm換算で42.3mmの焦点距離です。最短撮影距離が0.50mになっている点については「写ルンです」よりも使い勝手が良い感じです。

使用する電池は単4電池3本

トイデジタルカメラ「レトロデジ90」で使用する記録メディアはマイクロSDカードになりますが、少し注意が必要になってくる点があります。使用できるマイクロSDに制限があり、4~32GB(スピードクラス2~10)までのメディアに限られます。使用できるメディアの上限が32GBまでになっているので、容量の大きなメディアを使用することができませんので少し注意が必要です。

使用する記録メディアはマイクロSD
ファインダーも「写ルンです」感覚

撮影するにはフィルムカメラ「写ルンです」と同様の巻き上げダイアルを操作することでシャッター操作が可能になります。本当によくできたギミックだと思います。撮影している姿は、どこから見ても「写ルンです」で撮影しているようにしか見えません。

フィルムカメラ「写ルンです」と同様の巻き上げダイアル

トイデジタルカメラ「レトロデジ90」の電源スイッチは背面左上部にあります。電源スイッチは撮影モードの切り替えスイッチも兼ねています。電源スイッチをOFFからPHOTOモードに動かすとスイッチ上部にあるランプが青く点灯します。青く点灯したら撮影が可能になります。

ここで注意が必要になる点があります。実はトイデジタルカメラ「レトロデジ90」は、この電源スイッチがOFFの状態でも、巻き上げダイヤル・シャッターボタンの操作が可能になっています。電源スイッチがOFFの状態でシャッターを切っても、撮影データが記録されることは無いので注意が必要です。また電源スイッチがONの状態でも、青いランプが点灯してない状態で撮影しても画像が記録されません。電源を入れっぱなしにしても、一定時間で青いランプが消えてしまうので、撮影する直前に電源スイッチを入れて青いランプの点灯を確認してから撮影する必要があります。

この電源周りの操作に関しては、かなり扱い辛い点があるのが残念なところです。実際に筆者が撮影していても、何度か撮れていない場合がありました。

電源スイッチ兼、モード切り替えスイッチ

カラーモードは、「カラー」・「モノクロ」・「セピア」の3種類のモード。撮影モードは、静止画と動画撮影が可能になっています。

カラーモード(カラー)
カラーモード(モノクロ)
カラーモード(セピア)

トイデジタルカメラ「レトロデジ90」で静止画撮影

トイデジタルカメラ「レトロデジ90」 カラー

早速トイデジタルカメラ「レトロデジ90」を持って街中スナップ撮影をしてみました。軽くて小さい「レトロデジ90」はポケットいれて持ち歩いても、まったく邪魔にならないサイズです。焦点距離は35mm換算で42.3mmとなっています。「写ルンです」やスマホ撮影になれているユーザーは、少し狭い画角の焦点距離に少々手こずるかもしれません。

撮影スタイルは「写ルンです」と同じですが、フィルムカメラの「写ルンです」の様に撮影枚数に制限が無いので、気楽にシャッターをたくさん切ることができます。1枚の撮影データの容量は、50~200KB程度なのでメディアがいっぱいになるまで撮るのは不可能なくらい撮影する事ができます。

トイデジタルカメラ「レトロデジ90」は、「写ルンです」感覚で撮影自体を楽しむカメラなので、正直写りのレベルは30年ぐらい前の初期のデジカメや携帯電話のカメラ(初期)の頃のレベルの写りです。

トイデジタルカメラ「レトロデジ90」 カラー

撮影したデータを確認すると、1280×960ピクセルで記録された画像は、解像感・発色もかなり厳しいと感じざるを得ません。ですので細かいモノの描写には不向きと言えます。また記録されるデータはJPEGですが、EXIF情報は保持していません。

トイデジタルカメラ「レトロデジ90」 カラー
トイデジタルカメラ「レトロデジ90」 カラー
トイデジタルカメラ「レトロデジ90」 カラー
トイデジタルカメラ「レトロデジ90」 カラー

「写ルンです」とは違った撮影が可能なのが、「モノクロ」・「セピア」モードの切り替えです。手軽にモノクロ撮影も可能になるのが、このトイデジタルカメラ「レトロデジ90」ならではの特徴です。よりレトロ感を味わえるモノクロ撮影で撮れた画像は、90年代のレトロを更に遡って昭和レトロを感じるテイストになります。

トイデジタルカメラ「レトロデジ90」 モノクロ
トイデジタルカメラ「レトロデジ90」 モノクロ
トイデジタルカメラ「レトロデジ90」 モノクロ

普段ミラーレスカメラに慣れている筆者にとっては、この「レトロデジ90」で撮影するのは非常に新鮮でした。ファインダーを覗いても本当にどこまで写るのか分からない不安、どの程度写るのか分からない不安、そもそもちゃんと撮れているのかなど、デジタルカメラでありながら、撮影した画像がすぐ見れないというのは不安でもありながら、なかなか新鮮な体験でした。

「写ルンです」のようにフィルムの残数を気にすることなく、「写ルンです」感覚の撮影スタイルで気楽にシャッターを切って撮影を楽しむアイテムとしては非常によくできたアイテムです。

トイデジタルカメラ「レトロデジ90」で撮影したデータで写真プリント

トイデジタルカメラ「レトロデジ90」で撮影したデータをパソコンに取り込んで写真プリントをしてみました。
画素数は少し低いデータなので大きなプリントに向いていませんので、一般的なLサイズプリントをたのしんでみました。注意点としては、「レトロデジ90」はEXIF情報を持っていないデータなので、写真プリントに日付をいれるプリント設定はできません。この辺りも「写ルンです」と同じです。

パソコンからのネットプリント注文画面
パソコンからのネットプリント注文画面

出来上がった写真プリントをお店で受け取り、仕上がった写真プリントを見てみるとパソコンの画面で見たよりも数倍良く見えました。Lサイズプリントなので画像の粗さはそれほど目立たなく、トイデジタルカメラ「レトロデジ90」を楽しむのにマッチしています。

トイデジカメ「レトロデジ90」で撮影したデータをLサイズプリント

まとめ

フィルムや「写ルンです」が値上がりして手軽に楽しむのも少々厳しくなってきた最近では、トイデジカメ「レトロデジ90」を代わりに手軽にレトロな操作や撮影スタイルを楽しむアイテムとして魅力あるものと感じます。

スペックだけを見ると少々割高な価格と感じますが、「写ルンです」で撮影、フィルム現像、データ化、プリントまでするとそこそこの金額になります。「写ルンです」2~3個分くらいの金額と同じくらいになるので、長期的にはコストのメリットは十分にあります。
普段の撮影とは少し違った撮影を楽しみたい方、「写ルンです」よりも手軽に沢山撮影したい方は楽しめるアイテムです。

 

 

■写真家:坂井田富三
写真小売業界で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ・ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。

・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・EIZO認定ColorEdgeアンバサダー
・ソニーαアカデミー講師

 

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