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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2012.10.19【Vol.086】

画素数の話

デジタルカメラの画素数も2000万画素オーバーと今ではセンサーが高画素化しています。画素数競争といったようなカメラの開発は今では落ち着いてきていて、下は1200万画素から2000万画素クラスのカメラが多くなってきているようです。デジタルカメラ初期の頃ですと1画素1万円といわれるように、デジタルカメラは今では考えられないほど低い画素数ながら非常に高価なものでした。それと同時に記録メモリーも今では64MBや128MBといった容量のものは見られなくなり、32GB、64GBが当たり前になっています。メモリーカードの容量に関しては、データがどれくらい入るかといった受け皿と考えることができるのでイメージしやすいでしょう。では、画素数による画像の差とは一体どれぐらい違うのでしょう。

センサーサイズおよび画素ピッチの関係性で考えると、画質(画像の階調やノイズ)については大きく影響するようですが、単純に1000万画素と2000万画素を比べた場合、解像度に関していえばやはり画素数の多い方が断然有利になります。単純にいえば、細かい葉っぱの模様や、細い木の枝、細い線などがコントラスト高くシャープに再現されてくるかということです。もちろん時代とともに進化するセンサーや映像エンジンといったものがありますので、古い機種と現行機種での比較はなかなかできません。

パソコンなどのモニターでそれぞれの画像を等倍表示するだけでも画素数による画像の差を見ることができますが、身近なところで比較できるのがプリントサイズになります。例えばA4プリントの場合、当然画素数の差による解像感の違いは多少出たとしても、プリントサイズがそれほど大きいものではないので、1000万画素と2000万画素の違いはあまりわかりません。写真展の会場などで飾られる写真はスペースの問題などもありますがその多くがA3サイズ以上だと考えられます。A3サイズの大きさになってくるとその大きさの中に、画像が緻密に再現される高画素で撮影された写真が有利です。ただ、A3以上のサイズになるとその作品全体を見渡せる距離はサイズが大きくなればなるほど離れてみることになります。ということは、10センチ20センチと近づいて作品を見た場合には画素数の違いによる解像感の差は確認できても2mも離れればむしろA4でもA3でもあまり違いが解らなくなることがほとんどのようです。

撮影する被写体による違いがあり、遠くの風景や細かいディティールが施された風景写真、広告写真などで高い解像力が威力を発揮することもしばしばありますが、それに伴いデジタルに特化した最新のハイスペックレンズと普及クラスのレンズによる違いなど、今度は画素数以外の要因もでてくることでしょう。画素数は解像感という点に絞ってデジタルカメラの性能を検討する際に大変解りやすい指標になるようです。