カメラのキタムラスタジオマリオカメラのキタムラ

デジカメプリント・フォトブック・カメラのことはおまかせ!

閉じる

種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2012.05.18【Vol.064】

アスペクト比の話 その1

写真用語の中で、撮影できる画面の縦横比率のことをアスペクト比と呼んでいます。今では記録画質の変更と同じようにカメラのメニューから手軽に変更することができるようになりました。

実のところ、デジタルカメラになってそれらアスペクト比が変更できるようになったわけではありません。無論、カメラのボディーを変更することでその多くが実現できたわけですが、中には一台のカメラで複数のアスペクト比で撮影できるカメラも存在しました。撮影者の作画意図に応じて画面比率を変更することは今も昔も大切な写真表現ですし、また商業的に使用する際にも非常に重要な要素でした。それらの話はまた別の機会に譲るとして今回はデジタルカメラで主に用いられるアスペクト比を簡単に見ていきます。

まず、35mm判、APS-C、6×9判など、及びそれらのサイズの撮像素子を持つデジタルカメラのアスペクト比は「3:2」になります。A3ノビや四切りワイドなどのプリントサイズも近い比率です。少し横長の長方形といったイメージです。フィルムカメラの時代も今も一般的な比率として採用されています。

「4:3」はマイクロフォーサーズやフォーサーズ、コンパクトデジタルカメラなどでおもに用いられる比率です。昔のテレビの画面もこの比率でした。フィルムカメラに見られる6×4.5判(ロクヨンゴ)は3:2比率の6:9を半分に切った「ブローニー半裁」と呼ばれ、こちらも「4:3」の比率になります。ハイビジョンテレビなど横長で広がりのある比率に「16:9」があります。広角レンズを使用した際などの効果は抜群で、縦位置の撮影でも迫力ある景色に表現できます。

「3:2」の画面の天地が削られて横長になったイメージです。そして、「1:1」といわれる正方形の画面が撮影できる比率も有名です。フィルムカメラでは6×6判(ロクロク)と呼ばれていることから正方形の画面をいまでもそう呼ぶことがありますが、縦位置横位置というイメージは薄れ、先にストレートに主要被写体の配置を考えることができるアスペクト比として人気が高いようです。

以上いくつか主なアスペクト比を見てみました。同じ被写体でも画面比率が変わってくると見え方も違ってきますし、またフレーミングにおいてもまた違う考え方が出てきます。どのアスペクト比がベストというのはありませんが、これらを変えることでの表現の違いを試してみるのも面白いでしょう。

ちなみに、あまり気にかけたことはないかもしれませんが、プリント用紙のサイズ比率も大きさによって異なっているものが混在されていますので、カメラで設定したアスペクト比に応じて余白(余黒)の分量も変化していきます。