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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2011.02.17【Vol.051】

冬の滝の撮影話

四季を感じさせながら、それぞれの表情を狙える滝の撮影は多くの写真愛好家の方に人気のある被写体です。季節を問わず狙える滝の撮影ですが、新緑、梅雨、紅葉シーズンとともに1月、2月にかけても滝撮影は賑わいます。特に滝全体が全面氷結されると、地元の自治体や気象庁の発表、ニュースなどで取り上げられます。

関東近辺では、華厳の滝、袋田の滝、払沢の滝など、年度によりますが、一部凍結、全面凍結する滝として有名です。また、それら周辺の小型の滝を訪れると多くが結氷していて、かつ氷柱などの撮影も同時に行えます。ただし、滝が結氷する場合、水量が少ないことも一因のようで、普段は見えない川底や岩盤が露出したりすることも多く、氷とは対照的に茶色い部分も目立ってくるので撮影の際に注意したいところです。

月待ち滝

月待ち滝

袋田滝

袋田の滝

袋田滝2

袋田の滝2

袋田滝3

袋田の滝3

撮影方法は通常の滝の撮影「低速でぶらす、高速で流れをとめる」といった撮影で問題ありません。ですが、完全に結氷していれば流れはありませんので、シャッター速度による効果はあまり期待できません。むしろ氷の反射率に注意した露出に注意してみましょう。というのも、氷や雪の白さを出すために露出をオーバーにしすぎると、周辺の岩や空があまりにも明るく出すぎてしまいます。測光方式や、天候にもよりますが、特にライティングがフラットな状態であれば、補正無し、わずかにアンダー(マイナス1/3 2/3)程度で撮影しても滝の白さは出てきます。撮影時は背面液晶で画像を確認することが頻繁になるわけですが、写真愛好家の方に聞くと、そこで見える滝の白さがどうやら暗いイメージに感じられることが多いようで、液晶ではっきりと白くなるまで補正してしまうことがあるようです。デジタルですので後々PCでの補正を考えると、背面液晶にあわせた極端な露出補正になり過ぎないように注意しましょう。

次に、滝に流れがある場合ですが、どうしても、橋の上や、観瀑台などの展望スペースでは強風や周囲の人の動きによる振動が伝わりやすく、いくら三脚を使用していてもブレてしまいます。これは冬に限ったことではありませんが、特に望遠レンズを使用した場合、高倍率ズームなど、三脚台座がないレンズだと顕著にブレが認められます。こちらも背面液晶を使い確認が行えますが、全画面表示での確認にとどまらず、必ず拡大表示での画像チェックを行いましょう。

WBを変換して撮影するのもひとつの方法です。よく、フィルムのころから行われていたタングステンフィルムでの撮影方法ですが、デジタルカメラであれば電球モードにすればOKです。画面全体が極端に青くなり、冷たい雰囲気、寒い雰囲気には効果的です。極端な青さを避けつつも若干の青みを残して撮影したい場合は太陽光モードがお勧めです。オートWBだと滝の白さはしっかりと出てきますが、雰囲気が少し弱くなります。また、太陽光より少し青みを持たせつつ、肉眼に近い色味を出す場合、5000K~4700Kあたりの色温度調節を行うのもひとつの方法です。

最後に、滝つぼ周辺の水の動き、薄氷の様子など滝そのものの撮影だけにとどまらず、ほかにもいくつか撮影できる要素がありますので、周辺の様子にも気を配って撮影してみてください。

薄氷

薄氷

氷柱

氷柱