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修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー

2013.11.01【Vol.1019】

OM-ZUIKO MACRO 90/2編(搦め手から攻めよ!)

前群レンズ

化粧環が外れ固かったですが前群レンズも外すことが出来ました。
何処で修理されたか分かりませんが、前群レンズ周辺部の塗料が禿げています。見えないからと手抜きをしてはいけません。墨塗りをしておきました。

分解方法

締め付け環を外し、鏡筒を分離したいのですが何やら引っ掛かっていて分離出来ないのです。おまけに1mm程の鋼球が2ヶ飛び出てきました。ミイラとりがミイラになっちゃうのか?分解方法は??の初顔合わせです。

バヨネット環

バヨネット環を外しました。

バヨネット台座

3本のネジで止めてあるバヨネット台座を外します。

後群レンズ

バヨネット台座に取り付けられている収差補正カム板が後群レンズと咬合していました。
次に外す絞り値環はクリック鋼球の紛失に注意が必要ですね!
次の一手は。。。

OM-ZUIKO

F用ZUIKOも手掛けた!OM-ZUIKOも距離環を外すことが出来ます。
道が開けるか?ゴム筒を剥がします。距離環を止めている3本のネジを外し、分離しました。

赤点線部

ヘリコイドの繰り出しは無限位置にあり、取り敢えず赤点線部に罫書きを入れることにしました。
観察すると気になる凹み部分がありました(赤○部)。

ヘリコイド

ヘリコイドを繰り出しますと凹み部に2本のネジが位置します。3本目は直進キーにより隠れています。
果たして分離できる機構になっているのか?
情報を持たない場合は途中まで平均に3本のネジを緩めて様子を観察します。
結果、他に咬合する仕様ではなく恐る恐る分離してみました。

ヘリコイド部

すると鏡筒部と前部ヘリコイド部になりました。
マクロレンズは接写用ですから繰り出し量を確保するに二部製のヘリコイド設計になっています。製造時に目安とした組み込み位置を示す罫書きが入れてありました。

コロ

ヘリコイドを繰り出しますとコロが現れました。このコロを外さなければ鏡筒が外れず絞り組み品の手入れが出来ません。
もし絞り組み品に不具合が生じた時は、此処まで分解しなければならないのです。
まぁ!機構が分かっただけで良しとして引き出しに記憶しておくことにします。

値連動環

先に落ちてきました鋼球2個は絞り値連動環・絞り値作動連動環の作動軽減に使われていました。合計6個の鋼球を使用してあります。何故鋼球が落ちたのかは不明です。
この部分は「触らぬ神に祟りなし」ですね!無闇に外しますと鋼球がパラパラと内部に落ちてしまいます。

測定器

ここまでサラリを記述しましたが、実のところ試行錯誤の連続でした。
ヘリコイドに罫書きは入れておきましたが、思わぬ所で外れてしまったり、難しく考えてしまったのですね!難しく考えるのは情報を持たない不安からなのです。
情報を持たない場合の考え方として、組み立てラインは流れ作業ですから滞るような方法ではないと思うのです。でも思考が追いつかない場合があります。修行が足らないと言えますね!
組み立て後、測定器で確認しますと焦点を結びミイラとりがミイラにならずに済みました。

隠居人 田口由明

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