タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 × 動画クリエイター DAIGEN|標準ズームレンズはこれで決まり!

だいげん

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はじめに

 軽量・コンパクトで写りも良くリーズナブル。3年前、タムロンから発売された28-75mm F/2.8 Di III RXDは標準ズームレンズの常識を覆しました。そして2021年。進化を遂げた28-75mm F/2.8 Di III VXD G2が発売されました。まずは作例をご覧ください。

■スケートボーダー:大野 薫
(https://www.instagram.com/kaoru.0411/)

 作例はいかがでしたでしょうか。スケボーの撮影は初めてで戸惑ったのですが、このG2は3年前に発売された初代の28-75mmよりも性能がアップしていて、レンズ性能に助けらた撮影になりました。フォーカスの精度やブリージングの少なさ、28-75mmという焦点距離の使いやすさなど、このレンズだったからこそスムーズに撮影ができたと思います。

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左:28-75mm F/2.8 Di III RXD 右:28-75mm F/2.8 Di III VXD G2

AF性能

 スケボーの撮影をする時に大事なポイントがひとつあります。それはフォーカスの速度・精度です。このレンズにはVXD(Voice-coil eXtreme-torque Drive)というリニアモーターフォーカス機構が搭載されています。このVXDにより、前モデルよりも高速で高精度のAFが実現しました。

 確かに今回の作例撮影の際もフォーカスは外さないし、トリックをしてもらってる時もすぐにフォーカスが合ってくれて、かなり快適に撮影することができました。

 広角側も望遠側もフォーカスの合う速度は同様に早く、トラッキングもしっかりとされていました。これだけフォーカスの精度が良いと全くストレスなく撮影ができるので、ビギナーの方にも使いやすいんじゃないかと思います。

フォーカスブリージング

 フォーカスブリージングが少ないかどうかも動きのある撮影をする際には重要です。ちなみにフォーカスブリージングというのは、フォーカスが合う位置が前後で変わると、それに合わせて画角も動いてしまう現象のことです。レンズが呼吸をしているかのように感じられるので「ブリージング」と呼ばれています。

 広角側も望遠側も全くブリージングがないわけではありませんが、ほとんど気にならないぐらいでした。動いているものを撮影していても、没入感を損なうことなく表現できるのは良いところだなと思います。

ボケ感

 F2.8通しと比較的明るめのレンズですので綺麗なボケ感を出してくれます。ナチュラルなボケ感がすごく気に入っており、本当に撮っていて気持ちの良いレンズだなと思います。玉ボケも綺麗に出ますし、ボケ感を重視した表現をする場合にはうってつけのレンズかと思います。

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■撮影機材:SONY α7S III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:F2.8 1/60秒 ISO1250
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■撮影機材:SONY α7S III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:F4 1/1600秒 ISO64
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■撮影機材:SONY α7S III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:F5.6 1/80秒 ISO1600

解像度

 本レンズのMTF曲線を旧型の28-75mmと比較してみると、全然違っていることが分かります。グラフ上の実線が解像度を表しており、これが上にくっついているほど解像感が高いということになります。グラフの横軸が画面中心からの距離です。初代28-75mmは画面の中心から10mmあたりから解像度が落ちているのに対し、G2は画面の端でも解像度が保たれています。

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28-75mm F2.8の初代とG2とのMTF曲線比較(画像はタムロンHPより)
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■撮影機材:SONY α7S III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:F6.3 1/100秒 ISO200
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上の画像を拡大。解像度の高さがよく分かる

デザイン

 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2は、今までのタムロンレンズとはひと味違ったデザインになっています。さらに、フォーカスセットボタンというボタンが追加されており、これに下記のような様々な機能を割り当てることができます。

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様々な機能を割り当てられるフォーカスセットボタン

■ABフォーカス
任意で記録した「2つ」のピント位置でフォーカスを行き来させることができます。

■フォーカス/絞り リング機能切り替え
フォーカスリングの機能を「フォーカス操作」もしくは「絞り操作」に切り替えることができます。

■AF/MF 切り替え
フォーカスセットボタンの操作で、「AF」もしくは「MF」の切り替えができます。

など、他にもいろいろな機能を割り当てることができます(詳しくはこちらのタムロンページをご確認ください)。

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パソコンと直接接続できるUSBポートを備えている

 USBポートを使ってパソコンと接続することで、TAMRON Lens Utilityというタムロン独自のソフトウェアを使ってカスタマイズすることができます。ファームウェアアップデートもカメラと接続することなく、レンズとパソコンのみで行うことも可能です。

スペック

・モデル名 A063
・焦点距離 28-75mm
・明るさ F2.8
・レンズ構成 15群17枚
・最短撮影距離 0.18m (WIDE) / 0.38m (TELE)
・最大撮影倍率 1:2.7 (WIDE) / 1:4.1 (TELE)
・フィルター径 φ67mm
・質量 540g
・絞り羽根 9枚(円形絞り)
・最小絞り F22

 最短撮影距離が広角端で0.18m、望遠端で0.38mなので被写体に寄った撮影も可能です。寄れるとそれだけで表現方法が一つ増えるのも良いですよね!

 今回の作例はα7S IIIに装着して撮影したのですが、540gという重さはボディとのバランス感も良く使いやすかったです。α7S IIIよりも少しコンパクトなα7Cとの組み合わせもバッチリです!

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まとめ

 フォーカスの精度も良くてブリージングも少ないレンズですので、動いている被写体の撮影に最適なレンズでした。28-75mmという標準ズームの焦点距離に加え、最短撮影距離も短いのでテーブルフォトやポートレート撮影、スナップなんかにも向いていると思います。僕は標準ズームレンズはこのTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2を今後使っていこうと思います。

■動画クリエイター:だいげん
日本一映像を楽しむビデオグラファー。家族に人生を楽しんでいる姿を見せたくて9年間務めた製薬会社を退社し動画制作の道へ!1985年生まれ、5歳と3歳の2児の父。趣味は漫画、料理、映像製作。北海道出身、大阪在住。

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