タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2|ファミリー層の旅行に必携のズームレンズ

鈴木啓太|urban
タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2|ファミリー層の旅行に必携のズームレンズ

はじめに

こんにちは!フォトグラファーの鈴木啓太|urbanです。長年オールドレンズやフィルムを中心にポートレート、スナップ、家族写真を撮影しております。今回はファミリー層や旅行好きに特におすすめ!これからの季節にも使える旅行&家族写真の決定版レンズ、TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2をご紹介します。

旅行はレンズ選びの時点から始まっている

■撮影機材:SONY α7 IV + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離28mm f5.6 1/250秒 ISO100 WBオート

旅行に持っていく荷物に真っ先にカメラを思い浮かべ、カメラ、レンズ、そしてフィルムと、スーツケースを閉め終わる直前まで悩むであろう皆さんは、この章タイトルに共感してくれると思っています。そんな筆者も旅行のたびにカメラ、そしてレンズは悩みに悩むタイプ……でしたが、最近はほぼ固定化されつつあります。

そのラインナップはこちら

・デジタルカメラ
 SONY α7 IV + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2

・35mmフィルムカメラ
 RICOH GR1(28mm F2.8)

・中判フィルムカメラ
 FUJIFILM GX645AF + FUJINON HC 80mm F2.8(35mm換算50mm)

基本的に身に着けるのはSONY α7 IVで、初代RICOH GRのGR1をポケットに忍ばせています。僕は家族をフィルムで撮ることをライフワークとしているためRICOH GR1は必須、ここぞというときには中判フィルムカメラのFUJIFILM GX645AFで大切なシーンを切り取るというのが僕のスタイルです。

しかし、ネックになるのはその機材の重さ。中判フィルムカメラの写りは抜群に良いものの、レンズ込みで約2kgと明らかに旅行には不向き。35mmフィルムカメラも外せませんが、荷物の関係上、超軽量(175g)のRICOH GR1に頼らざるを得ない状況。デジタルカメラがメインではありますが単焦点レンズをたくさん持っていくことはできず、考え抜いた結果、白羽の矢が立ったのが軽量&高性能ズームレンズのTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2でした。

旅行にTAMRON 28-75mm G2をおすすめする3つの理由

さて、旅行レンズに選んだ本レンズですが、このレンズを選ぶだけの大きな理由があります。まずはそれを紹介していきましょう。

 

広角から望遠までがペットボトル1本の重さに詰まっている

■撮影機材:SONY α7 IV + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離28mm f8 1/250秒 ISO400 WBオート
■撮影機材:α7 IV + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離75mm f2.8 1/30秒 ISO100 WBオート

皆さんが旅行で最も悩むのは、荷物をどれだけ少なく(軽く)できるかではないでしょうか。特にパパママ世代はお子さん専用の荷物など、想定以上に多くなりがちです。カメラよりも優先しなければならない着替え、日用品などがあると、必然的にレンズの本数も厳選しなければなりません。

旅行を余すところなく撮影するのであれば、広角で家族全員を撮る、望遠で旅行の風景を切り取るなど、単焦点レンズ2~3本分の画角が必要になります。しかし、本レンズであれば広角から望遠までを約500g、ペットボトル1本分と言う軽さでカバーできてしまいます。

特に旅行は人物撮影から風景、スナップまでを幅広く撮影することが多いため、レンズを交換して対応するより、レンズ1本でアクティブに撮影できた方が旅行も楽しめてよりスマート。ですが、ズームレンズって写りはイマイチでしょ?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。読み進めて行けば、その考えはきっと杞憂に終わるはずです。

 

前モデルに比べ解像度が上がり1本で問題ないズームレンズへ進化

■撮影機材:SONY α7R III + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離39mm f5.6 1/400秒 ISO100 WBオート
■撮影機材:SONY α7 IV + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離28mm f11 1/200秒 ISO100 WBオート

前モデルであるTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXDから人気の本レンズですが、TAMRON初期のEマウントズームということもあり、特に周辺解像度及びAFの速度と精度は純正レンズと比較し、あと一歩という意見は多かったように思います。レンズを交換しないことをメリットとしているズームレンズにおいても、単焦点に匹敵する描写性能は欲しいというのがフォトグラファーの性です。欲張りですよね(笑)。

上2枚の作例は、F5.6~11で撮影したものです。風景撮影も十分満足できる描写力ではないでしょうか。全面最高描写はF4~5.6と現行レンズ特有の、絞り開放により近い値でレンズ性能を最大限に発揮できるように作られていますが、F11まで絞ってもこの描写力を維持できるのは大きなメリット。

1枚目の写真はボケの力も相まって、単焦点で撮影したといっても、ほとんどの人がわからない程のクオリティに達していると言えるのではないでしょうか。

 

寄りも任せろ!ハーフマクロに匹敵する撮影倍率

■撮影機材:SONY α7 IV + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離75mm f2.8 1/60秒 ISO100 WBオート
■撮影機材:SONY α7 IV + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離28mm f4 1/30秒 ISO320 WBオート

今回の旅行のように、ズームレンズ1本と決めたのであれば、画角の豊富さそして解像力のほかに、主にテーブルフォトで使う寄りの写真が撮れなくてはなりません。特に、テーブルの対面に座った家族を写すのに28mm程度の広角は必須ですし、画角にもよりますが30cm程度までは寄れる性能が必要になってきます。

その点本レンズは、75mmの望遠側で最短撮影距離38cm、最大撮影倍率1:4.1、28mmの広角側では最短撮影距離18cm、最大撮影倍率1:2.7、とハーフマクロに匹敵する性能を誇ります。数値じゃわからないという人のために具体的に解説すると、ガラスのコップの水滴も全面に写し切るくらいの接写が可能ということです!

作例は構図とのバランスの関係で最短撮影距離までは寄っていませんが、あと1~2歩寄れるだけの余力を残しています。これだけあれば、子供が食べている口元や小さな手、コーヒーから上がる湯気やグラスを滑り落ちる雫を切り取るなど、撮りたいと思った瞬間に柔軟に対応してくれるでしょう。

動く子どもも問題なし!性能を最大限引き出すにはAF-Cモードを使おう!

■撮影機材:SONY α7 IV + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離28mm f2.8 1/4000秒 ISO100 WBオート

話は変わりますが、皆さんは撮影するときにどのモードを使って撮影をしますか?僕はポートレートが多いので、AF-S(シングルAF/ワンショットAF)をメインに使っていました。SONY α7 IVと本レンズに変えてからは、ほぼすべての撮影をAF-C(コンティニュアスAF/サーボAF)+被写体を追尾するトラッキングモードに変更しています(以下、AF-Cの記載は「AF-C+トラッキングモード」の設定とする)。

元来、ポートレートや風景といった基本的に動かないものを撮影するときはAF-S、スポーツや鉄道といった動くものを撮る場合はAF-Cと相場が決まっていました。AF-Cは、シャッターボタンを押している間ピントを合わせ続けるという特徴があります。特に子どもはじっとしていることが苦手で、AFでさえもピントを合わせるのに苦労をする……と思われている方も多いのではないでしょうか。

しかし、AF性能が大きく進化したSONY α7 III(APS-CカメラはSONY α6400)以降であれば、積極的にAF-Cモードを活用することをおすすめします。AF性能は基本的にボディの性能に依存しますが、本レンズは純正と同等以上にパワーアップしたAFにより、AF-Cモードとの相性は抜群です。

ことSONY α7 IVと本レンズのAF-Cモードの組み合わせにおいては、3000枚近く撮影した旅行中、明らかにピントを外したといえるのが10枚以下(そのほとんどが撮影者側の手ブレ)と驚異的な性能を誇ります。一眼レフ時代にあった、若干ピントが甘いという事象はもうなくなったと言っていいでしょう。

ただし、風景を撮る場合はAF-Sモードをお勧めします。AF-Cモードでは、狙った被写体を誤検知し、合わせたいピント位置を自動で変えてしまう場合があるからです。深く絞っておくなど、挙動に対処できればそのままでも問題ないですが、気になる方はAF-Sに変更するほうがよいでしょう。

子どもが走り回るシーンを確実に押さえたい方は、マニュアルモードに切り替え、AF-Cでシャッタースピード1/500~1000、F8、ISOオート、そして連写(連続撮影)の組み合わせでチャレンジしてみましょう。晴天であれば、どんなに動き回るシーンでもほぼばっちりその瞬間を収めることができます。シャッタースピードを1/125~250程度まで下げることで、被写体に多少のブレを出すことができますし、更に瞳AFと組み合わせることで、最高の結果が得られると考えています。レンズ、そしてボディのAF性能がここまで来たかと思わせる瞬間です。

まとめ

■撮影機材:SONY α7 IV + TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
■撮影環境:焦点距離28mm f11 1/125秒 ISO400 WBオート

旅行も写真もどちらも楽しみたい!だけど荷物は少なく身軽にしたい……というのが写真を撮る者としての贅沢な悩みです。荷物を最小限にした上で、妥協のない最高の写真を撮ることができるレンズ……その解は最新ズームレンズにあるのではないでしょうか。

TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2は、特にキットレンズと一緒にカメラを買って、ズームレンズは暗いし、ボケないしちょっとなあ……と苦い思い出がある方にこそ使っていただきたいレンズです。F2.8通しのレンズはまさに別世界。軽さと解像度のバランスは、プロからファミリー層まで誰でも使えるのも魅力のひとつですね。1本あるだけで安心感が違う、困った時にはコレ!と言えるレンズでしょう。秋の気配が感じられるものの、まだまだ暑さが残る毎日、夏~秋はズームレンズ1本で軽やかな旅行を提案します!

それでは、また次の記事でお会いしましょう。

 

■フォトグラファー:鈴木啓太|urban
カメラ及びレンズメーカーでのセミナー講師をする傍ら、Web、雑誌、書籍での執筆、人物及びカタログ撮影等に加えフィルムやオールドレンズを使った写真をメインに活動。2017年より開始した「フィルムさんぽ/フランジバック」は月間延べ60人ほどの参加者を有する、関東最大のフィルム&オールドレンズワークショップに成長している。著書に「ポートレートのためのオールドレンズ入門」「ポートレートのためのオールドレンズ撮影マニュアル」がある。リコーフォトアカデミー講師。

 

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