ソニー α7R VI・α7 V 街を撮る2つの答え

鈴木知子
ソニー α7R VI・α7 V 街を撮る2つの答え

2026年9月13日(日)に開催されるソニープロカメラマンセミナー&α体験会では、本記事でもレビューしている鈴木知子さんが『街歩きがもっと楽しく! ソニーαシリーズで撮るワンランク上のスナップ』をテーマに、日常の何気ない風景を魅力的に切り取るための視点や撮影テクニックを、作例とともにご紹介します。普段からαを使って撮影を楽しまれている方をはじめ、SONYのカメラやレンズを使ってみたいと考えている方も方奮ってご参加ください。セミナーの詳細は文末に記載しています。

はじめに

私は普段、街スナップをメインに撮影しています。いつも歩いている街でも、時間帯や光、天気によって見える表情は大きく変わります。そしてもうひとつ、意外なほど写真に影響を与えるのが「カメラ」です。同じ街を歩いていてもカメラが変わると、目に留まるものやシャッターを切る瞬間、そして写真の表現まで少しずつ変わっていきます。今回、私はソニー α7R VIとα7 Vという、個性の異なる2台のカメラで街を撮影しました。高い描写力によって街の細部まで写し取りたくなるα7R VI。街で出会う一瞬をテンポよくとらえていくα7 V。スペックの違いだけではわからない、それぞれのカメラが引き出してくれる“街の見え方”と“撮り方”。撮影した写真を通して、2つのカメラの魅力をご紹介します。

■撮影機材:SONY α7R VI + FE 24-70mm F2.8 GM II
■撮影環境:焦点距離49mm ISO100 f8 SS 1/160

画素数の違いに注目!

α7R VIは約6680万画素。α7 Vの約3300万画素と比較すると、ほぼ2倍の画素数を持っています。画素数の違いは、単純に“写真を大きくプリントできる”というだけではありません。街スナップでは、一枚の写真の中にどれだけ多くの情報を残せるかという点で、その違いを実感できます。たとえば建造物の細かなディテール、ガラスや金属の質感、遠くにある小さな被写体など。肉眼では何気なく見ていたものも、撮影した写真を拡大してみると、そこに思いがけない情報が写り込んでいることがあります。α7R VIの高い解像力は、こうした「街にある細かなものまで写し取る」という撮り方と相性がよいと感じます。

α7R VIはAPS-Cモードで撮影しても約2800万画素を確保できます。あとからトリミングして構図を作り直す場合にも大きな武器になりますね。「撮る瞬間にすべてを決めなくてもいい」、これは街スナップにおけるα7R VIの大きな魅力のひとつだと思います。

■撮影機材:SONY α7R VI + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
■撮影環境:焦点距離136mm ISO100 f2.8 SS 1/2500
■撮影機材:SONY α7R VI + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:焦点距離50mm ISO100 f1.6 SS 1/320

バランスの良さはα7 V

街スナップは、街を歩きながら次から次へと被写体を見つけ、シャッターを切っていくスタイルです。何か面白いものはないかと歩きながら周囲を観察し、気になる瞬間があれば立ち止まって撮る。そんな撮影では、カメラを持って歩き続けられる軽快さと、被写体を見つけたときにすぐ撮影できる機動力が重要になります。その点で、α7 Vはとてもバランスの良いカメラだと感じます。約3300万画素という画素数も、街スナップには扱いやすいポイントです。十分な解像力を持ちながら、約6680万画素のα7R VIほど大容量のデータにはなりません。街を歩きながら撮影していると、1回の撮影でかなりの枚数になることがあります。ファイル容量が比較的抑えられることは、撮影後のデータ管理やバックアップ、RAW現像を行う際にもメリットになります。

■撮影機材:SONY α7 V + F24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:焦点距離24mm ISO100 f5 SS 1/1000

動く被写体は「被写体認識+AF-C」が基本

普段の撮影では、静止しているものだけを撮るわけではありません。歩いている人物、自転車、鳥や動物など、街にはさまざまな“動く被写体”があります。そんな被写体を撮影するときに、私が基本としているのが「被写体認識+AF-C」の組み合わせです。まず、撮影する被写体に合わせて被写体認識を設定し、フォーカスモードをAF-Cにします。AF-Cは、シャッターボタンを半押ししている間、被写体の動きに合わせてピントを追い続けてくれるため、動きのある被写体を狙う街スナップではとても心強い機能です。私もそのときどきで被写体認識の設定をこまめに切り替えています。ピント合わせをカメラに任せることで、自分はシャッターチャンス、構図に集中する、これが街スナップにおける大きなメリットだと思っています。

シャッターチャンスは一瞬です。人物の歩く位置、足の運び、影の形、背景との重なりなど、ほんの少しタイミングがずれるだけで写真の印象は変わります。ピント合わせをカメラに任せることで、街スナップはより軽快に、そして自由に楽しめるようになります。

■撮影機材:SONY α7R VI + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:焦点距離35mm ISO100 f1.4 SS 1/8000
■撮影機材:SONY α7 V + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:焦点距離71mm ISO100 f4 SS 1/3200

手持ち撮影が「より自由に」!

スナップは基本的に三脚を使わず、カメラを手に持って撮影することがほとんどです。街を歩きながら被写体を探し、気になる光景に出会ったら立ち止まり、その場で構図を決めてシャッターを切る。そんな撮影スタイルだからこそ、ボディ内手ブレ補正はとても重要な機能になります。特に約6680万画素の高解像機であるα7R VIは、わずかな手ブレも目立ちやすくなります。そのため強力な手ブレ補正は、大きな安心感につながります。α7R VIとα 7Vのどちらにも強力なボディ内手ブレ補正が搭載されているため、三脚を持ち歩かなくても、街中でさまざまな撮影に挑戦できます。たとえば、夕方から夜にかけての薄暗い時間帯や、建物の中、夜景など、シャッタースピードを十分に上げにくいシーンでも、手持ち撮影を続けられるのは大きなメリットです。さらに、手ブレ補正の魅力は、単に失敗を減らしてくれることだけではありません。あえてシャッタースピードを遅くして、人物や乗り物の動きを表現したりすることもできます。表現の自由度が大きく広がります。

■撮影機材:SONY α7R VI + FE 50mm F1.2 GM
■撮影環境:焦点距離50mm ISO50 f16 SS 1/10

記録ではなく「表現の色」を意識して

写真は目の前にある光景を、そのまま記録するだけではありません。同じ場所、同じ時間に撮影しても、どのような色やコントラストで仕上げるかによって、写真から受ける印象は大きく変わります。街スナップでは、こうした「色の選択」も写真表現のひとつです。

そこで活用したいのが、クリエイティブルックです。クリエイティブルックを使いこなすことで、撮影時から写真の仕上がりをイメージしながら、自分の表現に近づけていくことができます。私の場合は、目の前の光景を見て“自分はこの景色をどう感じたのか”、その感覚に合わせてクリエイティブルックを選んでいます。たとえば、光と影のコントラストを強く感じた街の風景なら、少しクールでシャープな方向へ。古い建物やレトロな雰囲気を感じる場所なら、少し色や質感を変えて、その場の空気感を強調する。私はコントラストをいかしたクールな表現が好きなので、FLやVVを使うことが多く、レトロな被写体ではFL2やINを選ぶこともあります。街をどう撮るかだけでなく、街をどう感じ、どう表現するのか、私はクリエイティブルックをそのように楽しんでいます。

クリエイティブルックFL
■撮影機材:SONY α7R VI + FE 24-70mm F2.8 GM II
■撮影環境:焦点距離38mm ISO100 f8 SS 1/160
クリエイティブルックFL2
■撮影機材:SONY α7 V + FE 24-105mm F4 G OSS
■撮影環境:焦点距離105mm ISO1250 f4 SS 1/125

進化をしたAWB

街スナップは、さまざまな光の中を歩きながら撮影します。屋外の太陽光から、建物の中の照明、夕暮れの光、夜の街灯まで、短い時間の中でも光源は次々と変わっていきます。私が頼りにしているのが、進化をしたAWB(オートホワイトバランス)です。これまでのAWBでは、シーンによって青みが強く出たり、電球色のような温かい光が白っぽく補正されてしまったりすることがありました。もちろん、あえてその色味を活かすこともありますが、「見たときに感じた街の色」を自然に残したいときには、AWBの精度はとても重要になります。

α7R VIでは、光源の色を推定する処理にディープラーニング技術を採用。さらに、カメラ前面に搭載された「可視光+IRセンサー」と組み合わせることで、さまざまな光源下で、より自然で安定したAWBを実現しています。また光源下でどのような色調を優先するかを選択できます。光源が変わるたびにホワイトバランスを細かく調整していては、一瞬のシャッターチャンスを逃してしまいます。AWB+クリエイティブルックに設定することで、より撮影に集中できるようになりました。

AWB+クリエイティブルックVV
■撮影機材:SONY α7R VI + FE 35mm F1.4 GM
■撮影環境:焦点距離35mm ISO50 f2.8 SS 1/8000

新しい表現、コンポジットRAW撮影

α7R VIとα7 Vには、これまでの街スナップとは少し違った写真表現に挑戦できる「コンポジットRAW撮影機能」が搭載されています。その中のひとつ[HDR用撮影設定]は1回シャッターを切ると、複数枚のRAW画像を連続して撮影。4枚、8枚、16枚、32枚から撮影枚数を選択でき、それらの画像をパソコン上で合成することで、1枚の高画質な画像を作り出します。複数の画像を合成することで、ノイズを抑えながら、より高画質な写真に仕上げられるのが大きな特徴です。特に効果を感じやすいのが、光量の少ない夜の街や、暗部の情報をできるだけ残したいシーンです。一方で、複数枚の画像を連続撮影して合成するため、大きく動く人物や車など、フレーム内で被写体が大きく動くシーンには向いていません。夜の路地やイルミネーション撮影で使いたい機能です。これまでとは違った表現に出会えるはずです。

コンポジットRAW撮影
■撮影機材:SONY α7R VI + FE 24-70mm F2.8 GM II
■撮影環境:焦点距離47mm ISO320 f2.8 SS 1/50

おわりに

α7R VIとα7 V。どちらも非常に高性能なカメラですが、実際に街を歩いて撮影してみると、それぞれに異なる魅力があることを感じます。α7R VIは、約6680万画素という高い解像力を活かし、写真を大きく引き伸ばしたときにも細部までしっかりと描写したい方におすすめです。建造物の細かなディテールや、街の中にある小さな情報、風景の質感など、「見つけたものをできるだけ多く残したい」という撮影では、その高画素が大きな武器になります。撮影後のトリミングにも余裕があり、一枚の写真から新たな構図を見つけられることも魅力です。

一方、α7 Vは機動力と汎用性の高さが魅力です。街スナップはもちろん、旅行、人物、風景、動物など、さまざまな被写体を軽快に撮影したい方に向いています。「今日はこれを撮る」とあらかじめ決めすぎず、カメラを持って出かけ、その日に出会ったものを自由に撮る。そんな撮影スタイルには、心強い相棒になってくれるでしょう。どちらが優れているということではありません。撮影者の視点やスタイルによって、選ぶべき答えは変わります。自分はどのように街を見て、何を感じ、どのような写真を撮りたいのか。その答えを考えながら、自分の撮影スタイルに寄り添ってくれる一台を選んでくださいね。

【2026/9/13】鈴木知子さん『街歩きがもっと楽しく! ソニーαシリーズで撮るワンランク上のスナップ』セミナーを開催

2026年9月13日(日)に鈴木知子さんをお招きして、『街歩きがもっと楽しく! ソニーαシリーズで撮るワンランク上のスナップ』をテーマにセミナーを開催します。その中で今回の記事で紹介したα7R VIやα7 Vを含むα7シリーズを使用した撮影のポイントや、おすすめのFEレンズの紹介、各レンズの特徴やそのシーン別使用例などをお話しいただきます。普段から撮影されている方や、これから撮影を始めてみたいと考えている方にオススメのセミナーです

本セミナーは全国のカメラのキタムラ50店舗でライブ中継にて開催いたします。参加費は無料!講師への質問もできますので、この機会にぜひお気軽にご参加ください。セミナー終了後、一部の店舗では普段取り扱いのない特別なカメラやレンズの体験ができます。開催店舗をぜひご確認ください。セミナーは両日とも午前・午後の2回開催いたしますので、ご都合の合う時間へご参加ください。みなさまのご参加を心よりお待ちしております!

▼鈴木知子氏の作例

概要とお申込み

■開催日:2026年9月13日(日):鈴木知子氏『街歩きがもっと楽しく! ソニーαシリーズで撮るワンランク上のスナップ』
■開催時間:【第一部】11:00~12:00【第二部】14:00~15:00
■費用:無料
■場所:カメラのキタムラ ライブ中継先店舗(下記店舗一覧よりご確認ください)
■定員&申込み:希望店舗へお問い合わせ、ご連絡ください
■申込み期限:各開催日前日の店舗営業時間内

【店舗一覧】

募集状況や申込み、ご質問などは申込み希望店舗へお電話ください。
★の表記がある店舗では当日限定のラインナップでカメラやレンズの体験ができます。

■北海道:札幌/羊ケ丘通り店
■北海道:釧路/釧路店
■青森県:弘前/高田店
■青森県:青森/青葉店
■秋田県:秋田/広面店
■山形県:山形/馬見ヶ崎店
■宮城県:仙台/泉店
■新潟県:新発田/舟入店
■茨城県:水戸/下市店
■群馬県:太田/太田店
■埼玉県:大井/ふじみ野店
■千葉県:千葉/市原店
■千葉県:千葉/おゆみ野店
■神奈川県:平塚/平塚店
■東京都:新宿/北村写真機店
■長野県:松本/並柳店
■静岡県:浜松/柳通り店
■静岡県:富士/市役所前店
■富山県:富山/掛尾店
■富山県:高岡/鐘紡町店
■石川県:金沢/有松店
■石川県:金沢/浅野本町店
■石川県:小松/小松店
■福井県:福井/バイパス南店
■福井県:武生/武生店
■滋賀県:草津/野村店
■愛知県:豊川/諏訪店
■愛知県:名古屋/天白・植田店
■愛知県:一宮/中島通り店
■三重県:四日市/西浦店
■京都府:京都/四条西院店
■大阪府:豊中/豊中店
■兵庫県:姫路/英賀保店
■岡山県:岡山/青江店
■岡山県:岡山/下中野店
■島根県:松江/学園通り店
■広島県:広島/祇園店
■山口県:山口/バイパス吉敷店
■徳島県:徳島/沖浜バイパス店
■香川県:高松/高松南店
■高知県:高知/土佐道路店
■愛媛県:松山/朝生田店
■福岡県:福岡/原店
■福岡県:久留米/上津店
■福岡県:小倉/湯川店
■福岡県:福岡/ミーナ天神店
■佐賀県:佐賀/南部バイパス店
■大分県:大分/光吉店
■宮崎県:宮崎/中央店
■鹿児島県:鹿児島/中山バイパス店

 

 

▼鈴木知子氏プロフィール

神奈川県横浜市出身。東京工芸大学短期大学部卒業後、広告撮影プロダクションに入社。写真家のアシスタント経験後、コマーシャルフォトを中心に活動。現在はフリーランスとして地元横浜に事務所を構え、カメラ片手に日々奮闘中。近年は雑誌への作品提供やフォトコンテストの審査、セミナー講師、写真ハウツー書籍の執筆も行っている。1日1枚の写真で綴るライフワークの横浜を中心としたスナップ写真を、ブログにて毎日更新中。

 

 

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