プロも認める画質と軽快さ!『OM SYSTEM スタンダードレンズ被写体別セレクトガイド』スナップ撮影・花撮影編
はじめに
マイクロフォーサーズ規格を採用しているOM SYSTEMのミラーレス一眼カメラは、フルサイズセンサーのおよそ1/4サイズの面積となるセンサーを採用しています。これによりカメラおよびレンズの大きさを小さく設計することができるため、高画質でありながらもとてもコンパクトなカメラとなっています。さらにより小型化を優先した設計のスタンダードクラスのレンズとの組み合わせでは、マイクロフォーサーズ機のメリットを最大限に活かした、より小型軽量なカメラとすることができます。
スタンダードクラスのレンズには、広い範囲を撮影できる広角レンズから遠くのものを大きく撮影できる超望遠レンズ、小さなものを大きく撮影できるマクロレンズまで幅広い種類のレンズが用意されています。さらに一本で広角から望遠までの画角をカバーできる高倍率ズームレンズといった便利なレンズもあります。これらのレンズを撮影したいものに合わせて選ぶことで、魅力的な写真として捉えることができます。
ただレンズの種類が多いことから、カメラをこれから始めようという方やまだカメラを手にして日が浅いという方は、どのレンズを選ぶのが良いのか戸惑ってしまうこともあることでしょう。そこでここでは、いくつかの代表的な被写体をピックアップしてそれに合わせたおすすめレンズをご紹介します。
スナップ撮影におすすめのレンズ
スナップ撮影は写真撮影の楽しみ方としてとても人気のあるジャンルです。日常のなかで出会った好きな光景や面白い瞬間などを、街の中や心地よい自然の中で自由にカメラのシャッターを切ることで、心を動かされる瞬間を写真に収めます。そのためにもカメラを日頃から持ち歩き素敵な瞬間との出会いを逃さないことが大切です。
マイクロフォーサーズのカメラは、その小ささや軽さで撮影者の負担を最小限に抑えてくれます。そこで組み合わせるレンズにはやはり小さくて軽いものをセレクトするとよいでしょう。そうすることで持ち歩くカメラ機材は最小限な重さとなり体への負担を抑えることができますので、より軽快にスナップ撮影を行うことができます。

ED 14-150mm F4.0-5.6 II
スナップ撮影では比較的近い距離の被写体を撮影することが多くなるので、レンズの画角は主に広角から標準、中望遠周辺の使用頻度が高くなります。これらの画角を効率よくカバーするレンズを選択することで、持ち歩くレンズの本数を少なくすることができます。理想は一本のレンズで広角から望遠までをカバーできるズームレンズではありますが、高倍率なものとなるとどうしてもレンズの長さが長くなりがちです。
そこでおすすめしたいレンズが「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」です。35mm判換算で広角28mmから望遠300mm相当までを一本のレンズでカバーできる10.7倍の高倍率ズームレンズです。それでいて広角端14mmの状態では長さ83mmと短くなるので、小型のカメラバッグに入れて持ち歩いても嵩張らずに済みます。また重さも285gと軽く、OM-5 Mark II(418g)との組み合わせでもおよそ703gで済みます。これはフルサイズ一眼カメラでの同等の画角のレンズとの組み合わせと比べると、大幅に軽量なカメラとなります。

■撮影環境:F11 1/200秒 ISO200 +0.7EV Psモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F5.6 1/80秒 ISO250 +0.7EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F7.1 1/250秒 ISO200 プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO
ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
OM SYSTEMのレンズのなかでもっとも小型軽量を誇る電動標準ズームレンズ。身の回りの日常をスナップ撮影するのにちょうど良い、35mm判換算にして広角28mmから中望遠84mm相当をカバーしています。
レンズ単体では93gと驚くほど軽く、OM SYSTEMの小型ミラーレス一眼カメラE-P7(337g)との組み合わせではおよそ430gの軽量なカメラとなります。また、電源OFF時は鏡筒が短く収納される沈胴式を採用していることから、カメラにレンズを装着したままでもポケットに収めることができるほどのコンパクトさを実現しています。


■撮影環境:F7.1 1/160秒 ISO200 Psモード +1.0EV WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F4.5 1/100秒 ISO200 Pモード +0.7EV WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO
ED 9-18mm F4.0-5.6 II
35mm判換算にして超広角の18mmから36mm相当をカバーする広角ズームレンズ。手のひらに収まるほど小さなサイズながら超広角の画角での撮影が可能なうえ、36mm相当の「すこし広めの標準レンズ」とも言える画角までカバーするので、建物を構図に取り入れて構成する街スナップ撮影などにも最適なレンズです。特に広角レンズの特徴として、近くのものは大きく写り離れていくにつれて小さくなって写るという特性をうまく利用すれば、遠近感を強調し臨場感を演出することもできます。


■撮影環境:F6.3 1/250秒 ISO200 +0.3EV Psモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F7.1 1/200秒 ISO200 +0.3EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F8.0 1/250秒 ISO200 +0.7EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F4.0 1/60秒 ISO1250 -0.3EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F4.0 1/60秒 ISO1000 -0.7EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO
17mm F1.8 II
35mm判換算34mm相当の単焦点レンズ。ズームレンズとは違い画角は固定となるので被写体との距離を撮影者自らが動いて調整する必要はありますが、距離感に慣れてくればズームリングを操作することがない分、むしろスピーディーにスナップ撮影を行うことができます。また、レンズも極めて小さく軽いので、カメラをバッグからさっと取り出して軽快に撮影できます。

■撮影環境:F4.0 1/320秒 ISO200 +0.7EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F4.5 1/400秒 ISO200 +0.7EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F5.6 1/640秒 ISO200 +0.7EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F2.8 1/160秒 ISO200 +0.7EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO
ED 12mm F2.0
スナップ撮影において遠近感のある画面構成を作りやすい、35mm判換算24mm相当の画角を持つ単焦点レンズ。開放絞り値が2.0と明るいことから光量の少ないシーンでもシャッタースピードを稼げるので、手ぶれを抑えた撮影を行うことができます。また、浅い被写界深度による大きなぼけを活かした撮影にも向いています。鏡筒は金属外装で覆われており高い質感である点もこのレンズの魅力とのひとつとなっています。

ED 12mm F2.0にはスナップ撮影にも便利なスナップショットフォーカス機構が搭載されています。これはフォーカスリングを手前にスライドすると距離指標が現れ、AFからMFに切り替わると同時にフォーカスが赤指標の位置に移る機構です。これを利用することで瞬時にパンフォーカス撮影へと移行することができます。
パンフォーカス撮影とはあらかじめ絞りを絞り込み被写界深度を深めたうえで、MFでフォーカス位置を任意の距離にセットしその前後の被写体を被写界深度の範囲に収めて撮影するテクニックです。これによりピント合わせの手順と時間を省くことできるので、即写性を高めたスナップ撮影が可能となります。

■撮影環境:F2.8 1/640秒 ISO200 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO
花撮影におすすめのレンズ
花の美しさを表現することは撮影を楽しむうえでの普遍的なテーマのひとつです。日常のなかの身の回りにひっそりと咲く可憐な花から、見事に整えられた庭園に咲く洗練された美しさの花まで、その魅力にカメラを向けて撮影することで撮る者の心の内までも幸せにしてくれる被写体です。
花の咲く姿を撮影者の望むように写真で捉えるには、幅広い状況に対応できるレンズを選択することが大切です。自然風景の中で咲き誇る花々を捉えるのであれば広い風景を画角に収められる広角レンズが有用ですし、足元に咲く花々に近づきその表情を捉えるのであれば、標準から中望遠のレンズがあると狙った花のみを引き立たせることができます。
また、離れた樹の枝に咲く花であれば望遠レンズで引き寄せるように撮影し、花という不思議な造形の魅力を引き出したいと思えばマクロレンズで大きくクローズアップして撮影したくなることでしょう。このように撮影者は花の姿をどのように捉えたいのかを明確にしたうえで、最適なレンズを選べるように備えておくことで表現の幅を拡げることができます。

ED 12-200mm F3.5-6.3
35mm判換算で広角24mmから望遠400mm相当の画角をこれ一本でカバーするズームレンズ。16.6倍の高倍率でありながらレンズの重さは455g(OM-5 Mark IIとの組み合わせでは約870g)、レンズ単体での全長は約100mm(広角12mm時)と軽量&コンパクトを実現しており、まさにマイクロフォーサーズのメリットを最大限に活かしたレンズです。それでいて画質もズーム全域において安定しており、さまざまな被写体に適したオールマイティなレンズといえます。
花の撮影においては広角を活かした画面いっぱいに広がる花々を取り入れた風景撮影から、望遠を活かしての立体的な花のクローズアップ撮影まで自在に対応することができます。なおこのレンズは同じくOM SYSTEMの高品位レンズシリーズPROレンズと同等の防塵防滴性能となっていることから、雨天時の花の撮影でも安心して使用できる点も大きなメリットです。


■撮影環境:F11 1/500秒 ISO200 -0.3EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO
ED 14-150mm F4.0-5.6 II
35mm判換算で広角28mmから望遠300mm相当の画角を持つ10.7倍高倍率ズームレンズ。日常的な撮影において最も使用頻度の高い画角を得ることができるうえ、レンズはコンパクト&スリムに、かつ重さもとても軽いので、マイクロフォーサーズのどのカメラと組み合わせても優れた携帯性を実現します。
花の撮影においては望遠端150mmにおいて最短撮影距離50cmと短く、被写体とレンズ先端の距離を33cmにまで近づけて撮影することができるので、小さな花でも画面内に大きく撮影することができます。また、ED 12-200mm F3.5-6.3と同様に防塵防滴構造となっているので、OM-5 Mark IIなどの防塵防滴対応カメラとの組み合せなら雨天でも安心して撮影することができます。

■撮影環境:F5.6 1/60秒 ISO1000 +0.7EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F5.6 1/100秒 ISO6400 +1.3EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F5.6 1/200秒 ISO250 +1.0EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F5.6 1/320秒 ISO200 +0.7EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO
ED 9-18mm F4.0-5.6 II
OM SYTEMのスタンダードレンズのなかでもっとも広い画角を持つズームレンズ。35mm判換算で広角18mmから36mm相当となり、風景撮影やスナップ撮影はもちろんのこと、花の撮影においても広い範囲に広がる花々の光景を目一杯写すことができます。また、限られた空間のなかを最大限に広く見せる際にもとても有用です。植物園やテーマパークなどを彩る花の美しさを空間として撮影するのも良いでしょう。

■撮影環境:F4.0 1/500秒 ISO200 +0.3EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO
45mm F1.8
45mm F1.8は35mm判換算で90mm相当の中望遠単焦点レンズです。開放絞り値が1.8ととても明るく、光量の少ないところでもシャタースピードを遅くすることなく撮影できます。また、明るい開放絞りを使用する際に伴う、浅い被写界深度を活かしてピンポイントとなるピント面と、その前後のぼけを組み合わせた立体的な表現の撮影を行うことができます。この撮影方法は人物ポートレート撮影時によく使われるものですが、花の撮影においても印象的な作品とすることができます。

■撮影環境:F2.8 1/125秒 ISO200 +0.3EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO
ED 30mm F3.5 Macro
35mm判換算で60mm相当のマクロレンズ。マクロレンズは通常のレンズよりも被写体を大きくクローズアップして撮影ができるレンズです。肉眼では目にすることがむずかしい本格的なマクロの世界をこのレンズを使用することで手軽に撮影できます。花の撮影においては小指の先ほどの小さな花を大きくクローズアップしたり、大きく開いた花のおしべめしべの不思議な自然の造形を印象的に撮影することもできます。
ED 30mm F3.5 Macro はOM SYSTEMのマクロレンズのなかでは最短の焦点距離となるので、被写体との距離が比較的近くなることから、マクロ撮影初心者にも扱いやすいレンズです。

■撮影環境:F5.6 1/60秒 ISO200 +0.3EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F7.1 1/250秒 ISO200 +1.0EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F8.0 1/320秒 ISO200 +1.0EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO
次回はテーブルフォト/動物園撮影編
今回ご紹介したスタンダードレンズは、いずれもOM SYSTEMにて現在ラインナップされている製品です。そのなかからスナップ撮影および花撮影におすすめしたいレンズを、筆者の経験をもとにピックアップさせていただきました。もちろん今回紹介したレンズ以外でもこれらの撮影を行うことはできますが、マイクロフォーサーズカメラのメリットを最大限に活かし、楽しく軽快に、それでいて画質にも満足できる選択をご提案させていただいていますので、今後のレンズ選びの参考としていただけると嬉しいです。
さて次回は「テーブルフォト/動物園撮影編」として、それぞれの被写体撮影におすすめしたいレンズを、マイクロフォーサーズのスタンダードシリーズならではの観点でご紹介させていただきます。ぜひともお楽しみに!!

■カメラバッグ/ネックストラップ協力:WOTANCRAFT
■写真家:礒村浩一
広告写真撮影を中心に製品・ファッションフォト等幅広く撮影。著名人/女性ポートレート撮影も多数行う。デジタルカメラ黎明期よりカメラ・レンズレビューや撮影テクニックに関する記事をカメラ専門誌に寄稿/カメラ・レンズメーカーへ作品を提供。国境離島をはじめ日本各地を取材し写真&ルポを発表。全国にて撮影セミナーも開催。カメラグランプリ2016,2017外部選考委員・EIZO公認ColorEdge Ambassador・(公社)日本写真家協会正会員












