シグマ 35mm F1.4 DG II | Art Artレンズで叶う写真表現

山口規子
シグマ 35mm F1.4 DG II | Art Artレンズで叶う写真表現

はじめに

「あなたにとって、いいレンズって、何?」と問われたら、私は迷わず「写真表現を豊かにしてくれる相棒となるようなレンズ。表現することが、ますます楽しくなるレンズ」と答えるでしょう。今回、シグマから発売されるSigma 35mm F1.4 DG II | Artは、まさにそんなレンズです。このレンズの魅力を、従来のSIGMA 35mm F1.4 DG DN | Artとの比較を含めながら、紹介していきます。

描写力(シャープネス&やわらかさ)

レンズ構成枚数12群15枚、絞り羽根11枚の円形絞りのこのレンズは、固い被写体からやわかい被写体まで、すべての被写体の描写力に優れています。灯台の写真はSIGMA fp Lのカラー設定を「パウダーブルー」に設定して撮影したもので、雲の表情が豊かに表現されています。また、夕暮れの川の水面に映り込んだ色のグラデーションがきめ細やかで滑らかです。

■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF5.6 ISO400
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/15 絞りF8 ISO400

道路標識を撮影した写真、蝶の写真、猫の写真は、ピントを合わせた部分を拡大した写真も一緒にご覧ください。道路標識は暗部の中でもきちんと表現され、蝶の目はその質感を残しつつもシャープに表現されています、猫の目の中も同様、細部にわたるところまで忠実に表現できます。またDual HLAというシステムが、大型フォーカスレンズ群をパワフルかつ高速に駆動するため、高精度で安定したAFが得られます。

■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/120 絞りF2.8 ISO400
(ピント位置の拡大図)
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/640 絞りF2.8 ISO100
(ピント位置の拡大図)
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/1250 絞りF1.4 ISO100
(ピント位置の拡大図)

美しいボケ

レンズを購入する際に一番気になるのがボケではないでしょうか。このレンズは円形絞りのため、美しい玉ボケが得られます。バナナの写真では、遠く離れた背景でもしっかりとした玉ボケが得られます。またアダンの木を手前にいれた風景の写真では、背景の海のボケはとても自然で滑らかです。このようなフラットな光の中でも自然なボケが得られます。

■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/6000 絞りF1.4 ISO400
(玉ボケ部分の拡大)
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/1600 絞りF2.8 ISO100

フレア&ゴースト逆光時の悩みも解消!

シグマのレンズでいつも感動するのは、逆光で撮影してもフレアやゴーストが出にくい点です。従来のスーパーマルチレイヤーコーティングではなく、新たなアドバンストアモルファスコーティングを採用しており、従来のコーティングと比べて、反射を大幅に抑制し、不要な写り込みを低減できます。特に風景写真やスナップ写真のときに、逆光は付き物です。このレンズはまさに逆光を気にせず、その逆光を活かした撮影までもできます。

■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/80 絞りF11 ISO100
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF11 ISO200

最短撮影距離28cm、テーブルフォトにも使える!

このレンズは最短撮影距離が28センチです。被写体にぐーっと寄って撮影できるので、お料理や雑貨などのテーブルフォト撮影にも使えます。それに加え、素晴らしい描写力なので言うことなしです。手前の花などの被写体にぐーっと近寄って、背景に山並みを入れ込むような風景写真にも使えます。

■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF1.4 ISO100
■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/200 絞りF1.4 ISO200

気になる!? 従来のレンズとの比較1・軸上色収差について

気になるのは従来の35mm F1.4 DG DN | Artとの比較です。軸上色収差を比較した拡大写真をご覧ください。白いスイートピーの花の写真ですが、見てわかるように、新しいレンズの方が、明らかにグリーンフリンジが抑制されています。このように軸上色収差であるグリーンフリンジやパープルフリンジなどの発生を抑制した高画質が得られます。

■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/60 絞りF1.4 ISO200
35mm F1.4 DG II | Art

35mm F1.4 DG DN | Art

気になる!? 従来のレンズとの比較2・至近性能について

フローティングフォーカス採用により、至近距離で撮影した被写体がよりシャープに表現できます。フローティングフォーカスとは、被写体との距離による収差の変化を抑制するために、特定のレンズだけを駆動させるシステムで、無限遠から近接撮影まで全域において、高解像度性能を引き出すことができます。英字新聞の拡大写真をご覧ください。新しいレンズでは、新聞の紙の高画質な質感描写で手触りまで伝わってくるような表現ができます。

■撮影機材:SIGMA fp L + 35mm F1.4 DG II | Art
■撮影環境:シャッター速度1/20 絞りF8 ISO200
35mm F1.4 DG II | Art

35mm F1.4 DG DN | Art

まとめ

SIGMA 35mm F1.4 DG II | Artは、すべての被写体、どんな光の状態でも確実に高画質な表現ができるレンズです。そして従来のレンズよりも小型軽量という点も大いに魅力的です。あなたにとっていいレンズとは?それは使っていて気持ちいいレンズ、撮影したあと、すぐ家に帰って、自宅のPCで写真を見たくなるレンズなのではないでしょうか。決して撮影する人を裏切らない一本になることでしょう。

 

 

■写真家:山口規子(やまぐちのりこ)
栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著の写真集に「柳行李」「I was there.」「KIKORI木は長い夢を見る」など。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会副会長

 

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