ニコン NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II で楽しむフーコック島の旅|水咲奈々

水咲奈々
ニコン NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II で楽しむフーコック島の旅|水咲奈々

はじめに

ニコンから2026年4月24日に発売された「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」は、F2.8通しの望遠ズームレンズとして根強い人気の初代「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」から、約6年振りのアップデートとなります。今回は、本レンズを持ってベトナムのフーコック島に行ってきましたので、沢山のスナップ写真と共にレビューをお送りします。

インターナルズーム方式はすべてのレンズに採用して欲しいくらい便利!

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:■撮影環境:焦点距離:70mm f/11 1/500秒 ISO3200 WBオート

フーコック島はベトナム南西部のタイランド湾に浮かぶ、ベトナム最大の離島です。「ベトナム最後の楽園」や「ベトナムの真珠」とも称されていて、綺麗なビーチはもちろん、世界最長のロープウェイや大型ウォーターパーク、ヨーロッパ風の街並みを再現した複合商業施設があったり、ローカルな市場が点在していたりと、南国リゾートとローカルムードの両方を楽しめる島でした。

島南部のサンセットタウンと、大型ウォーターパークのあるホムトム島を結ぶのが、全長約7.9kmの世界最長の海上ロープウェイです。朝は雨が降っていましたが、帰りは綺麗な夕焼けに染まった街並みが見られました。

ロープウェイのガラス越しの撮影なので、インターナルズーム方式でズーミングしても全長が変わらない本レンズは、レンズ先端がガラスにカチカチと当たる心配をしないで済むのでとっても便利です。

■使用機材:Nikon ZR + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:70mm f/2.8 1/1600秒 ISOオート WBオート

島の北部にはグランドワールドというテーマパークがあります。ヨーロッパ風の街並みで、ベトナムにいるのが信じられないような景色が広がっています。このカットは、ブーゲンビリアの花の向こう側に、ベトナムではあまり見ない色合いの橋を配した構図に。70mmの広角側でもF2.8の開放値のおかげで、自然で綺麗なボケが得られました。

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:70mm f/2.8 1/2000秒 ISOオート WBオート

こちらは有料施設の外にあるイタリアのベニス風の街並みで、人口の川の両側にはカラフルな壁が印象的な飲食店が立ち並んでいます。曇り時々雨の微妙な天気でしたが、ゴンドラ風の電動ボートは観光客を乗せて行き来していました。

時折降る雨にドキッとさせられましたが、防塵・防滴の本レンズのおかげで、ちょっとの雨くらいなら撮影し続けられました。スコールのようにざっと降ってさっと止む天候が多い地方なので、本降りになったらカフェなどに避難してくつろいでいればOK!しばらくしたらまた撮影できます。

従来機よりも約26%軽量化!

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:70mm f/5.6 1/2000秒 ISOオート WBオート

旅に出ると撮りたくなるのが、その国の台所とも言えるローカルな市場です。こちらは一番栄えているズオンドン川のほとりにある、ズオンドン市場です。

ベトナムはとにかくバイクが多くて、朝も、昼も、夜もずーっと乗っているんじゃないか?ってくらい、バイクを良く見ます。朝の市場もみなさんバイクで来ていて、バイクに乗ったままドライブスルーのように買い物をしている方も沢山見ました。

フーコックでは観光地化したナイトマーケットも有名ですが、こちらは観光客はほとんどいない地元密着型の市場で、ワクワクしてものすごく大量にシャッターを切ってしまいました。

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:130mm f/5.6 1/1600秒 ISOオート WBオート

さて、従来機よりも約26%軽量化された本レンズですが、手持ちでのスナップ撮影について本音をお話しましょう。

前提として、三脚座リングは使用せず、保護カバーを装着しているので、質量は約1030gになっています。スナップ撮影では光線状態はめまぐるしく変わるので、レンズフードは必ず装着しています。

小型ボディのZRと併せるとまあまあの重さにはなりますので、気温30度を超える南国での連続撮影は、2時間以内にしたほうがいいでしょう。体力を消耗します。また、約208mmと街なかで構えるにはそこそこの長さがあるので、人通りの多いところでは周りに注意して撮影するのがコツです。

ですが、それらを上回るメリットが、強い明暗の差に負けない描写性能と素早いAF性能です。

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:160mm f/6.3 1/1600秒 ISOオート WBオート

南国はとにかく太陽が強い!太陽の熱が痛いくらい強いです。その強い太陽を避けるべく、日陰を作り出す人々。そんな街で撮るスナップは、当たり前のように明暗の差が強くなります。

そこを、白飛びギリギリを粘って描写してくれる高い描写性能は、ちょっと体力を削られても持ち歩く価値があります!あと、ベトナムは配車アプリのGrabを使えば日本よりも驚くほど安くタクシーに乗れる文化なので、現地移動は基本タクシーにしてしまえば、涼しいし問題解決です。

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:200mm f/6.3 1/2000秒 ISOオート WBオート

フーコック島に限らずベトナムは全般的に、よく草を食べる印象です。フォーにも、バインセオにも、ブンチャーにもトッピングのように草がついてきます。その草をメイン料理に入れたり挟んだりして食べます。なんというか、ハーブとかサラダとか付け合せとか言いたくない、もっとシンプルな気持ちで「草」って言いたくなる感じで、出て来るのです。

もちろん、市場にも沢山売っている「草」。本レンズの最短撮影距離は、広角端で0.38m、望遠端で0.8mで、前モデルよりもぐっと短縮されました。おかげで美味しそうな草にもぐっと近寄れました。

効果大の手ブレ補正と進化を実感したAF性能

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:70mm f/6.3 1/1600秒 ISOオート WBオート

自然な街の情景を撮影したいときは、あまり立ち止まる時間を長くしたくなくて、歩きながらちょっと止まる程度で撮影しています。自分が街の異物になりたくないという気持ちなのでしょうか。

本レンズの手ブレ補正は、ZRのようなシンクロVR対応カメラを使用した場合、6.0段の効果を発揮します。今回の旅では、この手ブレ補正に頼って撮影しようと、いつもと少し違う設定で撮影しました。

まず、ズームした場合のことを考えてシャッタースピードを速めに設定しておきます。次にぼかしたいか、ぼかしたくないかの演出に従って、カットごとに絞り値を決めます。明暗差の強い市場では、それプラスISO感度を変更していると、シャッターチャンスを逃しかねないので、いつもは使わないISOオートを多用してみました。

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:70mm f/2.8 1/3200秒 ISOオート WBオート

この設定と本レンズの手ブレ補正、高速なAF性能がマッチして、朝の市場を快適に撮影できました。

ベトナムのこのカラフルながらローカル感があって、ギスギスしていない市場の雰囲気が大好きなんです。フーコック島はリゾートムードが強い島ではありますが、大好きなローカル市場での撮影が行えて幸せでした。

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:200mm f/2.8 1/1600秒 ISO100 WBオート

筆者のホテルは中心地から少し離れた海沿いでしたので、お迎えのタクシーがホテルの前まで来られないことがあり、よく大通りまで5分ほど散歩していました。そんな横道はまた情緒があり、シャッター欲を掻き立ててくれます。

こちらは200mmの望遠側で、絞り開放で撮影しています。向こうに走り去るバイクにもAFが粘ってくれて、シャープな画が得られました。

ピントの合いにくい色の濃い犬にもジャストピント!

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:135mm f/2.8 1/1250秒 ISOオート WBオート

フーコック島には島出生のフーコック犬がいます。絶滅危惧種に指定されたフーコック犬は保護施設があり、そこでは餌をあげたり施設の係の方に簡単な説明を伺ったりできます。

フーコック犬の特徴は、背中の毛が逆向きに隆起していて、足に水かきがあり、胸が大きくてお腹はスリムです。営業部長のように施設の方と施設内をまわってくれたこの子も、背中の毛が綺麗に逆立っています。

100%純正のフーコック犬は尻尾が細いので、この子は純正ではないのかも知れませんが、施設内を回るうちにどんどん懐いてくれて、とても可愛らしかったです。そして毛艶が良く、木漏れ日の綺麗なポイントに座ってくれたりするので、とってもフォトジェニックでした!

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:70mm f/5.6 1/600秒 ISOオート WBオート

フーコック島は、街なかに犬が「落ちている」印象が強かったです。寝ているので落ちている訳ではないのですが、人間を気にしないでベターっと寝ている姿がかわいらしくもふてぶてしくて、「落ちている」という雰囲気にぴったりなのです。朝の市場に落ちていたこの子も、背中の毛が逆立っていますね。

市場やビーチでの撮影で気になるのが、レンズへの砂や粉塵の侵入です。ズーミングするときに伸びたレンズのズーム部分に砂が噛んでしまうと、それはもう辛いです。帰国してからも辛いです。そのような心配がいらないインターナルズーム機構、大好きです。

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:200mm f/2.8 1/2000秒 ISO640 WBオート

こちらは、フーコック島で一番有名なサオビーチのレストランにいた子犬。サオビーチは白い砂浜は綺麗でしたが、正直、海はイマイチで沖縄のほうが綺麗だなって思ってしまいました。

その代わり、日陰になっているレストランのテーブルの下のあちこちに犬が寝ており、触らないように注意しながらも、沢山撮影してしまいました。動物認識で、AFもしゃっきり目に合ってくれました。

動きの素早い猫にもしっかり対応するAF

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:115mm f/5.6 1/600秒 ISOオート WBオート

犬と違って猫は「落ちている」ではなく、「覗いてくる」子が多かったです。犬と猫の性格の違いでしょうかね。距離的にも遠いことが多いので、100mm以上のズームが役に立ちます。柵の向こうの猫にも、ちょっとした物音に反応して走り出しちゃう猫にも、ピントはしっかり合いました。本当にAF性能は飛躍的に進化して、スナップが撮りやすくなったと実感しました。

■使用機材:Nikon ZR+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II
■撮影環境:焦点距離:200mm f/5.6 1/600秒 ISOオート WBオート

こちらも覗いてくる猫さん。ベトナムはこういうカラフルなプラスチックの椅子が多いですよね。お店の子なのでしょうか。ちょっと目を怪我しているようですが、逞しく生きて欲しいです。

おまけのアドバイス

今回の旅では、メインのメディアとしてサンイーストの「ULTIMATE PRO SILVER Series CFexpress 4.0 Type B Card 1TB」を使用しました。Nikon ZRで撮影していると、ふと動画を撮りたくなるときがあり、かといってRAWでどんどん撮っているとすぐにメディアの空き容量がなくなってしまうので、1TBの容量があると安心です。

特に家電量販店がないような島に行くときは、メディアの容量には余裕を持つことをお勧めします。同容量のサンイースト「ULTIMATE PRO WHITE Series」もお勧めです。

筆者は海外旅行でのカメラバッグは「FOTOPRO TS-01 PRO」を愛用しています。LCCの小さな飛行機でも、このサイズだと前の座席の下に収納できるんです。

背中側のファスナーから機材にアクセスできるのも、スリ対策としてメリットがあります。それでも、ファスナーにはカラビナを付けてスリ対策していますよ!アピールも欠かしません。

これから夏の旅行に向けて、どこに行こうか、何を持っていこうか検討中の方も多いでしょう。検討中の機材に本レンズが入っているようでしたら、ぜひ参考になさってください。

 

 

■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。

 

 

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