ニコン「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」 1kgを切る新世代のプロフェッショナル望遠ズームレンズ見参!
はじめに
現代のフォトグラファー必携レンズと言われる「大三元ズームレンズ」。それは「広角ズーム」、「標準ズーム」、「望遠ズーム」の3本のことで、F2.8通しと明るく、多くの被写体を過不足なく撮影できる組み合わせのことを言います。その中で、スポーツやポートレート、風景撮影などで被写体を印象的に切り取るために欠かせないのが「望遠ズーム」です。ニコンはプロフェッショナルの基準を満たすその大三元望遠ズームをアップデートしました。ついに最新型「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」の登場です。
「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」の特徴
まずは外観とスペックから、その進化を見ていきましょう。最大のトピックは、従来モデルから約26%の軽量化を達成し、クラス最軽量となる約998g(三脚座リング、保護カバーを除く)を実現したことです。実際に手に取るとその差は歴然で、長時間の撮影や高い機動力が求められるシーンでの撮影スタイルそのものを変えてしまうほどのインパクトがあります。レンズを持つと「ええっ!?」と驚いてしまうほどの軽さなのです。
そしてズーミング機構としてインターナルズームを採用したまま、全長を約12mm短縮したことも大きなニュースです。ズーミング時にレンズ先端の伸縮がないためバランスが安定し、スムーズな撮影が可能です。さらにコントロールリングには、クリック感のオンオフを切り換えられるスイッチが搭載されました。三脚座はニコン初となるアルカスイス対応となり、対応雲台への着脱もスムーズに行えます。

光学設計も改められています。新たにスーパーEDレンズとED非球面レンズを採用し、従来からの4種類と合わせた計6種類の特殊レンズを初めて同時に採用しました。ニコンならではの「メソアモルファスコート」と「アルネオコート」も採用されており、逆光などの厳しい条件でもゴーストやフレアを大幅に低減します。
そして一番うれしいのがオートフォーカスのさらなる高速化です。AF駆動用アクチュエーターにはニコン独自のシルキースウィフトVCM(SSVCM)を採用し、従来モデル比で約3.5倍の高速化を実現しています。静粛性も高く、圧倒的に高速・高精度なAFを体感できます。なお、最短撮影距離は広角端で0.38m、望遠端で0.8mへと大幅に短縮されました。

付属のレンズフード(HB-119)にはフィルター操作窓が装備され、円偏光フィルターなどの操作が容易になっています。フィルター径は24-70mm f/2.8 S IIと同じく77mmです。
「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」でブラブラ実写レビュー!
話題のレンズをニコン「Z8」と「Z5II」に装着して春の光景をブラブラと撮影してきました。

■撮影環境:1/640秒 f/2.8 ISO64
風に吹かれて揺れる花。そんなピント合わせが難しい状況でも「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」は高速かつ正確にフォーカスし続けてくれました。とても頼もしいレンズですね。

■撮影環境:1/640秒 f/2.8 ISO72
桜の木々をかすめるように走り抜ける電車。「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」は宿河原の名物シーンをしっかりと捉えてくれます。レンズがとても軽量なので、手持ちで車両が来るのを待ち構えていても苦になりませんでしたよ。

■撮影環境:1/200秒 f/2.8 ISO180
古民家にあった機織り機の一部にフォーカスしてみました。音もなく「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」はスパッ!と気持ちよくピントが合います。ピント面の精細感にも目を奪われますね。

■撮影環境:1/320秒 f/8 ISO64
70-200mmというレンズは必携のレンズといってもいいでしょう。風景から人物、そしてスポーツなど動体の撮影にも活躍します。明るくて1kgを切る本レンズはその舞台をさらに拡張してくれるに違いありません。インターナルズームなので取り回しもよくバランスよくシャッターを切ることが可能です。

■撮影環境:1/4000秒 f/2.8 ISO160
木立の間から着陸してくる飛行機を狙いました。障害物の中から撮影していますが、「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」のオートフォーカスはしっかりと認識して迷うことなく合焦しつづけてくれました。

■撮影環境:1/800秒 f/4 ISO72
硬質でメタリックな要素が多い被写体の撮影にも向いています。スポーツカーのエンブレムからホイールの質感、ボディの微妙なラインを正確に写し取っていますね。

■撮影環境:1/1000秒 f/6.3 ISO160
着陸態勢の飛行機に「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」を向けました。ニコン「Z8」で撮りましたが、クイックかつ正確にフォーカシングがつづきます。撮影が本当に楽しくなるレンズだと感じました。

■撮影環境:1/1000秒 f/6.3 ISO160
竹林で太陽の光を浴びる一本の竹。その質感と立体感が素晴らしいですね!キリリとシャープな竹と、ムーディーなボケ味の背景とのコントラストが印象的です。開放F2.8での写りはとても気に入りました。

■撮影環境:1/250秒 f/2.8 ISO100
「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」のボケはとても上質です。前ボケ、後ボケともに品を感じさせる特性ですね。積極的に絞り開放で撮りたくなるレンズに仕上がっています。

■撮影環境:1/1000秒 f/2.8 ISO100
「メソアモルファスコート」と「アルネオコート」の採用で逆光にも強く、もちろん防塵・防滴に配慮した設計かつフッ素コートを採用なのでネイチャーやスポーツなど過酷な環境下での撮影でも安心です。最上の撮影結果を得ることができることでしょう。

■撮影環境:1/100秒 f/5 ISO100
「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」はとても軽いので、気軽に街中ブラブラスナップに持ち出すことも容易です。コントロールリングのクリックをオンオフすることもできるので、指先でその感触を楽しみながらスナップショットを撮るのもいいものです。
「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」のスペック
型式:ニコンZマウント
焦点距離:70mm-200mm
最大口径比:1:2.8
レンズ構成:16群18枚(EDレンズ1枚、スーパーEDレンズ1枚、ED非球面レンズ1枚、非球面レンズ2枚、蛍石レンズ1枚、SRレンズ1枚、メソアモルファスコートあり、アルネオコートあり、最前面のレンズ面にフッ素コートあり)
画角:
34°20′–12°20’(撮像範囲 フルサイズ/FXフォーマット)
22°50′–8°(撮像範囲 APS-Cサイズ/DXフォーマット)
ズーミング:ズームリングによる回転式
ピント合わせ:マルチフォーカス方式、IF(インターナルフォーカス)方式
手ブレ補正:ボイスコイルモーター(VCM)によるレンズシフト方式
手ブレ補正効果:6.0段(中央・周辺)※CIPA2024規格準拠
VRモード:NORMAL/SPORT
三脚使用時ブレ補正:有り
最短撮影距離:
• 焦点距離70mm時:0.38m
• 焦点距離85mm時:0.38m
• 焦点距離105mm時:0.5m
• 焦点距離135mm時:0.6m
• 焦点距離200mm時:0.8m
最大撮影倍率:0.3倍(焦点距離70mm)
絞り羽根枚数:11枚(円形絞り)
絞り方式:電磁絞りによる自動絞り
最大絞り:f/2.8
最小絞り:f/22
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ):77mm
寸法:約90mm(最大径)×208mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
質量:
約1180g(三脚座リング装着時)
約1030g(保護カバー装着時)
約998g(三脚座リング、保護カバーなし)
付属品:
• レンズキャップ77mm LC-77B(スプリング式)
• 裏ぶた LF-N1
• レンズフード HB-119
• レンズケース CL-C3
「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」のまとめ
主要レンズの中核とも言える大三元望遠ズームレンズ。ニコンはそれをさらに高みへとアップデートしてきました。まずは約998gへと驚異的に軽くなったこと。これで手持ちでの長時間の撮影も集中力を切らすことなく可能です。全長が短縮されたインターナルズームによってホールドも格段にラクになりましたし、SSVCMによる超高速のオートフォーカスは撮影体験をより快適にしてくれます。そしてさらに底上げされた描写性能は申し分ありません。
全方位的にアップデートされたこの「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」は、これからの「ニコンZ」を牽引するマイルストーン的なレンズになるに違いないでしょう。
■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、ウェブ、ストックフォト、ムービー撮影や、執筆、セミナーなどで活躍中。さまざまな企業のイメージ撮影や、ポートレート撮影、公式インスタグラムの撮影などを多く手がける。スマートフォン撮影のパイオニアとしても活動中。
















