ニコンの広角単焦点レンズ NIKKOR Z 20mm f/1.8 Sの魅力に迫る!

岩本あきら
ニコンの広角単焦点レンズ NIKKOR Z 20mm f/1.8 Sの魅力に迫る!

はじめに

さっ!今回はご要望もありまして、ニコンから発売されている「NIKKOR Z 20mm f/1.8 S」についてご紹介していきます。一度「NIKKOR Z 24mm f/1.8 S」の回で自分の中では完結していたつもりでしたが、色々とニコンのレンズにも動きが出てきたので、考え方も変わってくるのかな?と思い語っていきたいと思います。

まず、この「NIKKOR Z 20mm f/1.8 S」は、ニコンZシリーズの単焦点の中で最も広角の(画角の広い)レンズになります。ニコンユーザーの中ではもっと広角の単焦点レンズを望まれている方も非常に多いと思いますが、2026年4月現在、最広角レンズはこのZ 20mm f/1.8 Sです。

過去の検証で24mmに落ち着いたけど…

Z 24mm f/1.8とZ 20mm f/1.8のサイズ比較

過去に様々な単焦点レンズを検証して個人的にZ 24mm f/1.8 Sに落ち着いた理由が、動画撮影時のフォーカスブリージングの少なさにあります。ニコンのZレンズはどれもフォーカスブリージングが少ないですが、完璧を求める私にとっては最も重要視していた点だった為、ブリージングが完全と言っていいほど出ない24mmを選んだ経緯があります。

ZRのブリージング補正機能で気持ちが揺れる

ZRに搭載されたブリージング補正機能

2025年10月に発売されたニコン初のシネマカメラ、Nikon ZRには同社初の「ブリージング補正」機能が追加されました。この機能を使えばこれまで私が気にしていたフォーカスブリージングが、レンズの性能に関係なくほぼ無くすことが出来るようになった訳です(基本純正レンズに限る)。言わばブリージングの出ていたレンズの欠点がなくなったんです。

ただ、注意点としては、ブリージング補正をONにすると少しクロップされます。実際にZ 20mm f/1.8で試してみたところ、ほぼわからない程度の画角(赤枠)の変化にとどまっていました。更に電子手ブレ補正をONにすると画角が1.25倍(約25mm相当 黄枠)になります。
※ブリージング補正のクロップ率はレンズによって変化量も違います

【画角の違い】
赤枠:ブリージング補正ON
黄枠:電子手ブレ補正ON

明るい単焦点20mmを選ぶポイント

動画ユーザー目線、またYouTubeでの発信者目線からすると正直、24mmよりも20mm!VLOGや自撮りでのシーンでは、顔の大きさを小さく、背景の情報量を増やすことが出来るので、特にSONYユーザーで20mmを好んで使われている方が多い印象です。また極端に広角過ぎず、周辺の歪みや顔の形も大きく変化しない(超広角と比べて)ので、好まれる方が多いです。

あと、個人的にずっと思っていたのが、標準ズームレンズは24mmスタートが多く、単焦点レンズの24mmでは画角の変化を感じないのも悩みのポイントでした。出来るなら他の焦点距離を持って使い分けをしたい気持ちも正直ありました。

最短撮影距離20cm

広角20mmで20cmまで寄れるのは非常にメリットが大きい!レンズフードが付くくらいまで寄れて、当然明るい単焦点F1.8なのでよくボケます。

最短撮影距離での撮影位置

最短撮影距離まで寄った写真

フィルター径77mmの利点

フィルター径 77mm

注目してほしいポイントが77mmのフィルター径。大三元レンズのNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIやNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIが同じくフィルター径77mmなんです。地味なポイントですが、フィルター運用の多い動画ユーザーにとっては結構大きなポイントです。運用面を考えると、20mmならこれらのズームレンズと焦点距離も被らず揃えられるのもメリットかと思います。

春の訪れを撮影

樹齢約200年のしだれ桜

冬の寒さも次第に和らぎ、暖かくなってきましたね!春は一番撮影の意欲が湧く季節。春の訪れを感じながら、樹齢約200年と言われているしだれ桜(尋源桜)を見てきました。少し散り始めの頃に訪れたので、花びらが散った地面を取り入れつつ、奥に続く本堂への導線をローアングルで撮影してみました。

しだれ桜(尋源桜)
■撮影機材:Nikon Z5II + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/4000s ISO200

水の溜まった鉢があったのでリフレクション写真を撮ってみました。

リフレクション
■撮影機材:Nikon Z5II + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/2000s ISO160

続いて、光芒のチェックです!絞り羽根9枚(円形絞り)の光芒はとても綺麗です。フレア、ゴースト耐性も非常に良いかと思います。

光芒チェック
■撮影機材:Nikon Z5II + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
■撮影環境:F11 1/125s ISO100

また、ライトアップの様子を縦動画で撮影し、ショート動画を公開しているのでチェックしてみてください。

池越しにそびえる二上山

水面の反射(リフレクション)が非常に美しく、空と池の比率を意識して撮りました。超広角特有の周辺の歪みも気にならず、直線が綺麗に出ていて清々しい一枚となりました。

二上山
■撮影機材:Nikon Z5II + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
■撮影環境:F4 1/2000s ISO160

藤原宮跡

桜は少し早いように感じましたが、菜の花の黄色と桜のピンクがマッチしてとても綺麗です。手前の桜の木の影も綺麗な模様となって良い一枚かなと思います。

藤原宮跡の菜の花と桜
■撮影機材:Nikon Z5II + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
■撮影環境:F4 1/2000s ISO140

こちらも導線と奥の山、そして横に大きく伸びた桜の木が額縁となって綺麗な一枚かと思います。

見頃を迎えた藤原宮跡の桜
■撮影機材:Nikon Z5II + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
■撮影環境:F4 1/2000s ISO220

箸尾の桜並木

こちらの桜はまだ5分咲き程度でしたが、高田川に並ぶ桜の木が綺麗です。ここでは20mmという広角の分、余分な電線や桜の隙間が気になったので、DXクロップ(APS-Cクロップ)で30mm相当にして撮り直しました。

FX(20mm)
DXクロップ(30mm相当)
■撮影機材:Nikon Z5II + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
■撮影環境:F4 1/1250s ISO100

本当の目的は、電車とセットで桜を撮りたかったのですが、線路側の桜の木がまだ蕾でひとつ手前の木から近鉄電車を撮ってみました。

カラーはオリジナルのAI Cine Lookにて
■撮影機材:Nikon Z5II + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
■撮影環境:F4 1/1250s ISO100

花博記念公園 鶴見緑地

こちらは菜の花とネモフィラのコラボという事で、菜の花を手前に前ボケにして風車を撮りました。

風車の丘の菜の花
■撮影機材:Nikon Z5II + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
■撮影環境:F2.2 1/8000s ISO140

最短撮影距離付近で菜の花を撮るとこんな感じです。菜の花の立体感とボケのグラデーションがとても綺麗です。さすがS-Lineの単焦点です。

菜の花を最短撮影距離付近で
■撮影機材:Nikon Z5II + NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
■撮影環境:F1.8 1/8000s ISO110

まとめ

ここからはまとめに入りたいと思いますが、こちらの動画の中でも語っていますので、良かったらご覧ください。作例も交えてご紹介しています。

今回はZ 20mm f/1.8 Sを紹介しましたが、ちょっと私自身も20mmの見方が変わりました。私が24mmを購入した頃は、まだ20mmが発売されていなくて、仕方なく選んだのも事実です。当時20mmが発売されていたら、迷わず20mmを選んでいたと思いますし、現在のニコンのレンズラインアップからしても目に止まるレンズであることは間違いありません。

画角の問題は人それぞれ目的によって変わりますが、ブリージングも補正機能が加わり問題もなくなりましたし、写りの良さはもちろんフィルター径の大きさも77mmと、他社も含めて大型のレンズも82mmから77mmにシフトしてきている感じもあるので、20mmは大注目のレンズです。

動画用途では、自撮り(YouTubeコンテンツ)、VLOG、広めのポートレートムービーにもおすすめですし、縦動画の需要も高まっているので、ショート動画、Instagram、TikTokの動画制作にも使いやすいレンズだと思います。

 

 

■ビデオグラファー:岩本あきら
愛知県名古屋市出身。奈良県在住。2022年3月ビデオグラファーとして初のNikon公式 Nikon Creatorsに登場。大手企業プロモーションをはじめ、ライブ、学校行事の動画撮影などを行う。また、カメラ系インフルエンサーとして機材のレビュー、検証、ハウツー動画を発信。ジンバル撮影を得意とし、精度の高い都市景観撮影にも定評がある。

 

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