この夏絶対に収めたい、ペルセウス座流星群を撮る
はじめに
みなさんこんばんは。星景写真家の関岡です。
いよいよ8月に入りましたね!夏だ!海だ!そして…流星群の季節です!
今回は、皆さんが心待ちにしているであろう「ペルセウス座流星群」について詳しくお話しします。
ペルセウス座流星群は、夏の夜空で最も期待できるビッグイベント。ふたご座流星群・しぶんぎ座流星群と並ぶ「三大流星群」の一つで、毎年安定した出現数を誇るうえ、真夏の快適な気候のなかで観察・撮影できるのが最大の魅力です。
この記事では、2026年のペルセウス座流星群をしっかり写真に収めるために知っておきたい「見頃の時間帯・方角・機材選定・カメラ設定・撮影地の探し方」までを網羅して解説します!

■撮影機材:ニコン D810A + AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
■撮影環境:SS10秒 F2.8 ISO4000

■撮影機材:ニコン Z7 + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
■撮影環境:SS120秒 F4 ISO2500 赤道儀を使用
その中でも数が多く一番夏の天の川と合わせて撮影することができるのがこの、ペルセウス座流星群です!

■撮影環境:SS15秒 F2.8 ISO8000
今年のペルセウス座流星群、見ごろの時間は?
2026年のペルセウス座流星群は、8月13日11時ごろに極大を迎えると予想されています。ただしこの時刻は日中のため、実際に観察・撮影のチャンスとなるのは、その前後の夜です。
具体的には、
●8月12日(水)の夜〜13日(木)未明

●8月13日(木)の夜〜14日(金)未明

この2晩が狙い目で、特に日付が変わって(13日になって)から明け方にかけてが放射点が高く、最も流星数が多くなる時間帯です。
そして今年最大のポイントは、極大日である8月13日がちょうど新月にあたること。一晩中月明かりの影響を受けず、空の暗い場所であれば1時間に30〜40個程度の流星が期待できる好条件が揃っています。これほど条件の良い年は珍しく、次に8月12日前後が新月となるのは2045年ともいわれています。まさに「この夏、絶対に収めたい」タイミングです。
そもそもペルセウス座流星群とは?
流星群とは、彗星が軌道上に残していったチリの帯に地球が突入することで、大気圏に飛び込んだチリが発光して見える現象です。ペルセウス座流星群の母天体はスイフト・タットル彗星で、そのチリの帯を地球が毎年8月中旬に通過するため、ほぼ同じ時期に安定して活動が見られます。
流星が飛び出してくるように見える点を「放射点」と呼び、ペルセウス座流星群の放射点はその名の通りペルセウス座の中にあります。放射点は夜の早い時間帯から北東の空に昇っており、時間が経つほど高度を上げるため、深夜から明け方にかけてどんどん観察しやすくなっていくのも特徴です。
撮影の方角はどこを向けばいい?
初めて流星群を撮る人がよく誤解しがちなのが「放射点=ペルセウス座の方角にカメラを向ければいい」という考え方です。実際には流星は放射点を中心に空全体へ放射状に飛び出すため、放射点そのものを画角の中心に入れる必要はありません。
むしろおすすめしたいのは、
●光害の少ない、空が広く開けた方向

■撮影機材:ニコン D810A + AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
●前景に地上の要素(山のシルエット、木、建造物など)が入る構図

この2つを意識することです。放射点付近は流星の光跡が短く写りやすく、逆に放射点から離れるほど長く尾を引いた迫力ある流星が写る傾向があります。この特性を踏まえて、前景とのバランスで方角を決めるのが実践的なアプローチです。
必要な機材:フルサイズ+超広角レンズが基本
流星は「いつ・どこに現れるか」が読めない被写体です。だからこそ、できるだけ広い範囲をカバーできる機材選びが重要になります。
カメラ
フルサイズセンサー機を推奨します。高感度耐性が高く、暗い流星まで拾いやすいためです。
レンズ
超広角ズーム(開放F2.8前後)、もしくは超広角の単焦点(F1.8以下)が理想的です。焦点距離の目安は14〜24mm程度。広い画角を確保することで、より多くの流星を1枚の中に捉えられる確率が上がります。
その他
●頑丈な三脚(長時間の連続撮影に耐えるもの)
●インターバルタイマー(レリーズ)
●予備バッテリー(夏場でも長時間露光は消耗が早い)
●結露対策のレンズヒーター

カメラの設定:インターバル撮影で「数」を稼ぐ
流星撮影の基本は、1枚勝負ではなくインターバル撮影で撮り続けることです。何十分、何時間と粘ることで、偶然写り込む流星の枚数を増やしていきます。
目安となる設定は以下の通りです。
●モード:マニュアル露出
●絞り:開放(F2.8前後)
●シャッタースピード:10〜15秒程度(星が点像に近い状態を保てる範囲)
●ISO感度:3200〜6400を目安に、ヒストグラムを見ながら調整
●ホワイトバランス:色温度を固定(オートだとカット間で色味がぶれやすい)
●フォーカス:マニュアルフォーカスで無限遠に合わせ、明るい星でピント微調整
●撮影間隔:インターバルタイマーで連続撮影、バッファ処理の隙間ができないよう設定
新月期は空が暗いぶん、ISO感度を上げても比較的ノイズを抑えやすいのも今年の好条件を活かせるポイントです。撮って出しの1枚に流星が写らなくても焦らず、粘り強く撮影を続けることが何より重要です。
放射点から降り注ぐ「流星雨」に仕上げるなら

■撮影環境:SS20秒 F3.2 ISO3200 赤道儀を使用
よく目にする、放射点を中心に何本もの流星が四方八方へ飛び出しているような写真。あれは1枚のシャッターで撮れているわけではなく、撮影後の後処理で比較明合成を行うことで生まれる1枚です。インターバル撮影で撮りためた数百枚の中から流星が写り込んだカットだけを選び出し、明るい部分を重ね合わせるように合成することで、まるで流星雨が降り注いでいるかのような1枚に仕上げていきます。
このとき精度を上げたいなら、赤道儀を使った追尾撮影がおすすめです。地球の自転に合わせてカメラごと星を追尾することで、長時間のインターバル撮影でも星が流れず、天の川や星座の位置がフレーム内でほとんどずれません。赤道儀の極軸をきっちり合わせておけば、数十枚〜数百枚を撮影しても背景の星空はほぼ同じ位置に写り続けるため、比較明合成をした際に天の川の輪郭がぶれることなく、流星だけがきれいに重なった仕上がりになります。

赤道儀を使わず固定撮影のまま比較明合成を行うと、地球の自転によって星が少しずつ動いていくため、合成後の天の川が幅を持ってぼやけてしまったり、多重像のようになってしまったりすることがあります。放射点から降り注ぐような、密度の高い流星雨の絵を狙うのであれば、赤道儀による追尾はぜひ検討したい機材のひとつです。
撮影ポイントの見つけ方
方角や機材、設定が決まっても、最後に重要になるのが「いつ・どこで撮るか」です。光害が少なく、空が開けていて、放射点方向の視界も確保できる場所を選ぶ必要があります。
そこでおすすめしたいのが、僕が運営しているStarscape Guideです。
まず新月期カレンダーでは、月齢や薄明時間をもとに、その日その場所での星空観察・撮影に適した時間帯を一目で確認できます。今年のペルセウス座流星群は極大が新月と重なる特別な年ですが、実際に「何時から何時まで空が暗いか」を正確に把握しておくことで、限られた夜をより効率的に使うことができます。

そしてもう一つの柱が星景マップです。全国の撮影スポットが地図上にまとめられており、光害の少ないエリアや、実際に他の撮影者が訪れているポイントを探すことができます。初めての土地で「どこにカメラを向ければいいかわからない」というときも、マップを起点に候補地を絞り込み、そこから前景となる地形や建造物を現地でリサーチしていく、という流れが組み立てやすくなります。

新月・好条件・三大流星群という三拍子が揃う2026年のペルセウス座流星群は、まさに「今年撮らずしていつ撮るのか」というタイミングです。新月期カレンダーで狙う夜を決め、星景マップで撮影地の候補を洗い出す。この流れで準備を進めれば、当日は機材と構図に集中して、じっくりと夜空に向き合うことができるはずです。ぜひこの夏、満天の流星群を写真に収めてみてください。
■星景写真家:関岡大晃
学生時代のバックパッカー旅で訪れたニュージーランドで天の川を見上げた体験をきっかけに星景写真を始める。現在は大阪を拠点に全国で撮影を行い、SNSで作品を発信。共著『今夜星がみたくなる 夜空の手帳』(東京書籍)の出版をはじめ、記事執筆、セミナー登壇、αアカデミー講師として星景写真の魅力を広く伝えている。













