DJI Osmo Pocket 4Pで楽しむセブ島の旅
はじめに
DJIの新製品ラッシュが止まりません!話題の2眼ジンバルカメラ「DJI Osmo Pocket 4P」が、2026年6月に発売されました。今回は、本機を持ってフィリピンのセブ島に行ってきましたので、旅先での使い勝手をレビューいたします。
ぷっくりカメラが可愛らしい外観


ジンバル一体型スティック形状カメラの本家とも言えるOsmo Pocketシリーズは、本機を含めて、2023年10月に発売された「Osmo Pocket 3」、2026年4月に発売された「Osmo Pocket 4」の、3種類がラインナップされています。
「Osmo Pocket 3」から「Osmo Pocket 4」は、リニューアルに約2年半の歳月が開いていることもあり、細かい点を改良した正常進化版というイメージでした。本機はレンズがふたつあることから、進化や改良版というよりも、ラインナップ上に登場した、新たな別機種として捉えたほうが混乱が少ないかもです。
ボディサイズは159.5×63.3×33.5 mm(長さ×幅×厚み)と、レンズが増えた分、全長と横幅は大きくなりましたが、厚みは「Osmo Pocket 3」から変わっていません。重さは230gと、ちょっとだけ重くなりました。持った感覚だと、サイズや重量のアップはそれほど感じられませんが、2眼レンズ部分はぷっくりと横にはみ出る収納スタイルなので、見た目は可愛らしいのですが、ちょっと大きさを感じます。
今回はVlogコンボを使用しました。「Osmo Pocket 3」のような保護ケースや、「Osmo Pocket 4」のような保護クランプが付属していないので、どうやって持ち歩こうかちょっと悩みました。結果、付属のキャリーポーチに入れれば、ジンバル部分がくるくる回る可能性は低かったので、そのように持ち運びました。ただ、レンズがむき出しになってしまうので、できればレンズ部分を保護するような製品が同梱されていると嬉しいです。
ありがたい内蔵ストレージ!

記録メディアの値上がりが続くなか、内蔵ストレージが103GBあるのはかなり心強いです。とはいっても、途中で撮影できなくなるのは怖いので、メディアはいつも予備を入れておくようにしています。メディアカバーも「Osmo Pocket 4」から搭載されたので、大切なメディアを安全に使用できます。「Osmo Pocket 3」はカバー無しだったので、そうそうないことだとは思うのですが、何かに押されて飛び出してしまいそうで、ちょっと怖かったんですよね。
液晶画面は「Osmo Pocket 3」と同様サイズ、輝度は1000ニトです。太陽の強い南国でも液晶は見やすく、タッチでのメニュー設定もストレスなく行えました。
バッテリーは取り外しができない本体一体型なので、充電時間が気になるかもしれませんが、80%までの充電は18分、100%までの充電は32分で完了します。旅行中のちょっとした移動時間に、外付けバッテリーなどで充電できるので、肝心なときに充電切れ!という悲しい事態も起きませんでした。
最大12倍ズーム搭載
やっぱり気になるのは、本機のズーム機能でしょう。広角レンズは、35mm判換算で20mmの焦点距離で絞りはf/2.0、中望遠レンズは、35mm判換算で60mmの焦点距離で絞りはf/1.8です。広角レンズでは2.9倍までズームし、3倍以上のズーム範囲になると中望遠レンズに切り替わり、最大12倍までズームできます。
ズームボタンを一度押すと、広角レンズから中望遠レンズに切り替わって、3倍の光学ズームになります。もう一度押すと、広角レンズに戻ります。長押しすると、ゆっくりと12倍までズームされます。この操作は、ジョイスティックに操作を割り当てたり、画面のタッチで行うこともできます。
筆者は、ジョイスティックでのズームが気に入ったので、カスタムボタン一度押しで「ジョイスティックでチルトを操作」と「ジョイスティックでズームを操作」を入れ替えられる設定にして、使用していました。
ここで惜しかったのが、広角レンズと中望遠レンズの切り替え時に、カクンと映像が揺れる現象です。いかにも「今レンズが変わりました!」というような揺れで、2倍から3倍のズーミングを、そのまま動画で使用するのはちょっと厳しさを感じます。シチュエーションによっては色味の違いも感じられたので、ここは今後のファームアップに期待したいところです。
とはいえ、12倍までズームできることによって、今まで諦めていたシーンが撮影できるようになったメリットのほうが断然大きいです!物理的に近付けないシーンでも、バッグに本機を入れておけば記録することができる!二度と行けないかもしれない場所や、出会えないかもしれないシーンに遭遇することの多い旅行では、これはとても重要なことです。
中望遠レンズのスチール撮影が楽しい!


「Osmo Pocket 3」から「Osmo Pocket 4」への進化は、特に静止画の面が著しいと感じましたが、今回使用した「Osmo Pocket 4P」でも同様のことを思いました。静止画の画質の良さはもちろん、中望遠レンズのボケを活かした撮影ができる楽しみが加わったので、スチール機としての魅力がぐっと上がりました。
さらに、広角側のレンズは「Osmo Pocket 3」「Osmo Pocket 4」よりも、こっそりと撮影最短距離が短くなっています。従来のフォーカス範囲は20cmからだったのですが、本機は9cmからと、ぐっと寄れるようになっています。
今回の作例写真は、すべて新登場の中望遠のレンズで撮影しています。動画の切り出しではなく、写真モードで撮影しました。

また、DJIのアプリ「DJI Mimo」は、カメラと接続してスマホで動画を編集できるソフトですが、静止画もフィルターを使用したカラー調整や美顔補正、ウォーターマークフレームの追加などができます。SNSにアップするとおもしろいフレームが沢山ありますし、出先でPCがなくてもスマホで色補正からアップまで行えるので、移動が多くてPCを開く時間が短い旅行中に使用すると、とても便利でした。
静止画は1:1アスペクト比での撮影がお勧め!


静止画の最大サイズは、アスペクト比16:9のときは7680×4320ピクセル、1:1のときは6144×6144ピクセルです。とすると、横位置の写真なら16:9のほうが高い画素数で撮れますが、そこから縦位置に切り出すとすると、長辺が4320ピクセルになってしまいます。
縦位置の写真を高い画素数で撮ろうとする場合、ジンバルをFPV垂直モードにして、構えた方向にレンズが向くようにして、カメラごと横に倒す方法もあります。が、かなり撮りにくいです。あと、動画を撮りながらさっと切り替えて静止画を撮る場合、ジンバルモードの切替がめんどくさいということもあります。
そこでお勧めは、アスペクト比1:1の設定で撮影して後から縦画像、横画像を決める「なんちゃってオープンゲート方式」です。
実際には本機ではオープンゲート記録はできないのですが、YouTube用に横動画、Instagramのリール用に縦動画を撮影して、サムネイルや差し込み画像用の静止画も撮影したいと思ったときは、この「なんちゃってオープンゲート方式」ですと、長辺6144ピクセルの画質が保持できます。もちろん、スクエアの写真として完成させるのもアリでしょう!
17ストップのダイナミックレンジ保持のD-Log2と多彩なフィルムトーン
広角レンズではD-Log2使用時に、17ストップのダイナミックレンジを所持しています。白飛び、黒つぶれしやすいシーンは、D-Log2で撮影して編集することで、階調豊かな映像を仕上げることができます。
作例の動画はD-Log2、D-Logで撮影したものに、DJIから配布されているRec.709 vividのLUTを充てて、少し色調整しました。D-LogよりもD-Log2のほうが、特にハイライト部に粘りが感じられて情報が残っていました。今回は撮影した夕方の時間に合わせて色調整しましたが、もっと追い込んで、思いきったカラーグレーディングをすることもできそうです。
ただ、D-Log2は広角レンズのみの対応のため、ズームの使用ができなくなります。従来のD-Log方式もかなり編集しやすいので、12倍ズームを使いたい場合はD-Logを使用するといいでしょう。このLog撮影時は、液晶の画像の色味が浅くてピントや構図が見にくくなりますので、色の復元をオンにしておくと、見えている画像に色味がついて撮影がしやすくなります。
また、ノーマルカラーに設定すると、クールな色味の「CCフィルム」、柔らかな色調のクラッシックネガ風「NCフィルム」、人肌も綺麗に自然に見せてくれる「パステル」、鮮やかな暖色系の「ウォームトーン」、シネマティックな「ムービー」、退色した色合いを模した「レトロ」の、6種類のフィルムトーンでの撮影ができます。充当の割合は30%、50%、70%、100%と選択できるので、その場のムードにあったカラーで遊んでみても楽しいでしょう。
音声はカメラ内蔵のマイクを使用しています。前半はカオハガン島の散歩動画。島の男性が飼っている鶏が、あちこちでとても元気に鳴いていました。後半は、カルカルという街のマーケットで撮影しました。
さいごに
■4K30fps/レート×30
今回は本機の最大の特徴のズーム機能と、筆者が特に気に入ったスチール性能、色味についてに取り上げてみましたが、それ以外の通常機能はもちろん使い勝手が良く、旅のVlogを撮るのはやっぱりPocketシリーズだなと、あらためて実感しました。
それにプラスして、中望遠レンズでのスチール撮影という楽しみが加わったのは、購入のきっかけとして大きいと感じました。ムービーだけではなく、スチールもよく撮る方は、Osmo Pocketシリーズでは本機を強くお勧めしたいです。
■写真家:水咲奈々
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味が湧き、作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し編集と写真を学ぶ。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。日本写真家協会(JPS)会員。












