コストパフォーマンスの高いAPS-C大口径F2.8標準ズームレンズ、タムロン「16-50mm F2.8 A」
はじめに
今回紹介するレンズは2026年10月に新発売になったソニーEマウントのタムロン「16-50mm F2.8 A」です。APS-C用レンズで35mm判換算24mm~75mmの明るい標準域のズームレンズです。
とてもコンパクトな筺体にもかかわらず開放F値F2.8を実現しおり、常用レンズとして魅力的なレンズになります。
タムロンのAPS-C用では「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD」という開放F値が同じで焦点距離も被るレンズがありますが、手ブレ補正の有無の違いなどもあって少し性格の違いがあります。タムロン「16-50mm F2.8 A」はより小型軽量で、常用で持ち運び使うというコンセプトが感じられるモデルだと思います。
実際に小型で軽量なタムロン「16-50mm F2.8 A」は、APS-C機のソニーα6700にジャストフィットするサイズ感で非常に使い勝手が良く、小さなバッグに入れ手軽に撮影を楽しむ事ができました。タムロン「16-50mm F2.8 A」の気になるスペックと感じたその写りをご紹介します。
タムロン「16-50mm F2.8 A」の基本スペックと魅力

タムロン「16-50mm F2.8 A」の魅力のポイントは、やはり軽量コンパクトな筺体でありながら開放F値F2.8を実現している点です。
今回使用したソニーα6700の重量がバッテリーとメモリーカード込で約493g。そしてタムロン「16-50mm F2.8 A」の重量が305gなので、足しても798gと800gを切る重さとなります。フルサイズ対応で同等の焦点距離・開放F値のレンズ単体の重量に近いので、日常的に持ち運びやすい組み合わせは、軽さを求めるユーザーにとっては魅力的に感じます。


望遠側にズームをすると少しレンズが繰り出します。
タムロン「16-50mm F2.8 A」に近いスペックの純正レンズは、ソニー「E 16-55mm F2.8 G」になると思います。ソニー「E 16-55mm F2.8 G」は発売から7年ほど経過したモデルになりますが、Gレンズのスペックで魅力的なレンズです。スペックの一覧で比較してみると、タムロン「16-50mm F2.8 A」の小型軽量がよく分かると思います。また最短撮影距離もより寄れるレンズというのがわかり、使い勝手といった点ではタムロン「16-50mm F2.8 A」の方に軍配があがると思います。
▼タムロン 16-50mm F2.8 A(Model B091)とソニー純正レンズE 16-55mm F2.8 G とのスペック比較
| タムロン 16-50mm F2.8 A(Model B091) | ソニー E 16-55mm F2.8 G | |
| 焦点距離 | 16-50mm | 16-55mm |
| レンズ構成 | 10群14枚 | 12群17枚 |
| 開放絞り | 2.8 | 2.8 |
| 最小絞り | 16 | 22 |
| フィルター径 | 55mm | 67mm |
| 絞り羽根枚数 | 7枚 | 9枚 |
| 最短撮影距離 | 約0.15m (WIDE) / 約0.29m (TELE) | 約0.33m |
| 最大撮影倍率 | 約0.22倍 (WIDE) / 約0.21倍 (TELE) | 約0.2倍 |
| 手ブレ補正 | 無 | 無 |
| 全長×最大径 | 79.6×64.4mm(ソニーEマウント用) | 100×73mm |
| 重量 | 約305g(ソニーEマウント用) | 約494g |
| 発売 | 2026年10月 | 2019年10月 |
小型軽量という点では、タムロンのレンズのフィルター系は67mm径が多くラインナップされていて、フィルターをよく利用するユーザーには非常に使い勝手の良いイメージがありますが、今回のレンズ「16-50mm F2.8 A」(Model B091)は、フィルター系は55mmとひと回り小さくなっています。コンパクトさを追求し、小さくする事のメリットの方を重視した結果なのかと思います。


■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF2.8 ISO1600
焦点距離50mm(35mm判換算 75mm) ※焦点距離50mm側で最短撮影距離付近にて撮影

■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF2.8 ISO800
焦点距離16mm(35mm判換算 24mm)
上の写真は、焦点距離16mm側で最短撮影距離付近にて撮影。最近接距離が0.15mになるので、レンズフードの影などの影響が出やすくなる距離になりますが、かなり寄る事ができるので、旅行先などの食事などテーブルフォト系にも扱いやすいレンズと言えます。

タムロンのレンズをより快適に使いこなすためのポイントとして、「TAMRON Lens Utility」というソフトがあります。
パソコンまたはスマートフォンを使用して、コネクターポート(端子形状: USB Type-C)を搭載したタムロンレンズのカスタマイズやファームウェアのアップデートを行える専用ソフトウェアです。レンズを使いやすいように設定することで、撮影がもっと楽しく、もっとクリエイティブになります。
「TAMRON Lens Utility」で設定できる機能は対象のレンズによって異なります。16-50mm F2.8 A(Model B091)では、フォーカスリング設定のみユーザーに変更が可能です。

タムロン「16-50mm F2.8 A」には、紛失を防ぐ新設計のフロントキャップ 「ストラップホール付フロントキャップ」が採用されています。

ストラップホール付フロントキャップは、市販のストラップ等でカメラ本体やベルトに固定することで、移動中や撮影時の不意な落下・紛失のリスクを低減します。
タムロン「16-50mm F2.8 A」でストリートスナップ撮影

■撮影環境:シャッター速度1/320 絞りF2.8 ISO800
焦点距離16mm(35mm判換算 24mm)
実際にタムロン「16-50mm F2.8 A」をα6700に装着して街中スナップ撮影を楽しんでみました。軽くて小型な組み合わせになるので、カメラバッグではなく普段よく使うトートバッグにカメラセットを忍ばせて、気楽なお出かけスタイルでの撮影をしてみました。
筆者は現在、右腕の肘を痛めているので正直カメラを持つのが辛い状態だったのですが、普段よく使うフルサイズ機とフルサイズの同等の焦点距離レンズとの組み合わせを比べると、SONY 「α6700」とタムロン「16-50mm F2.8 A」の組み合わせは半分程度の重量になるので、腕の痛みをあまり感じることなく撮影ができました。やはり軽いというのはとても大きな魅力ポイントであると改めて実感させられました。

■撮影環境:シャッター速度1/800 絞りF2.8 ISO400
焦点距離50mm(35mm判換算 75mm)

■撮影環境:シャッター速度1/1000 絞りF2.8 ISO800
焦点距離28mm(35mm判換算 42mm)
タムロン「16-50mm F2.8 A」はワイド側の焦点距離が16mmで、35mm判換算焦点距離24mmなので、屋内での撮影も使いやすいです。同じタムロンでも17mmスタートのレンズもありますが、ワイド側の焦点距離1mmの差は使い勝手に大きく影響してきます。

■撮影環境:シャッター速度1/250 絞りF6.3 ISO800
焦点距離16mm(35mm判換算 24mm)

■撮影環境:シャッター速度1/50 絞りF2.8 ISO800
焦点距離50mm(35mm判換算 75mm)

■撮影環境:シャッター速度1/1600 絞りF2.8 ISO800
焦点距離50mm(35mm判換算 75mm)

■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF11 ISO200
焦点距離16mm(35mm判換算 24mm)

■撮影環境:シャッター速度1/320 絞りF14 ISO200
焦点距離32mm(35mm判換算 48mm)

■撮影環境:シャッター速度1/125 絞りF2.8 ISO400
焦点距離50mm(35mm判換算 75mm)
撮影をした画像データを自宅に戻って改めてチェックしてみると、どの領域においても解像力が非常に高いレベルにあるレンズであること、絞りを開放で撮影した際にもシャープな描写をする事を実感させられました。
タムロン「16-50mm F2.8 A」でネイチャースナップと旅撮影

■撮影環境:シャッター速度1/2000 絞りF2.8 ISO100
焦点距離50mm(35mm判換算 75mm)
次に「タムロン 16-50mm F2.8 A」を持って花や風景などを撮影してみました。広角側でも望遠側でも寄れるレンズなので、お花の写真もかなりアップで撮影することができます。また開放F値F2.8との組み合わせにより、背景を大きくぼかした撮影もできるレンズです。
絞り羽根枚数は7枚と少ない部類ですが、玉ボケは年輪ボケなど無く、全体的にニュートラルで良好なボケの表現をしてくれます。

■撮影環境:シャッター速度1/2500 絞りF2.8 ISO100
焦点距離50mm(35mm判換算 75mm)

■撮影環境:シャッター速度1/2000 絞りF2.8 ISO100
焦点距離50mm(35mm判換算 75mm)

■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF2.8 ISO800
焦点距離16mm(35mm判換算 24mm)

■撮影環境:シャッター速度1/4000 絞りF2.8 ISO200
焦点距離50mm(35mm判換算 75mm)
ちょうどお仕事で遠征する機会があったので、長野県茅野市の紅葉の「御射鹿池」、新潟県十日町の「清津峡渓谷トンネル」に寄って撮影をしてみました。どちらも人気の撮影スポットなのでカメラを持ったたくさんの方々が撮影をしていました。「タムロン 16-50mm F2.8 A」は、気負うことなく手軽に撮影を楽しめる小型軽量レンズなので、旅行などにはぴったりです。

■撮影環境:シャッター速度1/125 絞りF13 ISO200
焦点距離37mm(35mm判換算 55mm)

■撮影環境:シャッター速度1/160 絞りF16 ISO200
焦点距離16mm(35mm判換算 24mm)

■撮影環境:シャッター速度1/6 絞りF2.8 ISO800
焦点距離16mm(35mm判換算 24mm)

■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF2.8 ISO800
焦点距離24mm(35mm判換算 36mm)
風景写真においても、しっかりとした解像感とシャープな描写です。逆光耐性も十分な実力を兼ね備えたモデルです。
軽くて小型なレンズとAPS-C機の組み合わせは、荷物をコンパクトにでき旅行先でも手軽に楽しめます。そしてなにより、大口径開放F値F2.8の明るさが様々なシーンで強い味方になります。
タムロン「16-50mm F2.8 A」で室内ペット撮影

■撮影環境:シャッター速度1/50 絞りF2.8 ISO800
焦点距離46mm(35mm判換算 69mm)
次に「タムロン「16-50mm F2.8 A」で室内ペット撮影をしてみました。小型軽量なレンズなので、左手で猫をじゃらしながら右手でカメラを持った片手だけでの撮影も容易で、ペットの表情やアクションを引き出しながら撮影もできます。
また、近接撮影も余裕を持って撮影できるので、被写体にグイグイと寄って撮影する事ができます。
望遠側で表情をアップで撮るのも、広角側で全体を撮るのも自由度が高く、開放F値2.8の明るさもあって室内撮影でも扱いやすいレンズと言えます。

■撮影環境:シャッター速度1/40 絞りF2.8 ISO800
焦点距離38mm(35mm判換算 57mm)

■撮影環境:シャッター速度1/100 絞りF2.8 ISO1600
焦点距離19mm(35mm判換算 28mm)

■撮影環境:シャッター速度1/320 絞りF2.8 ISO800
焦点距離36mm(35mm判換算 54mm)
下の写真は「SONY α6700」を使用して猫を撮影したものですが、「SONY α6700」のAIオートフォーカスの被写体認識[動物]を使用して撮影しています。「タムロン 16-50mm F2.8 A」は、こういった最新のオートフォーカスにも対応しており、被写体をしっかりと捉えてくれています。
オートフォーカスのフォーカス速度も優秀で、現在使用している段階では不満を感じることは無く満足度は高いです。


■撮影環境:シャッター速度1/400 絞りF11 ISO1600
焦点距離50mm(35mm判換算 75mm)
まとめ
「タムロン 16-50mm F2.8 A」は、APS-C機の小型軽量のボディとも相まって、日常的な使いやすさ、持ち運びやすさ、そして写りの良さと非常に満足度の高いレンズであると感じました。最短撮影距離も短く、ペット、旅行・スナップからネイチャースナップまで幅広く活躍し、常用レンズとしてカメラボディに装着しておくレンズとして使い勝手が良いと思います。また実売で9万円を切ってくる価格も魅力のポイントで、非常にコストパフォーマンスの高いレンズではないでしょうか。
■写真家:坂井田富三
写真小売業界で27年勤務したのち独立しフリーランスカメラマンとして活動中。撮影ジャンルは、スポーツ・モータースポーツ・ネイチャー・ペット・動物・風景写真を中心に撮影。第48回キヤノンフォトコンテスト スポーツ/モータースポーツ部門で大賞を受賞。
・公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
・EIZO認定ColorEdgeアンバサダー
・ソニーαアカデミー講師














