ライカ Q3 モノクローム|コントラストが際立つモノクロ写真の撮り方 vol.2

あらぽん
ライカ Q3 モノクローム|コントラストが際立つモノクロ写真の撮り方 vol.2

はじめに

Leica Q3 Monochromの機材レビューに引き続き、今回はLeica Q3 Monochromで実際に撮影した写真をもとに、コントラストが際立つモノクロ写真の撮り方についてお話ししていきます!

光と影を意識した撮影や、モノクロならではの表現など、作例を交えながら紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

モノクロで撮影しやすい場所を探す

私の場合、ただモノクロで街をスナップするというよりは、コントラストを意識してどこに光が来て、どこに影があるかをしっかり把握し、構図を決めてから撮影することが多いです。

それを踏まえてお話しすると、モノクロで撮影しやすい場所は、実際に自分の目で見た時点で“明るい場所と暗い場所がはっきり分かれている所”です。

例えば「窓景」。
朝から昼の時間帯であれば、室内よりも外の方が圧倒的に明るいため、カメラ側で外の明るさに合わせて撮影すると、自然と室内は暗く落ちてくれます。

そういった場所で、外の景色を見ている人や歩いている人を撮影すると、普通の写真とは少し違った、アート感のあるモノクロ写真に仕上がります。

特に、展望台や窓がシンメトリーになっている場所で撮影すると、より印象的で作品感のある写真になります。

■撮影機材:Leica Q3 monochrom
■撮影環境:1/320秒 f/16 -2.3EV ISO200

また、屋外の開けた場所では全体的に光が回りやすいため、この写真のように黒っぽいオブジェや黒い服を着た人物を配置し、シルエット写真のようなイメージで撮影してみました。

ただ、透き通るような青空の日だと、モノクロでは空が真っ白にならず、少しグレーっぽく写ることがあります。
そのため、少し霧がかっている日や曇天の日を選ぶと、空が白っぽくなり、被写体がより際立つ印象になります。

■撮影機材:Leica Q3 monochrom
■撮影環境:1/250秒 f/16 +0.6EV ISO400

夜間の撮影が楽しくなる

モノクロ撮影で夜?と思うかもしれませんが、実は夜こそ最高なんです。特に深夜帯。

夜中になると街の明かりがほとんど消え、街灯だけがぽつんと明るく照らしている場所って結構ありますよね。
そういう場所を見つけて、カメラを通してモノクロで撮影してみると、その街灯がまるでスポットライトのように見えてきます。

場所にもよりますが、光源がその街灯ひとつだけで成り立っていることも多いので、光と影がかなりシンプルになります。
そのおかげで構図も作りやすく、自然と雰囲気のある、おしゃれな写真に仕上がります。

さらに、その街灯=スポットライトの下に人物を入れると、一気に作品感が出ます。
ただのスナップではなく、“一枚の作品”として成立してくる感覚があります。

■撮影機材:Leica Q3 monochrom
■撮影環境:1/250秒 f/4 -3EV ISO8000
■撮影機材:Leica Q3 monochrom
■撮影環境:1/125秒 f/5.6 -3EV ISO2500

この写真は、ハットを被った被写体の後ろにライトを設置して撮影した1枚です。

■撮影機材:Leica Q3 monochrom
■撮影環境:1/30秒 f/1.7 -2.3EV ISO800

かなり光量の強いライトを使っているので、ハットのシルエットから肩にかけてのラインだけがはっきり見えるようになっています。
周囲はほとんど真っ黒ですが、ラインだけでも「ハットを被った人物」だと分かりますよね。

こういう、“情報を削っても成立する表現”ができるのも、モノクロ写真ならではの醍醐味だと思います。

モノクロアートは、本当に撮り始めるときりがないです。

測光方式を使い分けると世界が変わる

カラーで撮影していた頃は、正直「測光方式」はほとんど気にしたことがありませんでした。
ですが、モノクロ専用機を使い始めて測光方式を意識するようになってから、測光方式ひとつで、写真の雰囲気がここまで変わるとは思っていませんでした。

その中でも、僕が一番使っている測光方式が『ハイライト重点』です。

ハイライト重点は、その名の通り“明るい部分”に露出を合わせ、白飛びをできるだけ防ぐための測光方式です。

モノクロ写真では特に、白飛びしてしまうと後からレタッチで戻すことがかなり難しくなります。
一度完全に白く飛んでしまった部分は情報がなくなってしまうので、補正しても白いままになってしまいます。

もちろん黒潰れも理想ではありませんが、Leica Q3 Monochromはシャドウ耐性がかなり優秀です。

ちょっと黒潰れしすぎたかな?という写真でも、レタッチ時にシャドウを持ち上げると、しっかりディテールが浮かび上がってくれることが多いです。

そのため、僕は基本的にハイライト重点を使用し、シャドウ側はそこまで気にしすぎず撮影しています。

特にコントラストを活かしたモノクロ撮影では、この設定がかなりハマると感じています。

■撮影機材:Leica Q3 monochrom
■撮影環境:1/500秒 f/11 -2.3EV ISO200

白と黒だけではない

■撮影機材:Leica Q3 monochrom
■撮影環境:1/250秒 f/16 -1EV ISO400

コントラストを際立たせて、白と黒をパキッと出す表現は本当にかっこいいです。
ですが、白と黒だけではなく、その中間にある“グレー”も意識して撮影やレタッチをしてみると、一段レベルの上がった作品に仕上がります。

■撮影機材:Leica Q3 monochrom
■撮影環境:1/250秒 f/8 -1.6EV ISO640

例えばこの写真は、黒 → 白 → グレーのバランスで構成されています。

もしここで無理にコントラストを上げてしまうと、右の写真のように全体が黒く潰れ気味になってしまい、水が溜まっている池なのかも分かりづらくなってしまいます。
さらに、子供の足や手も地面や体と同化してしまい、何を写している写真なのかが少し伝わりづらくなってしまいます。

もちろん、白と黒だけで構成されたコントラストの強い写真はとても魅力的です。
ただ、撮影する場所や被写体によっては、無理にコントラストを上げすぎることで、逆に情報量が減ってしまい、少しもったいない写真になってしまうこともあります。

だからこそ、モノクロでは「白と黒」だけではなく、“グレーをどう残すか”もかなり大事だと思っています。

なんの変哲もない場所をアートに

■撮影機材:Leica Q3 monochrom
■撮影環境:1/320秒 f/11 -2EV ISO200

皆さんは展望台に行ったら、まず何を撮りますか?
やっぱり普通は、窓から見える景色を撮ると思います。

でもこの時の私は、外の景色にはほとんど目もくれず、人のシルエットばかりを見て夢中で撮影していました。

この写真も、実際に見るとただの何気ない展望ロビーです。
ですが、モノクロにして明るい部分に露出を合わせて撮影すると、白と黒がはっきり分かれ、内装の形やラインが強調されるようになりました。

人のシルエットも加わることで、ただの展望ロビーだった空間が、少し不思議でアートっぽい雰囲気に変わった気がします。

この場所には1~2回ほど来たことがありましたが、今までは景色ばかり撮っていました。
ですが、あえて引きで空間全体を見ることで、別の切り取り方が見えてきました。
こういう視点で展望台を巡りながら撮影するのも、すごく面白そうだなと思いました。

おわりに

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
少しでもモノクロ写真に興味を持っていただけたでしょうか?

普段からカラーで撮り慣れている人ほど、最初はモノクロ撮影をかなり難しく感じるかもしれません。
実際、色が使えない分「光」や「影」、「形」や「コントラスト」を今まで以上に意識する必要があります。

ですが、最初にお話ししたような“モノクロで撮影しやすい場所”に実際に行って撮ってみると、場所と光の使い方次第で、写真の印象はかなり変わってきます。

モノクロ写真は、普段見慣れている景色をまったく違うものに変えてくれます。
何気ない場所でも、光の入り方ひとつで作品のように見える瞬間があります。

アートは、意外と身近な場所に隠れているのかもしれません。

 

 

■写真家:あらぽん
1997年埼玉県生まれ。雨ストリート撮影や自然風景、モノクローム撮影を中心に幅広く撮影している。

 

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