キヤノン RF24mm F1.8 MACRO IS STM レビュー|ワイドマクロが楽しめる小型軽量な単焦点

GOTO AKI
キヤノン RF24mm F1.8 MACRO IS STM レビュー|ワイドマクロが楽しめる小型軽量な単焦点

はじめに

こんにちは、写真家のGOTO AKIです。2022年の8月にキヤノンRFレンズに「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」と「RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM」の2本が新たに加わりました。今月は非Lレンズでありながら実用十分な解像感を誇る「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」を先にご紹介していきたいと思います。

 

デザイン

「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」は全長63.1mm、質量270gの単焦点。手にすっぽり収まるぐらいの小型軽量レンズです。自然風景やロケ系の写真家にはありがたい、携帯性の高さが魅力です。日常の散歩や日帰り旅行にも気軽に持ち出せるサイズと言っていいでしょう。

コントロールリングは以前にご紹介させていただいた「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」と同じくクリックタイプで、コントロールリングとピントリングがそれぞれ独立しています。撮影中の操作がしやすい設計ですね。レンズ横は「AF/MF切り替えスイッチ」と「イメージスタビライザーのON/OFFスイッチ」が配置されたシンプルな構成となっています。

 

使えるF1.8、開放でもピントに芯がある

■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F1.8 1/500秒 ISO200

RFレンズを気に入っているポイントの一つが開放値から描写が繊細な点です。Lレンズだけでなく、非Lレンズでも被写体の微細な線や造形を捉えてくれるので、積極的に開放値を使うようになりました。

写真歴の長い方ほど、開放は甘くなるから2~3段絞って撮るという経験値に基づいたルールが染み付いていると思いますが、「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」は開放F1.8から切れ味鋭く、ピントに芯がある描写力をみせてくれます。

「画面中央の描写はいいけど周辺の描写はどうだろう?」という疑問も湧いてきますが、自然風景の撮影では被写体自体が複雑な曲線で構成されているため、収差などはほとんど気にならないレベルです。開放値から積極的に使って、新たな表現を楽しめるレンズですね。

 

24mmのハーフマクロ

「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」の被写体までの最短撮影距離は0.14m。レンズ前からですと5cmちょっとのところに被写体があってもピントが合う計算です。24mmでグッと被写体に近づいても、広角レンズらしく背景も写ってきます。狙った被写体は大きく、そしてその被写体がある空間まで表現が可能です。

最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロで最短撮影距離まで近づくと、思いのほか被写体に寄れることにびっくりするでしょう。広角レンズとしての描写だけでなく、ハーフマクロの撮影ができるので、単焦点のイメージよりも汎用性が広いのが特徴です。

■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F1.8 1/50秒 ISO400

こちらは最短撮影距離0.14mまで被写体であるジャゴケに近づいて撮影。背後はワイドレンズとF1.8の絞り値でぼかしています。

■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F1.8 1/3200秒 ISO400

こちらの作例は最短撮影距離ではありませんが、F1.8で撮影した際の背景のボケ具合を見ていただきたくて掲載しました。広角レンズとしては必要十分なボケ味と思います。もっと背景をぼかしたい方は被写体に近づくといいでしょう。体を動かして撮るのもこのレンズの味わいですね。

■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F2.8 1/1000秒 ISO200

こちらは画面奥のシダ植物にピントを合わせて、前ボケで描写した作例です。広角レンズというと広い被写体を撮ることをイメージされると思いますが、身の回りの被写体も撮影対象になる守備範囲の広いレンズです。

 

ヌケのいい解像感

■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F5.6 1/1600秒 ISO200

湖の水面にボートによる水紋が広がっていました。先ほど、開放F1.8でもピントに芯があるというお話をしましたが、絞り値を F5.6~F8のあたりで撮影すると、画面全体的にカリっとヌケがよく、解像感のピークはそのあたりかなと感じました。

写真は十和田湖の展望からの広がりのある光景です。水面の様々なブルーを詳細に描き、映り込みも繊細で美しい描写です。この日は快晴で眩しかったので、使用カメラEOS R5のファインダー内で撮影画像をチェックしました。ハイライト部が白飛びしているかは、ヒストグラムを同時に表示して確認しています。

■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F5.6 1/60秒 ISO400

森の木々をF5.6で撮影してみました。異なる形状と色彩が広がる木々の表情をストレートに捉えています。レンズが小さくて軽いので取り回しがよく、いろんな方向にカメラを向けて気楽に撮影できるのがいいですね。

■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F4 1/640秒 ISO400

沼の木と水面の紋様を広角を活かして低いポジションから撮影し、遠近感を強調した一枚。

 

強力な手ブレ補正

■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F8 1/10秒 ISO100

木々が生い茂る森の中で撮影しました。シャッター速度が1/4秒で手持ち撮影です。カメラボディがEOS Rの場合、レンズ内手ブレ補正機構で約5段分、EOS R5やEOS R3などのカメラ内手ブレ補正機構搭載カメラとの組み合わせでは、協調制御で約6.5段分の手ブレ補正効果があり、ブレを抑制します。

私の場合、撮影現場では体を安定させて軽く息を吐きながらそっとシャッターを切ることを心がけていますが、皆さんはいかがでしょう?雑に撮るとさすがにブレますが、丁寧に撮れば遅いシャッタースピードでもブレずに撮ることが可能です。

■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F8 1/4秒 ISO100

自然風景の撮影で三脚を使って水流を撮る方は多くいらっしゃると思いますが、こちらは手持ち撮影での撮影で、シャッター速度は1/4秒です。水流が速い場合は、露光時間は1/15秒や1/8秒でも水が流れて描写されます。

水を流すには三脚を使わなくてはならないと思っている方は、「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」で手持ち撮影にも挑戦してみてください。ポイントとしては、カメラ位置を下げることです。水面近くで撮れば「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」の広角を活かしたダイナミックな描写ができるでしょう。

 

星景撮影にも便利

■撮影機材:Canon EOS R5 + RF24mm F1.8 MACRO IS STM
■撮影環境:F1.8 13秒 ISO3200

開放F1.8のレンズは星空の撮影にも有効です。作例は新月の前日、暗い夜空へレンズを向けて撮影した一枚です。雰囲気を出すために、現像の際に色温度を4000ケルビンで現像しています。開放値がF4かそれより暗い標準ズームレンズは、明るさでは単焦点には敵いませんので、小型軽量の明るい広角レンズが一本あると撮影の幅が広がります。

 

STM(ステッピングモーター)で快適な動画撮影

「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」は動画撮影でもAFが素早く反応し、ストレスのない撮影が可能です。サンプルの動画は手持ちで撮影したクリップです。小型軽量レンズは動画でも取り回しが良くて撮影が楽です。

 

まとめ

今月は、大口径広角単焦点レンズ「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」のインプレッションをお届けしました。

以前にご紹介させていただいた「RF16mm F2.8 STM」、「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」、「RF50mm F1.8 STM」や、今後記事に書く予定の「RF85mm F2 MACRO IS STM」まで高解像度、小型軽量がウリのSTMシリーズに「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」が加わり、単焦点ファンにはますます魅力のラインナップとなりました。

24mmという焦点距離は「RF24-105mm F4 L IS USM」、「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」などと焦点距離が被っているのですが、小型軽量である点とワイドマクロの楽しさといった特徴があり、画角だけでは判断できないレンズの魅力が溢れています。旅行や登山など、撮影シーンに合わせて「今回はどのレンズにしようかな」と選ぶのも楽しい時間。複数のレンズを使い分けて撮影をお楽しみいただけたら嬉しいです。

 

■写真家:GOTO AKI
1972年、川崎生まれ。1993~94年の世界一周の旅から今日まで56カ国を巡る。現在は日本の風景をモチーフに創作活動を続けている。2020年日本写真協会賞新人賞受賞。武蔵野美術大学造形構想学部映像学科・日本大学芸術学部写真学科 非常勤講師、キヤノンEOS学園東京校講師。

 

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