ミノルタ、キヤノン、ニコン…映画に出てくる、あのカメラが欲しい!

ShaSha編集部
ミノルタ、キヤノン、ニコン…映画に出てくる、あのカメラが欲しい!

はじめに

映画を見ていると、「主人公やカメラマン役が手にしているあのカメラはいったいどんな機種なんだろう…」と思ったことがみなさんにもあるのではないでしょうか。
今回の記事では、カメラが存在感を示す映画の紹介だけでなく、登場するモデルについて詳しくご紹介させていただきます。

ユージン・スミスのごひいきカメラ|ミノルタ SR-T101(MINAMATA)

『MINAMATA』は、世界を股にかけて大活躍していたアメリカの写真家ユージン・スミスの活動をジョニー・デップ主演で作られた映画です。ユージンは、もともと戦争を撮る報道写真家として有名でした。そのユージンが1970年代に来日して、水俣病について取材をしていたころの様子が映画になっています。

映画の中では、ミノルタ SR-T101が使用されていますが、このカメラはユージンが実際に愛用していました。 諸説はありますが、日本での移動中にユージンはカメラの盗難に遭い、その際にミノルタが無償でカメラを提供したことをきっかけにこのカメラを使用していたようです。

重厚感のあるデザインになっていますが、意外と手に収まるサイズ感です。「逃したくない!」と思った瞬間も素早く切り取れるその機動性が、数々の報道現場に立ってきたユージンに愛されたのかもしれません。SRマウントのカメラで1966年に発売。

伝説の登山家に思いを馳せて|キヤノン New F-1(エヴェレスト 神々の山嶺)

この映画は、実在した有名登山家ジョージ・マロリーがエヴェレストの登頂記録を残したとされるカメラと、岡田准一さんが演じる山岳カメラマン、深町誠が出会ったところから始まります。

そのカメラを主人公は古道具屋で購入するのですが、盗まれてしまいます。そのカメラの行方を追ううちに、阿部寛さんが演じる孤高の登山家、羽生丈二と出会い、彼のエヴェレスト登頂にカメラマンとして同行することになります。

そのエヴェレスト登頂に持って行ったカメラこそがこのキヤノン New F-1です。このカメラは機械式カメラで、さまざまな環境に対応できる優秀なスペックになっています。

ハイブリッドシャッターを搭載。電池が切れたときには自動的に機械式シャッターに切り替わるようになっており、電池切れでシャッターを押せなくなる心配がありません。

またプロ仕様だけあって、モータードライブやファインダーの装着によってさまざまな機能が拡張できることが特徴。プロの複雑な要求にも柔軟に応えてくれるカメラとなっています。また、チタン製のシャッター幕となっており、その堅牢なつくりが登山家のカメラとして選ばれた理由でしょう。FDマウントで1981年に発売。

父の愛機を譲り受けて|ニコン FE(浅田家!)

二宮和也さん主演で、 浅田政志さんの写真家人生を描いたユーモアのあふれる映画 です。浅田さんが写真家になるまでのいきさつはもちろん、精力的に取り組まれていた東日本大震災直後の写真洗浄活動についても描かれています。コミカルな要素も織り交ぜながら、家族愛や浅田さんの人柄の温かさも感じられる涙なしでは見られない作品です。

この映画の中で浅田さん が使用しているのがNikon FEです。家庭用向けのカメラとして普及していたカメラですが、浅田さんご本人も父親から譲り受けて初めて使ったカメラがこのカメラだったとされています。

自動露出計が搭載されていて操作方法が分かりやすいのはもちろん、多重露光などもできるシンプルながらも万能なカメラとなっています。1978年に発売されており、Fマウントのレンズに対応。

プロフェッショナルモデルにして柔らかなデザイン |オリンパス OM-D E-M1X(おもいで写眞)

元乃木坂46の深川麻衣さんが主人公を演じ、東京でメイクアップアーティストになる夢に破れ、祖母の死をきっかけに、地元富山に帰り、カメラマンという新しい夢に出会うという作品です。

実家が写真館だった主人公の音更結子は、高齢者の遺影写真を撮影する仕事を幼馴染が提案したことをきっかけにカメラマンとしての仕事を始めます。「思いで写眞」の撮影を通してたくさんの老人との交流を持ちながら成長していく主人公に、思い入れを抱かずにはいられない作品です。

そんな主人公が、ローンを組みながら仕事道具として購入したカメラがオリンパス OM-D E-M1Xです。オリンパスのOMシリーズといえば少しメカニカルなデザインが印象的ですが、このOM-D E-M1Xは丸みを帯びたフォルムが印象的で、主人公の深川麻衣さんの手にも美しく馴染んでいます。

また、プロフェッショナルモデルということもあって、オートフォーカスの機能は文句なしです。主人公の 祖母の遺影写真がピンボケして いて悔やまれたという背景も描かれており、ローンを組んでまで主人公がこのハイエンドなカメラを選んだのには納得です。2019年発売に発売され、有効画素数は2,037万画素。

1960年代のアメリカの世界で|ニコンF アイレベル(マディソン郡の橋)

1960年代 、アメリカの田舎を舞台に平凡な農家の主婦と撮影で町を訪れた写真家が偶然 出会って生まれた4日間の恋について描かれた映画です。この年代ならではのアメリカ車や服装が映画の雰囲気を作ってくれています。

クリント・イーストウッドが演じる、『ナショナルジオグラフィック』誌のカメラマンが持ち歩いているカメラがこのニコン F アイレベルです。ニコン初のフラッグシップ機とされるだけあって、今でも人気を誇ります。ニコンのロゴをデザインした亀倉雄策が外観を設計していることもあり、そのスタイリッシュな見た目も愛される理由となっています。1959年発売の、Fマウントレンズに対応したカメラ。

 

撮影・宇田川 淳 文・ShSha編集部

 

 

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