スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。Vol.24|富士吉田(山梨)

富久浩二
スナップで街めぐり。一瞬の情景を愉しもう。Vol.24|富士吉田(山梨)

はじめに

遠くまで撮影に出かけることはめったにないのだが、商店街から富士山が見える景色が気になって下調べもなく突発的に行ってみた。出発は東京の郊外からだったので電車での乗り継ぎだったが、都内からだと新宿からバスで直通が便利だと思う。

行ってみた印象は、商店街も良いのだが富士山を望むレトロな街並みが広がる下吉田本町通りを中心に、どの脇道に入っても味わい深い飲み屋街や看板など、ローカルな雰囲気があってたまらなくよい場所だった。
そんな富士吉田のスナップを紹介したい。 

※撮影環境で★をつけた所はその場面で気にした部分なので参考にしてほしい

富士急行富士山駅ホーム

駅に到着しての1枚目、プラットホームから富士山が望めるのだが、何か組み合わせて面白いものが撮れないか探してみた。明るい時間だったので駅の電灯が消えていて、富士山の雪を被った部分の露出を上手く調整すれば黒い月のようで違和感のある面白い写真にできるかなと思い、露出を-1.3に設定。あと月の部分の輪郭をはっきり出すためにF値は22とした。 

■撮影機材:SONY α9 + 70-300mm F4.5-5.6 G SSM
■撮影環境:F22★ 1/200秒 ISO100 -1.3EV★ 焦点距離70mm★

富士急ターミナルビル展望台01

富士急ターミナルビルの屋上には富士山が一望できる展望台があり、唯一なにも邪魔されることなく雄大な富士山だけを狙える場所だ。こうやって撮ってほしい感じで丸い小窓があったので富士山と線を合わせてみた。

■撮影機材:SONY α9 + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:F8★ 1/400秒 ISO100 焦点距離50mm

富士急ターミナルビル展望台02

展望台なので基本組み合わせられそうなものがそうそうないが、階段近くに昼間なのに点灯している電球を発見。まん丸ではないので下側の球面部分だけを利用して本物の月っぽく、大きさに関してはあえて違和感を出すために接写で。

■撮影機材:SONY α9 + Planar T* FE 50mm F1.4 ZA
■撮影環境:F22★ 1/125秒 ISO160 焦点距離50mm★

富士急ターミナルビル横

基本、赤い鮮やかな服を着た人がいたら気にして前後の組み合わせそうな景色を見つける。
今回は止まれの看板と並んでいる赤いコーン。
色が三つそろったら次は構図を考えるのだが、動くものが一つでもあると予測が一番大事な要素となる。
今回は止まれの看板、三角の真下に通ることが予想できたので、手や足の形を気にしながらシャッターを切った。

■撮影機材:SONYα9 + 70-300mm F4.5-5.6 G SSM
■撮影環境:F20★ 1/125秒 ISO640 +0.3EV★ 焦点距離70mm

ほんちょう二丁目商店街

今回一番撮りたかった、望遠で商店街から望む夕方の富士山。
車の少ない早朝も良さそうだが、泊りで行くのが難しかったのでこの一枚となった。
圧縮効果を狙って望遠にし過ぎると富士山がはみ出てしまうので、100mmで抑えて構図を優先とした。
あと気にしているところはWBを日陰にして夕方感を強調、左上の信号機の位置、この入り方で写真のまとまりが良くなった気がする。

■撮影機材:SONY α9 + 70-300mm F4.5-5.6 G SSM
■撮影環境:F8 1/640秒 ISO100 -1.3EV★ 焦点距離100mm★

西裏通り

本町通りは車と人の往来が激しくて日中は思った以上の写真を撮れるイメージが湧かないのだが、少し横道にそれると想像以上の景色があるのが富士吉田の良いところ。通りだけでもかなりそそられるのだが、そこに富士山との組み合わせ。撮っていてここまでテンションが上がるのは久しぶりだ。 
この場面では富士山の大きさを強調するために山頂部分を隠してみた。あと電線の複雑な感じが気に入っている。

■撮影機材:SONY α9 + MINOLTA AF 200mm F2.8 APO HS
■撮影環境:F2.8 1/640秒 ISO100 焦点距離200mm★

新世界乾杯通り

昭和ノスタルジーに浸れる裏路地はスナップの醍醐味が凝縮された様な場所だった。 
夜に撮りなおしに行きたくなる。

■撮影機材:SONY α9 + FE 20-70mm F4 G
■撮影環境:F6.3★ 1/125秒 ISO320 焦点距離20mm★

古い街並み

この辺りの街並みもたまらなく良く、たまに通る観光客を待ってパチリ。 
空の明るい部分にもみじの葉っぱを前ボケに入れてみた。

■撮影機材:SONY α9 + FE 20-70mm F4 G
■撮影環境:F7.1★ 1/160秒 ISO100 焦点距離37mm★

カーブミラーと富士山

普段の人が見ている露出ではカーブミラーに富士山はほぼ見えないが、カメラの露出を少し下げてみると山の輪郭が見えてくる。特に反射するものを気にしてみるとこんな感じで別の世界が広がっているので、反射を見つけたら露出を上下させる癖をつけるとよい。

■撮影機材:SONY α9 + 70-300mm F4.5-5.6 G SSM
■撮影環境:F11 1/125秒 ISO160 -1.3EV★ 焦点距離120mm★

あとがき

ほとんど下調べなく行ってみたが想像以上に被写体の宝庫。商店街からどの横道に入っても昭和の雰囲気がまだ残っていて時間を忘れてしまうほど。南側を向けば広大な富士山があるという安心感もあり最後まで楽しく撮ることができた。夕方から夜にかけて更に良くなりそうなので午後からの訪問がよいかと思う。 
都心から離れてはいるが、十分日帰りできる距離なので是非とも訪問してほしい。

 

 

■写真家:富久浩二
日々の通勤風景を主に、いつも見ている変わりばえのない、しかし二度とやって来ない一瞬の情景を大切にし、ちょこっと人が入った物語りのある写真をテーマのもとに、人びとの優しく楽しい感情が伝わる事を目標に日々撮影している。子供の頃の目線、何と無く懐かしさを感じて貰える様に、ライブビューを使った低い目線、思い切って背伸びをした様な高さからの撮影が特徴的。

 

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