唯一無二の存在感を放つ「GR」という道具

大門美奈
唯一無二の存在感を放つ「GR」という道具

根強い人気のRICOH GR IIIとIIIx

この仕事をしていると機材の相談を受けることが多いが、相談件数で群を抜いているのがRICOH GR IIIもしくはRICOH GR IIIxである。機材の名前があがる時点でもう8割方相談主の腹は決まっているものと思っていい。あと一押しが欲しいだけなのだ。
昨日も長年お世話になっているスタイリストさんから「欲しいけれど迷っている」との相談を受けたので、髪の手入れをしてもらっている最中に色々と話をして、お会計を終える頃には「GR買います」との言葉を聞いた。ほらね、だ。

RICOH GR III をすすめる理由

現行のGRにはRICOH GR IIIとGR IIIxがあるが、最初の一台にはRICOH GR IIIをぜひおすすめしたい。
その理由はGR IIIの28mmという画角である。使い慣れているであろう、スマホのカメラの画角が24~30mmであることが多いことから、ごく自然に「写真を撮る」という行為がスマホからGRに切り替えやすいという点がひとつ。どんな画角が自分に合うかよくわからない、という人にも、35mm、50mmという基本となる画角で切り替えできるクロップ機能があるというのも頼もしい点だ。
RICOH GR IIIとGR IIIxを2台持ちすることも多いが、どちらか1台だけ持つのであれば、GR IIIを持ち出すことが多い。おそらく私の性格的なところもあると思うが、被写体をより大きく捉えたいのであれば近づけばいいだけのことだが、より風景なり場面の情報を広く伝えたい、となると後ろに引くというのは難しい状況であることが多いのだ。

コンパクトさと高品位なデザイン

コンパクトかつ高品位なデザイン、かつあくまで道具であるという佇まいでありながらも、どんなシーンでも邪魔にならず、いざ必要な時には0.8秒でスタンバイできるという瞬発力を持ち合わせているカメラというのは、GR以外にはすぐには思いつかない。このカメラの一番の特徴というのはやはり「コンパクトかつ高品位」というところだろう。どこへでも持ち出せるサイズでありながら、手に取ると凝縮感のある重みが心地よい。

優れた測光性能

写りにおいて特筆すべき点は二点。GR IIIには「ハイライト重点」という測光モードがあるが、デフォルトの設定である「分割」のままでも、白飛びが非常によく抑えられるというのがまず一点。私は海沿いに住んでいることもあって浜辺にはたびたび出かけるが、夏の強い日差しの下や夕暮れの強烈な逆光であっても、白飛びすることもほとんどなく非常によく粘ってくれるのだ。夕暮れ時に浜へ出かけた際、美しい月が出ていたのでGR IIIで撮ってPCで拡大してみたところ、クレーターまでしっかり描写していた際は思わずGR IIIを手にとってまじまじと見つめてしまった。

高いレンズ性能

二点目は、歴代のGRから引き継がれている高いレンズ性能である。GR IIIはシャープでありながらも線が細くデリケートな描写をするため、見る者の心に直接訴えかけるような表現が可能である。うすはりグラスに注がれたビールの泡は言わずもがな、カプチーノの表面や鳥の羽まで、その質感まで感じられそうなほどリアリティのある画を描き出してくれるのが実はGR IIIの何よりの魅力だと思っている。

唯一無二の存在

どこにでも持ち出せるサイズとデザイン、必要にして十分な機能と優れたレンズ性能は、きっと今まで目を向けてこなかった被写体を撮るきっかけになってくれる。大は小を兼ねるのではなく、その真逆を行く唯一無二の存在、それがGRというカメラなのかもしれない。

 

■写真家:大門美奈(Mina Daimon)
横浜出身、茅ヶ崎在住。作家活動のほかアパレルブランド等とのコラボレーション、またカメラメーカー・ショップ主催の講座・イベント等の講師、雑誌・WEBマガジンなどへの寄稿を行っている。個展・グループ展多数開催。代表作に「浜」・「新ばし」、同じく写真集に「浜」(赤々舎)など。

 

 

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