ニコン NIKKOR Z 24-70mm f/4 S|広角から標準まで、ミラーレスデビューにおすすめのズームレンズ

ニコン NIKKOR Z 24-70mm f/4 S|広角から標準まで、ミラーレスデビューにおすすめのズームレンズ

はじめに

こんにちは!フォトグラファーのKoichiです。普段は、風景に人を溶けこませるような写真やアート写真など「心に響く写真」をコンセプトに日常を切り取っています。

今回は標準レンズと呼ばれる、NIKKOR Z 24-70mm f/4 Sを使った撮影テクニックについて書いていけたらと思います。キットレンズとしても販売されている小型で軽量なレンズですが、S-Lineレンズでもあり非常に使い勝手の良いレンズなので、写真と共にこのレンズの魅力をお伝えしていきます。

Nikon Z 7II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
F8 1/30秒 ISO64

レンズの写りと性能

このレンズは絞り開放値がF4で少し暗いこともあり、使う場面が限られると思われがちですが、実は小さくて軽い上にS-Lineなのでコーティングも素晴らしく、圧倒的な解像力も持ち合わせた便利なレンズです。標準域をカバーできる焦点距離なのでカメラにつけておいて持ち歩けば、大抵の場面は1本で完結できます。

まずは写りと性能ですが、中心から隅々まで驚くほどシャープです。風景を引きで撮影した時に葉っぱや山の模様まで美しく描写してくれます。開放のF4からシャープな印象はあるのですが、F8~F11くらいまで絞ると更に全体が引き締まった印象になります。

Nikon Z 7II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
F8 1/320秒 ISO64

拡大しても奥に見える山の木々までしっかりと写っていて驚きました。24mm側で撮影をした際に、周辺の歪みも気にならないのでワイド構図も美しく撮影することができました。

逆光耐性にも優れたレンズなので、朝日や夕日・花火などの強い光源がある場面においても活躍してくれます。

Nikon Z 7II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
F16 25秒 ISO64

花火の撮影においては、三脚に固定をして長秒撮影を行うので、小さいボディのおかげでバランスも良く、非常に安定して撮影することができました。暗部でも、水面の質感や明暗の雰囲気がしっかりと描写されていて編集をする際に驚きました。

カチッと簡単ボタンレス伸縮

このレンズは携帯性を向上させるため、24mmの最広角側より更に内側に白い点の表示があります。この部分までズームリングを回転させるとカチッという音と共にレンズのズーム部分が収納されて、一気にコンパクトになります。

レンズフードを逆さにつけて収納すると更にコンパクトになるので、普段使いのカバンに入れても全く嵩張らないサイズとなります。標準域をしっかりカバーできてこの大きさは、荷物を減らしたい時や、飛行機で移動する際など重さを気にする場面において大変助かります。

また、撮影をする際には「撮影するにはズームリングを回してレンズを繰り出してください。」という表示が出るので、24mmのところまで軽くズームをしてあげると撮影を開始することができます。

逆光を生かしてシルエットで表現する

Nikon Z 7II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
F4 1/1600秒 ISO64

この場面は曇りの日に逆光で撮影をしました。大きめの三脚にカメラを取り付け、自分も脚立に乗ってハイアングルで撮影。意図としては、被写体と同じ目線から撮ってしまうと、後ろに写っている湖の対岸にある景色の境界線が人物とかぶってしまうため、人物が完全に湖の部分に入りきるようなアングルで撮影をしています。

左右と下から生えている木々が逆光でシルエットになり、白い背景とのコントラストで美しい額縁になってくれました。このカットを撮る際も、画角を微調整しやすいズームレンズが役に立ってくれました。

Nikon Z 7II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
F5.6 1/30秒 ISO64

この写真は日が落ちたあとの空が最も美しい時間帯に撮った1枚です。ロケーションの雰囲気や、実際に何mmくらいで撮影すれば良いのかわからない初めてのスポットの場合、画角が決まってしまっている単焦点レンズよりもズームレンズの方が便利です。

このシーンでも、ズームを伸ばしたり縮めたりしながら調整して撮影をしていました。左奥の山から強い陽の光が照っていましたが、逆光耐性に優れているおかげでフレアやゴーストが出ることもなく綺麗に撮影ができました。

そして、注目していただきたいのがシャッタースピード1/30という部分です。軽いおかげで体に固定しやすく、遅いシャッタースピードでもボディ内手ブレ補正で十分にブレを抑えることができました。

Nikon Z 7II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
F6 1/15秒 ISO64

踏み台に乗り、少し高い位置から最広角の24mmで撮影。

この写真を見ると、手前の階段を前景としてメインの鳥居、背景の街と山と空がとてもワイドにダイナミックに写っています。普段超広角の11mmや14mmなどを使っている私は、24mmがもう少し窮屈に感じる気がしたのですが、思った以上に広く迫力のある写真が撮れて驚きました。

Nikon Z 7II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
F11 1/100秒 ISO64

この作例は撮影場所から少し離れた場所にある滝を狙いました。望遠が足りない気がしてレンズを変えようか迷ったのですが、NIKKOR Z 24-70mm f/4 Sでもしっかり気持ちのいい画角に収まってくれました。迷ったらこのレンズをつけておけば安心できます。

まとめ

Nikon Z 7II + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
F5 1/1250秒 ISO64

今回は小さくて軽いニコンのミラーレス用レンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」について書きました。

キットレンズになっているレンズとは思えない描写性能と、標準域をカバーできる便利な画角が特徴のこのレンズは、風景のみならずお散歩や子どもの撮影・テーブルフォトなどでも活躍してくれる1本だと思います。価格自体も比較的安価で手が出しやすいので、ミラーレスデビューをしたばかりの方にもおすすめのレンズです。

 

 

■写真家:Koichi (岩松晃一)
岐阜県高山市出身のフォトグラファー。東京を中心に活動。主な作品は風景の中に人を入れた情景写真や、Photoshopを使ったアート作品。「心に響く写真」をコンセプトに、日常を切り取る。最近はフィルムカメラを通して写真の楽しさを伝える活動をしている。

 

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