超広角レンズで撮る海外セルフポートレート|ニコン NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

はじめに
みなさんこんにちは!セルフポートレート写真家のRinatyです。
突然ですが質問です。
「レンズを1本だけ持ってニューヨークでセルフポートレートを撮るとしたら、どのレンズを選びますか?」

私が選んだのは、ニコンの超広角ズームレンズ「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」です!
このレンズを選んだ5つの理由
私がこのレンズを選んだ理由は、次の5つです。
・広範囲の風景を美しく描写できるから
・世界一の夜景と自分を一緒に写したいから
・軽量・コンパクトで持ち運びやすいから
・盗難リスクを減らせるから
・単純に、超広角ポートレートが大好きだから
海外の風景をダイナミックに写すため
海外には、日本とはまったく違った風景がたくさんあります。そこでしか撮れない写真を残すには、背景がとても大切。
超広角レンズなら、広がりのある風景をダイナミックに切り取ることができます。高い遠征費をかけて訪れるからこそ、最高に美しく記録しておきたい。そう思って、描写力の高いこのレンズを選びました。
夜景と一緒に自分を写すため
ニューヨークといえば、やはりマンハッタンの夜景。
昔から、ニューヨークに行ったことのある母に「夜景が本当に素晴らしかった」と何度も聞かされていました。だからこそ、その景色と一緒に最高のセルフポートレートを残したかった。
明るいF2.8通しのこのレンズが、その願いを叶えてくれました。
軽量・コンパクトで持ち運びがラク
このレンズは約650gと軽量で、全長は124.5mm、最大径は88.5mm。スペックに対してかなりコンパクトで、衣装や小道具など、荷物が多くなりがちな私にとっては大きなメリットです。
また、超広角ながら出目金タイプではなく、前面にフィルターが装着できる設計なこともポイント。フィルターをよく使う私には嬉しい仕様です。
かなり広い範囲を写せる14~24mmの焦点距離をカバーしてくれるので、広角好きにはたまらない1本です。
盗難リスクを軽減できる
海外では、日本よりも盗難リスクが高く、注意が必要です。
私は普段、三脚を使ってセルフタイマーで自分を撮影しますが、海外では盗難のリスクを考慮してなるべくカメラから離れないように工夫しています。
超広角レンズなら、カメラの近くに立っても背景をたっぷり写し込めるため、3m以内の距離で撮影を完結させることができます。
単純に、超広角ポートレートが好き
普段とは違う視点で世界を切り取ることができる。これが超広角レンズの大きな魅力です。
以前にもこのテーマで記事を書いていますので、ぜひそちらもご覧ください!

■撮影環境:1/50秒 f/4.5 ISO1600 14mm

■撮影環境:1/30秒 f/3.2 ISO2000 14mm
作例紹介

■撮影環境:1/40秒 f/3.2 ISO2000 14mm

■撮影環境:1/125秒 f/7.1 ISO500 21mm

■撮影環境:1/250秒 f/8 ISO250 18mm
こちらは、もともと空港だった建物をリニューアルしたホテルで撮影したもの。天井や壁のカーブを活かすように、超広角で建築美をダイナミックに切り取りました。歪みが少なく、端まで美しく描写されています。
寝るのがもったいなくて、夜通し撮影してしまったほどです。

■撮影環境:1/60秒 f/3.2 ISO1600 14mm
ホテルの中庭には、実際に使用されていた飛行機が展示されていました。プロペラにぐっと近づいて、広がりを出す構図に。
金属の質感もきれいに出ていて、朝4時の空の色も相まってクールな一枚に仕上がりました。

■撮影環境:1/250秒 f/8 ISO400 14mm
休館日に特別に許可をいただき、ニューヨークの図書館で撮影しました。扉や天井、壁の彫刻まで美しく、一枚にすべてを収めたくて構図を工夫しました。

■撮影環境:1/25秒 f/2.8 ISO2000 16mm
エンパイア・ステート・ビルの展望台にて撮影。
展望台では三脚が使用できなかったため、柵の上にカメラを置いて撮影。人が多くスペースが狭い中でも、広角レンズなら自分のすぐ近くに設置でき、かつ最短撮影距離も短いのでバッチリ撮れました。

■撮影環境:1/5秒 f/6.3 ISO2000 14mm
夜景も撮影しました。奥に広がるボケは広角でも滑らかで、ちゃんと円い形をしています。
手持ちだったためブレを考えるとしっかり絞ることはできませんでしたが、目の前に広がる美しい夜景を残すことができました。14mmで撮影していますが歪みもかなり抑えられています。

■撮影環境:1/200秒 f/7.1 ISO125 16mm
セントラルパークにて撮影。
観光客で賑わうお城の近くは混雑していたので、あえて少し離れた狭いスペースで撮影。
木の枝越しにお城が写り、まるで異世界のような雰囲気になりました。超広角ならではの遠近感で、建物の上にいる人を小さく写すこともできます。

■撮影環境:1/400秒 f/6.3 ISO125 24mm
朝4時に起きて、誰もいない時間を狙って撮影。ブルックリン橋のワイヤーや構造がかっこよく写り、スカートの広がりや影も美しく表現できました。高い位置から俯瞰で撮った構図がお気に入りです。
こちらは24mmで撮影しており、歪みが少なく、完璧なシンメトリーで残すことができました。


■撮影環境:1/640秒 f/7.1 ISO160 24mm
外観がまるで翼のような形をした商業施設「オキュラス」。壁に落ちる影が美しく、広い画角で屋根までしっかりフレームに収めました。
こちらは24mmで撮影し、不要な周りの背景を入れ込まないようにしました。
その場にあった画角に変化させられるのがズームレンズの強みです。

■撮影環境:1/400秒 f/6.3 ISO250 14mm

■撮影環境:1/200秒 f/5 ISO64 14mm
ウォール街にて撮影。
人通りが多いエリアでは、カメラから離れすぎるのは危険。そのため、広角レンズを活かしてカメラのすぐ近くで撮影。
撮りたいスポットを見つけたらその場でパッと撮るスタイルでも、軽量なこのレンズなら大丈夫でした。

■撮影環境:1/40秒 f/3.5 ISO1600 14mm
こちらはニューヨークの夜景と一緒に撮った一枚。暗いシーンでもISO感度を上げすぎずにきれいに写せました。

■撮影環境:1/20秒 f/5 ISO200 17mm
タイムズスクエアで撮影。
人混みの中で撮影したセルフポートレート。盗難リスクを避けるため、カメラから2m以内の距離で、足をレンズに近づけるような構図に。その結果、ダイナミックでかっこいい一枚になりました。
おわりに
いかがでしたか?NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sがニューヨークで大活躍してくれた様子が伝わったのではないでしょうか。
海外での撮影には、1本は超広角レンズを持っていくことを強くおすすめします。撮った写真を見返すたび、その時の空気や感動がリアルに蘇ってくるはずです。皆さんもぜひお試しください!
■写真家:Rinaty
2021年よりフリーランスフォトグラファーに転身、大阪を拠点として全国で活動中。カメラマン・モデル・ヘアメイク・スタイリング・アートディレクションを全て一人でこなすセルフポートレート写真家として多くの作品を残す。フォトウォークやセミナー等の撮影イベントも多く開催し、上田安子服飾専門学校ファッションフォトグラフィックコースにて講師を務める。その一方でウェディング前撮り、成人式前撮り、プロフィール撮影、キッズ撮影、広告撮影、商品撮影など幅広く活躍している。
日本写真家協会 正会員・東京カメラ部2022 10選