キヤノン EF50mm F1.8 IIレビュー|RFマウントのミラーレスカメラでEFレンズを楽しもう!

はじめに
こんにちは。杉本です。今回はCanon EF50mm F1.8 IIのレビューです。
Canonのこのレンズはもはや伝説と言っても過言ではない、それほど有名なレンズだと思います。Canonユーザーであれば、最初の単焦点レンズがこのレンズだったという方も多いのではないでしょうか。
このレンズはCanonのオフィシャルサイトでは1990年12月発売とあります。
25年の時を経て2015年にEF50mm F1.8 STMというレンズが発売されますが、長らく安価な単焦点レンズとしてその代表格を務めたレンズです。
当時STMが出る際にはカメラ雑誌などで大きく取り上げられ話題になりました。それでもこのEF50mm F1.8 IIは立場を失うことなく、いまだに中古市場でもよく目にするレンズであり続けています。
僕が最初に購入した単焦点レンズも例に漏れずEF50mm F1.8 IIです。そしていまだに使用しています。ちなみにこの連載では基本的には、実際に僕が所有しているレンズのレビューを書いています。
今回、カメラはEOS R6 Mark IIを使用しています。CanonではミラーレスになるとマウントがRFマウントになります。そのままではEF50mm F1.8 IIは使うことができないので、RFマウントにEFレンズを使うことができるアダプターを使用しています。
レフ機を持っている方は当然そのまま装着できます。
ボケ具合はシンプル

■撮影環境:1/2000 f1.8 ISO160
開放F値のf1.8の作例です。
ボケ具合がわかりやすいよう前ボケと奥のボケが写るように撮影しています。
紫陽花は柔らかくボケていますが、輪郭が溶けていくほどではないですね。
無理はなく自然なボケです。またウエストアップくらいの距離感でも気持ちよくボケていますので、友達や家族を気軽に撮るのに向いていると思います。周辺減光が激しくないのも嬉しいポイントです。
解像感

■撮影環境:1/4000 f1.8 ISO160
開放で全身が写るように引いて撮ったカットです。
葉の輪郭が気持ちよく出ています。洋服のプリーツなども綺麗に出ていますね。
ただアップにしてしまうと少し線が甘くなります。カメラの方は最新ですがレンズは古いのでその辺はご愛嬌かなと思います。僕の場合、しっかりシャープに写したい時にはRF50mm F1.8 STMを使用しています。オールドレンズまでいかないけど最新のレンズよりは甘く撮りたいなという時にはこのレンズを使います。安価なので少し遊びが強い時に重宝します。以前EOS 5D Mark IVのレビュー記事を書きましたが、そっちにこのレンズ、R6にはRF50mmをつけて2台持っている時も結構ありますね。それくらい役割を分けられるのは魅力的なポイントです。
AF性能

■撮影環境:1/200 f5.6 ISO400
こちらは寄りで絞って撮影したカットです。
絞ると一転してシャープな印象になり画質も向上します。甘く撮りたいのか少しシャープな印象もほしいのかで切り替えてあげると効果的にレンズを活用できます。
ただしAFはRFレンズと比べると少し迷います。そこまで時間がかかる印象ではないですが、最近のいわゆる爆速AFみたいな速度感はないです。10年くらい前から写真を撮っている身からすると今のAFがあまりにも速いので、むしろこれくらいの方が馴染みがある感じはしますが。これは人によって遅いと思う人もいると思います。
中古市場で一万円を切るレンズと考えると非常に優秀だと思います。EFレンズが使える環境の人にはぜひ使ってみてほしいレンズです。
参考までにRF50mmはAFがすごく速いのでそちらもおすすめです。
AF性能と画質、値段のバランスとアダプターの有無などで選択肢になりますね。
軽さ

■撮影環境:1/125 f5.6 ISO100
Canonの公式では重量が130gです。これは本当に驚くほど軽いです。
テンポよく撮影できますし、他のレンズや機材を持っていても負担になりにくいです。
軽いので当然小さく、小型軽量レンズとして非常に優秀です。ズームレンズとこのレンズを組み合わせたり、大口径レンズとこのレンズを組み合わせて持っておくとあらゆるシーンに対応できると思います。機材が重すぎるとフットワークが落ちるという方もいると思います。そういった方には本当におすすめできる機材です。
余談ですが僕は最近EF50mm F1.8 STMが気になりはじめてそちらの購入も考えています。それくらい名レンズのシリーズだなと信頼しています。軽い、小さいは正義って本当だなと思います。結局3本も持ち歩いていたら重いのではという疑問もあるのですが。
入門機から応用まで

■撮影環境:1/320 f5.6 ISO100
少し初心者向けの話もしておきますね。
カメラを始める時、当然カメラを買うことになりますが、基本的にセットでついてくるレンズはズームレンズが多いです。
このズームレンズは多くのメーカーで「ズーム機能を使うとF値が変化する」仕様になっています。ちょっとわかりにくいのですが、望遠側にすると自動的にF値が3.5から6.3とかになったりすることがあるんですね。
これがカメラ初心者にはよくわからないというケースを散々みてきました。
単焦点レンズはズーム機能がないので、自分が近寄ったり離れたりしていい感じにする必要があるのですが、F値が小さくその分暗いシーンでも撮影しやすいですし、何よりボケます。いわゆるカメラで撮った写真っぽいのが撮れるのが単焦点レンズです。かといっていきなりF1.4とか1.2のレンズは値段も一気に上がるので、まずは50mmのF1.8というのは非常におすすめです。
もう少しカメラやレンズに詳しくなると、望遠の方がボケやすいとか圧縮効果や歪みなどの要素も出てくるのですが、まずは単焦点で撮る楽しさを感じてほしいと考えています。
最近はメーカーによっては最初から単焦点がついているセットもあるようですが、中古などで買う時にはボディのみという場合も結構あるので、店員さんと相談したりこういったレビュー記事を見たり読んだりして決めてもらうと良いのかなと思います。
軽い機材の方が続けやすい

■撮影環境:1/2000 f1.8 ISO100
初心者は最初、写真の楽しさにハマる前に重量のある機材を買うと持ち出すのが本当に面倒になってしまいます。これが原因であまり撮らなくなる人も多いのが実情です。
軽い方が写真の楽しさをストレートに感じることができるので、そういった意味でも最初から高級な機材に手を出さず、段階を踏んでいくのは良いことだと思います。
お財布に優しく軽さもあるこのレンズは、そういった初心者にもとてもおすすめです。
慣れてきたら少し重い機材でも一日持っていられるようになってきます、多分慣れだと思うのですが、個人的にその慣れの期間をすっ飛ばしてしまわない方が健康的に写真にハマることができると思います。ちなみに僕のように長い期間撮っていても、重いよりは軽い方が嬉しいです。日常的に持ち歩くカメラやレンズは全て軽いもので統一しています。
選択肢が豊富な焦点距離とラインナップ

■撮影環境:1/800 f2.8 ISO125
Canonの50mmf1.8のレンズはこのレビューの際に使用したEF50mm F1.8 IIと、その後継レンズEF50mm F1.8 STMがありあます。これはEFマウントですのでレフ機と呼ばれるマウントで使うレンズです。
この後にCanonはRシリーズというミラーレス機のシリーズを出しますが、その時にRFマウントというマウントへ変更されます。RFにEFレンズはつけられないので変換するためのアダプターというものが販売されています。初心者やこれから始める方には少しややこしく見えるかもしれませんが、少し慣れるとすぐわかると思います。RFにも50mmF1.8のレンズはありますので、ご自身のカメラや機材でちゃんと使えるのか、アダプターが必要なのかは購入時に確認しておくと安心です。店員さんに聞いたりSNSで聞いても教えてくれる人はいっぱいいると思います。
小型軽量で1990年発売ながらいまだに人気のレンズです。とても楽しいレンズなのでぜひみなさん一度使ってみてください。僕自身長らく愛用しているので自信を持ってお薦めできます。ではまた。
■写真家:杉本優也
東京都生まれ東京都在住。妻を撮影し続けている活動がテレビメディアに特集されたことを機に、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせる。ライブ撮影やメーカーへの作例提供、機材レビューなどの活動をしている。