大和田良 個展『UNDERWATER』2023年7月21日~8月26日 @南青山

ShaSha編集部
大和田良 個展『UNDERWATER』2023年7月21日~8月26日 @南青山

概要

写真家、大和田良による個展「UNDERWATER」の開催をご案内申し上げます。

大和田はこれまで、盆栽や仏像、ビンテージワイン、クラシックカー、剥製、活字の原型など、ユニークな被写体が持つ美しさを捉えてきました。それらは常にその背景にあるストーリーと共に、美意識、思想、歴史といった要素を含めて作品化され、印象的なイメージを作り出してきました。

2014年の「剥製図」、2015年の「TYPE」以来、hpgrp GALLERY TOKYOでは8年ぶり、3回目となる本展では、大和田が新潟県小千谷市で出会った錦鯉をテーマにした作品をご紹介いたします。力強くも優雅な泳ぎや、暗い水面下での動きが描き出す抽象的な美しさを古典技法で表現した作品をどうぞこの機会にご高覧ください。

hpgrp GALLERY TOKYO

 

基本情報

【会期】2023年7月21日(金)~8月26日(土) ※日・月・火曜は休館
【時間】12:00~19:00
【入場料】無料
【会場】hpgrp GALLERY TOKYO
【住所】東京都港区南青山5-7-17 小原流会館B1F
    地図はこちら
【電話】03-3797-1507
【イベント】Opening reception 7月21日(金)18:00 – 20:00

アーティスト ステートメント

古来より、日本ではさまざまな芸術や意匠において、鯉を立身出世や富、繁栄、愛情などを象徴する縁起物として描いてきました。中国の黄河にある滝を登った鯉が龍になるという故事を由来とし、厳しい関門を突破する際に用いられる「登竜門」という言葉も残されています。また、鯉が公園の池や、日本庭園の池泉を泳ぐ姿を眺めることは、多くの人々にとって小さい頃から親しんだ風景のひとつとしても馴染み深いものではないでしょうか。

鯉に関心を持ち始めたのは、ライフワークのひとつとしている盆栽をモチーフとした制作に関して調べていたことからでした。庭園美術や、自然の縮図としての美術工芸と深い関係のある盆栽と、鯉は深く関係するモチーフであり、リサーチの一環として訪れた小千谷の鯉たちの姿が、本作のモチーフとなっています。そこで得られたイメージは、大海や大空を泳ぐ雄大な龍としての鯉でもあり、また暗い水面下で抗い、もがき、その先へ進もうと奮闘する一匹の魚の躍動的なシルエットでもありました。

はじめは、鮮やかな紋様に覆われた昭和三色や孔雀、黄金色に輝く山吹黄金、印象的な緋斑を有する丹頂紅白などに見る艶やかな色彩に魅了されましたが、撮影を続けるうちに、その斑紋と鱗が描く、まるで筆で描いた抽象画のような、線の流れに注目するようになりました。本作は、朧げながら力強いトーンの中で泳ぎ、躍動する鯉のイメージを、カリタイプと呼ばれる写真の古典技法を応用して再現しています。手作業の跡が感じられるプリントには、鯉の優美さと荒々しさが抽象化され、新たな、またどこか親しみのある視覚体験を楽しんで頂けるのではないかと期待しています。

大和田良

大和田良さんプロフィール

1978年 仙台市生まれ 東京在住
2004年 東京工芸大学大学院芸術学研究科メディアアート専攻修了
2023年〜東京工芸大学芸術学部写真学科 准教授

主な展示
2003年「World of ROUND」コニカミノルタプラザ
2003年「TPCC受賞記念展」東京写真文化館
2004年「StairAUG.photographics」コニカミノルタプラザ
2005年「SOURCE」ニコンサロン新宿・大阪
2005~9年「reGeneration 50 photographers of tomorrow」エリゼ美術館 他巡回
2006年「Kunst RAI」 ライ・パークホール
2007年「Strings of Life」B GALLERY
2007年「Making, Marking, Mapping」PGI
2009年「大和田良展」西武百貨店渋谷店
2010年「Log.」キャノンギャラリー 全国巡回
2010年「ノーツ オン フォトグラフィー」B GALLERY
2010年「Wine Collection」EMON PHOTO GALLERY
2011年「SAKURA」MICHEKO GALERIE
2011年「FORM」さいたま市大宮盆栽美術館 他巡回
2012年「Dots」Bright photo salon
2013年「StairAUG. photographics exhibition 2013」B GALLERY
2014年「Banknotes」B GALLERY 他巡回
2015年「TYPE」hpgrp GALLERY TOKYO 他巡回
2014~5年「剥製図」hpgrp GALLERY TOKYO他巡回
2016年「FORM」伊勢丹新宿店
2016年「Wine Collection」西武百貨店渋谷店
2017年「第8回世界盆栽大会 記念特別展」さいたま市盆栽美術館
2018年「叢本草」B GALLERY
2018年「LIVE HOUSE, TOKYO」B GALLERY
2020年「中正なる道」ESPACE KUU 空
2020年「五百羅漢を巡るふたつの視覚」天恩山五百羅漢寺
2020年「五百羅漢」tokyoarts gallery
2020年「y-Generation VI」西武百貨店渋谷店
2020年「R」B GALLERY
2020年「LIVE HOUSE, TOKYO 2」SLOPE GALLERY
2020年「東京好奇心 2020渋谷」Bunkamura ザ・ミュージアム
2021年「宣言下日誌」Roll
2021年「icon CONTEMPORARY PHOTOGRAPHY」田中八重洲画廊
2021年「Season’s Greetings」hpgrp GALLERY TOKYO
2022年「Differential Notes(Case1_Nature)」エプサイトギャラリー
2023年「Behind the Mask」BOOKMARC

主な受賞
2003年 コニカミノルタフォトプレミオ
2003年 フォックスタルボット賞
2003年 TPCC award
2004年 ニコン ユーナ21
2005年 reGeneration 50 photographers of tomorrow選出
2011年 日本写真協会賞 新人賞

主な収蔵
東京工芸大学
エリゼ美術館
さいたま市盆栽美術館
さいたま市

主な出版
2007年「prism」青幻舎
2010年「ノーツ オン フォトグラフィー」リブロアルテ
2011年「FORM」深水社
2014年「Banknotes」アタリパブリッシング
2018年「叢本草」今朝パブリッシング
2018年「LIVE HOUSE, TOKYO」今朝パブリッシング
2020年「五百羅漢」天恩山五百羅漢寺
2020年「R -RYO OHWADA PHOTOGRAPHS OF ’98-‘20」今朝パブリッシング
2021年「宣言下日誌」今朝パブリッシング
2023年「Behind the Mask」(Chris Mosdell 俳句)スローガン

・WEBサイト:www.ryoohwada.com
・instagram:ryo.ohwada

 

 

関連記事

人気記事