荒川の蜆

明日からは、桜散らす雨の予報だ。一粒の雨粒でも花びらは持ちこたえることが出来ないであろうと思う。

愛犬クイーポと名残の花見がてら散歩をすることにする。
大好きなボール投げで遊び、一休みの顔である。

染井吉野は峠を越えたが家族連れでシートのタイル状態は続く。
後方には遊具があり、桜の無い時期でも広い公園は安心して遊ぶことが出来る。
駐車場も完備しており週末は子供の歓声が響く。バーベーキューの施設も整っている。

小松川千本桜は枝垂れ桜が満開となっていた。先週よりも人出がある。
名残の花見であろう。

ふと、河原を見ると人の姿がある。蜆取りであろうと河川敷に下りてみた。
この辺りは汽水で干潟に自然の蜆が生息している。

成果をみせてもらった。丁度良い大きさで、美味しいシジミ汁ができる。
昨今、個体数が減っていると話す。
子供が幼き頃に蜆取りに興じたが、バケツ一杯は採れた。乱獲の影響であろうか？

採れる品種は「やまとしじみ」と思われる。
蝶にも「やまとしじみ」と名付けられたシジミチョウの仲間がいる。
陵で忙しく飛ぶ「やまとしじみ」を見つけるか、干潟に下りて「やまとしじみ」を見つけるか、それとも、どちらの命名が先かを考えると、如何に「春眠不覺曉」と言え、眠れぬ夜となるに違いない。

日本橋店中古売場　田口由明