＊＊＊　海の男のロマンを秘めたまつり　＊＊＊
瀬戸内海に浮かぶ広島・柏島の管弦祭

瀬戸内海の管弦祭は、海に面していることでほとんどが海上で行なわれます。内海に浮かぶ島、宮島、大三島そして柏島で行なわれる管弦祭を瀬戸内海三大管弦祭といわれています。その柏島神社の大祭が6月14～15日にかけて催されます。広島県安浦町の三津口港から東南約2Kmの海上にある柏島を中心に、大漁と船の交通安全を願って始まった海の祭です。当日は露天が並び、クライマックスは15日の午後3時30分頃から神輿を乗せた御座船が4隻の曳き船に先導され、それを大漁旗で飾った十数隻の御詣り船が追う形の勇壮な海上絵巻が繰り広げられます。周辺の島々、四国、遠くは阪神、九州からも参詣船が参加します。海に生きる男たちの晴れ舞台といった趣があります。宵祭は百隻以上の船が島を巡り、海上を埋めつくして不夜城ができあがります。島と海とそして安浦町が沸き返る2日間となります。
柏島は周囲4Km、全島がうっそうとしたヒノキ林におおわれ、安浦湾の中央付近にある美しい島です。近年、真珠の島としても知られるようになっています。

海上に浮かぶカキ筏が風情をかもす景色

この安浦町は広島県のほぼ中央に位置して、三方を野呂山（野路山）など山々に囲まれ、南面が瀬戸内海に面した静かな町です。三津口湾内には柏島、馬島などがあり、数多く浮かぶカキ筏が独特の風情をかもし出しています。
多島の景観美を簡単に楽しむには三津口湾を見下ろす稚児公園がよいでしょう。遊歩道があって散策気分で味わえます。もっと本格的に多島海をとらえて見たい人は、登山口から徒歩で1時間30分ほどかかる野呂山をお勧めします。頂上より東方を望見すれば、膝下に安浦湾を見下ろし、遥かに四国連山が俯瞰できます。島々の点在が一大パノラマを見せてくれます。
また野呂山は昭和25年に国立公園として指定され、脚光を浴びましたが、その開発は頂上に平安時代の初めに空海上人の開基と伝えられる一宇の堂があることからも、歴史は古く、平家の落ち武者もここに逃れ住んだとも言われています。さらに弘法大師がこの野呂山で修業に専念したことから、住民が弘法大師堂を建立してもいます。
写真説明
上：想的瀬戸内の島々　下：弘法大師ゆかりの弘法寺
［安浦町への交通アクセス］
ＪＲ呉線安浦駅下車 野呂山頂上へは安浦駅→バス約10分→野呂山口→徒歩約1時間30分
［問合せ］
安浦町観光協会 0823-84-2261