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2009.10.30

時代で変わる写真の撮り方
カメラ機材の性能と、実際に撮られる写真の関係

いまベテランと呼ばれている人が、かつて初心者だった頃。その当時は、もちろんフィルムカメラしかなかった時代ですが、カメラの撮影性能そのものも、いまとはだいぶ様子が違っていました。当然のことながら、機材の仕組みが違うなら、それを使って撮られた写真の内容にも差が出るわけで、その頃に撮られていた写真の内容は、かなり異なるものであったはずです。このことは、つまり、いまのベテランが初心者だった時代に覚えたことを、いまの初心者が“基本”だと思ってそのままなぞっても、あまり現実的ではなく、撮影内容にもジェネレーションギャップがあり得ることを意味します。そこで今回は、時代で変わる写真の撮り方に注目してみました。

カメラの歴史的転換点

カメラ開発の流れの中で、最も大きな歴史的転換点となった時期は、おそらくは1980年前後の数年間。この時期に起きた変化のほうが、実は、フィルムからデジタルへの変化よりも、影響が大きかったのです。1980年前後の数年間のうちに、いまでは定番の機能になった、自動露出(AE)やオートフォーカス(AF)が相次いで新登場。順番としては、コンパクトカメラのAE・AF化が先で、それに一眼レフが続いたのですが、この数年間を境として、カメラそして写真の文化は、大きく進化したと考えることができます。このとき登場した新しいカメラ製品では、光学レンズや、シャッター、フラッシュなどの標準的な仕様も一新されたので、結果としては、ユーザーが撮影する内容に、微妙な変化を与えることとなりました。あの当時から流れた歳月は、すでに約30年。写真の文化は、昔と比べて、明らかに違うものになっているようです。

1980年ごろのカメラの仕様と用途

ここでは、いまから約30年ほど前になる、1980年ごろに新製品として販売されていたカメラの仕様・性能と、それを使って写真に撮られていた主な被写体の例を挙げてみましょう。当然、この時代にデジタルカメラはまだないので、すべてフィルムカメラの話ということになります。

当時の一眼レフの場合

-ピント: MFのみ(マニュアルフォーカス)
-シャッター速度: 機械ダイヤルによる設定方式で、上限1/1000秒程度、中間シャッターなし
-露出モード: 絞り優先AE(またはシャッター速度優先AEのどちらか1つ)+マニュアル露出
-レンズ: 単焦点50mm標準レンズ(基本的なセット品)
-絞り: F1.4程度~F16またはF22(レンズ側の絞りリングで設定)
-フラッシュ: 外付けのみ(内蔵フラッシュなし)

1980年ごろの一眼レフには、まだAF機能がなく、レンズのピントリングを手動で回して、ピント合わせを行っていました。したがって、片手では操作できません。絞り値を設定するリングはレンズ側にあって、また、自動露出も絞り優先AEモードだけという例が多かったので(まだプログラムAEは本格普及していない時代でしたが、ほとんどの機種でマニュアル露出モードは必ず付いていました)、ユーザーは、常にピントリングと絞りリングに、左手の指をかけた状態で撮影していました。

シャッター速度は、最も速くて1/1000秒程度だったので、素早く動く被写体の撮影は容易ではなく、手ブレ補正機能もありませんでした。したがって、手ブレとフィルムのISO感度を考慮すれば、実際に手持ち撮影で使用できるシャッター速度の範囲は限られ、また必然的に静止している被写体を撮ることが多くなるので、絞りの効果(被写界深度)を重視した表現が多かったとみられます。

ちなみに、当時のシャッター速度設定は、いまのような電子ダイヤル方式ではなくて、ボディ上面にある機械式ダイヤルで設定する方式で、刻みは1段単位。これは、例えば1/250秒の次は、中間シャッターの設定がなくて、すぐに1/500秒に上がるというものです。機械式ダイヤルは、シャッターボタンと同時に操作できないので、連続撮影中の露出の微調整は、絞りリングだけで行うことになります。絞りの場合は、昔から中間絞りがあったので、シャッター速度よりは絞りを使ったほうが、露出のコントロールは確実でした。当然、撮影される写真の内容も、スピード感よりは被写界深度を重視した、絵画的な表現になるわけです。

この時代のレンズは、ミリ数が変わらない単焦点タイプが一般的で、ズームレンズは、まだ普及していませんでした。ピントと絞り値に加えて、ズームまで同時に手動操作するのは、かえって手間がかかったので、合理的な理由から、単焦点レンズが使われることが多かったようです。ズームレンズが普及するのは、左手での操作が減ったAF一眼レフ登場後のことでした。

当時、一眼レフカメラを買うとき、基本セットで推奨されるレンズは、標準50mmでした。このレンズは、人の肉眼での見た目に最も近い焦点距離ということで、広く利用されていたのです。ズームレンズに比べると、開放F値が非常に明るい(数字が小さい)という特徴があり、背景をぼかした撮影が、いまよりも簡単にできました。また、内蔵フラッシュがないという条件では、比較的暗い場所での撮影にも有利でした。ただし、最短撮影距離が50cm程度なので、撮影倍率が低いため、小さな被写体を撮るのは、あまり得意とは言えません。ちなみに、いまでも50mmのレンズは、最新型が発売されているので、昔と同じ感覚で撮影することは可能です。ただし、一眼レフの基本セットに50mmレンズが付くことは、少なくなっています。

このような仕様のMF一眼レフカメラで撮影された、1980年当時の写真の内容は、必然的に人物や風景など、晴れた日の屋外で自然光だけを使って撮影できる、動きの少ないものが多くなります。この頃は、一眼レフを持っている人でも、交換レンズまで揃えている場合が、実はそれほど多くはなくて、50mmレンズを装着した状態でカメラボディを丸ごと収納できる、専用の革製ケースが一緒に売られていました。つまり、基本的には、何でも50mmレンズ1本だけで撮ったので、画角を変えない代わりに、構図で表現することが重要とみなされたものと推察できます。いまでも、ベテランの写真愛好家に風景写真ファンが多いのは、かつて初心者時代に使用していた、このタイプのカメラ機材の条件に影響を受けたからかもしれません。

ベテランが初心者を指導するとき、「被写体に一歩近付く」とか、「絞りを効かせる」といった言葉が出てくることがありますが、それは、まだズームレンズがなかった時代に、開放F値の選択幅が広い、単焦点50mmレンズを使って、あまり動かない被写体を撮影するという前提条件のとき、最も効果を発揮しやすい撮り方なのです。

当時のコンパクトカメラの場合

-ピント: AF(赤外光方式・AF限定でMFなし)
-ファインダー: 光学式(撮影レンズとは別)
-シャッター速度: 上限1/500秒程度(レンズシャッター)
-露出モード: プログラムAEのみ(もしくは変化のない固定露出方式)
-レンズ: 単焦点38mm程度の広角レンズ(内蔵)
-絞り: F2.8程度~F16程度(自動設定)
-フラッシュ: 内蔵フラッシュあり

1980年当時は、コンパクトカメラから先にAF化が始まり、一気にカメラという製品が大衆化しました。当時は、まだ一般家庭用のパソコンや、携帯電話、ビデオデッキなどがなかったことを踏まえた上で、どれほどカメラに対して、人々の関心が集中したのかということを、想像してください。

写真撮影が、「誰にでも簡単に」と言われるようになったのは、AFコンパクトカメラの登場以降です。とはいえ、この当時のフィルム用コンパクトカメラは、まだ一眼レフと同じレベルの性能を、すべて自動制御できるというほどではなく、はっきりと言えば、妥協点を下げて手間を省くといったレベルのものでした。それでも、自分でカメラを持ったことがない人が、新たなユーザーとして写真を撮るようになったという点では、AFコンパクトカメラは歴史的に大きな功績を残しました。

一眼レフとは異なり、コンパクトカメラではレンズ交換ができません。当初のコンパクトカメラでは、レンズは内蔵式の単焦点で、それとは別の光学系として、目視用のファインダーが必ず付いていました。撮影用レンズには、一眼レフの標準レンズよりも、ややワイドな38mm程度のレンズを採用。これは、開発まもないAFでのピント誤差を目立ちにくくする上でも、効果があったものとみられます。なお、撮影用レンズとファインダーが別々である関係から、近くにある被写体を撮影する場合に視野がズレるので、マクロ撮影は構造的にできませんでした。当然ながら、フィルム用のカメラだったので、液晶モニターはありません。

フィルム用コンパクトカメラのピント合わせは、撮影用レンズ、ファインダーとは別に、もう1つ搭載されているピント合わせ専用の光学系で、赤外光を使って距離を測り、それを撮影用レンズのピントに反映する方式。このため、最短撮影距離が比較的長くなり、被写体まで1m程度の空間が必要になっています。ゆえに、1980年当時にマクロ撮影を行う場合は、一眼レフカメラが必要でした。いまでは、光学上の焦点距離(換算しない実質焦点距離)が短いコンパクトタイプのデジカメのほうが、一眼レフよりも近接撮影に有利ですが、昔のフィルムカメラでは、コンパクトと一眼レフの近接能力が逆だったのです。なお、値段の安い機種では、レンズ付きフィルム同様に、AFでのピント合わせそのものをしないで、被写界深度だけを利用してピントが合ったように見せる、固定焦点方式のカメラもありました。このタイプの最短撮影距離は、さらに長いものでした。

コンパクトカメラの露出は、プログラムAEの全自動(もしくは固定露出)でしたが、シャッター速度は、一眼レフと比較した場合の上限速度が遅かったので、動く被写体の撮影は、当時のコンパクトカメラにとっては、かなり難しいものでした。ただし、小型フラッシュだけは内蔵されていたので、暗い場所でも気軽に撮影できる柔軟性では、一眼レフより勝っていました。ちなみに、当時の一眼レフでは、フラッシュが外付けしかなかったので、撮影準備に手間がかかりました。

このような性能を持つ、フィルム用のコンパクトカメラで撮影された写真の内容は、やはり人物の記念写真や風景などが多かったようで、花や小動物、料理などは、いまのデジカメほどには、簡単に撮れませんでした。いまでは、デジカメで花や料理を撮る人は相当に多いと思われますが、昔はそれが、カメラの性能的にみて得意ではなかったのです。逆に言うと、現在のデジカメでは、内部構造の変化とズームレンズの普及に伴い、近接性能が向上したおかげで、花や料理などの小物を撮りやすくなったので、ユーザーがカメラを向ける被写体についても、大きく変わっているものと考えられます。

しかし、1980年当時にあったフィルムのコンパクトカメラは、シャッターボタン1つだけの操作で写真が撮れるという、現在まで続く定番機能を作り出すことに成功しました。そして、ユーザーがカメラを構えてから、1コマの写真を撮り終えるまでの時間を、大幅に短縮させました。ピントや絞りを左手で操作することなく、片手で写真が撮れるというだけでも、当時は新鮮な感覚だったものです、このときを境に、もはやカメラは権威ではなくなって真に大衆のものとなり、写真の文化的側面にも、ある種の革命的な進化がもたらされることとなりました。

コンパクトカメラの普及は、写真というものの価値を、「写真屋さんに頼んで撮ってもらうもの」から、「自分専用のカメラを持って自分の意思で撮るもの」へと変革した点で、最も大きな意義を持ちます。つまり、一方的に「撮られるだけ」だった人が、それぞれに「撮影者」へと立場を変えたわけです。この当時以降、一般の人が撮影する写真の内容も、非常に幅の広いものとなり、従来のような、紋切り型のかしこまった記念写真ではない、気軽な「スナップ写真」が多く見られるようになりました。

 
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