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2008.07.11

【「表現する写真」への第一歩】
自分好みのF値で、絞り優先AEを使おう!

これまで、このコーナーで紹介してきた撮影テクニックを一言で表すなら、それは「とにかく失敗だけは避けて無難に撮る方法」がほとんどでした。これも、基礎知識としては大切なことで、記録や資料作成といった実用目的で写真を撮るのなら、この基本さえ知っていれば、9割方の課題は解決できます。「それだけで十分」というカメラユーザーの方も、現実的には、かなり多いでしょう。でも、無難なだけのものに楽しみは少ないのが世の常で、本当に写真撮影を楽しむなら、それ以上のテクニックも知る必要があります。そして、写真愛好家が愛好しているのは、決して“無難なカメラの使い方"ではなくて、平均レベル以上に工夫して撮る表現の部分です。そこで、こうした「表現する写真」を実践する場合に、まず覚えておきたいのが、絞りの効果。設定したF値に対して、画面上での写り方がどう変化するかという感覚の対比です。今回は、一度、テスト撮影(自分のカメラで試し撮りすること)をしてみて、自分好みの絞りを見つける方法をご紹介します。一眼レフを使うなら知っておいて損はないと思いますが、少々、難しい話も出てきますので、関心のない方はスルーしてください。

露出決定の考え方

どうして写真を撮るときに、露出の調節が必要なのか? 自動露出機能の素晴らしさをうたった宣伝文句はたくさんあっても、この本質的な問いの答を聞いたことは、ほとんどないに等しいですね。さて、カメラの露出は、ISO感度と、絞り値、シャッター速度の3要素で決まります。そして、露出を設定することには2つの目的があり、プログラムAE(または全自動)以外の露出モードを使う場合には、この2つの目的を混同しないよう、区別して理解する必要があります。

露出の目的1:写った画像の明るさを調節する

写真画像を適正な明るさとして写すために必要な露光量は、常に一定です。必要な露光量のレベルそのものを決めているのはISO感度で、ISO感度の数字が高くなるほど、少ない光だけで明るい写真を撮ることができます。これに対して、被写体(人やモノなどの実物)の明るさは、天気や昼夜の違い、場所などの要因によって、さまざまに変化するものです。よって、撮影状況がどうであれ、写真として写った画像の明るさを一定に保つためには、フィルムや画像センサーの感光性能と、レンズを通った被写体像(実物ではない映像)の明るさがイコールになるように、露光量を機械的な仕組みで調節してやる必要があります。これが露出制御を行う、目的の1つ。絞りとシャッター速度の組み合わせによって、レンズを通った像の明るさと、それが撮影されるための露光時間を調節すれば、被写体が明るいものでも暗いものでも、写真に撮ったときは、白トビしたり黒ツブレすることなく、画像として適正な濃度に再現されるのです。プログラムAEのみで撮影する場合は、少なくとも、この点だけ知っておいてください。そして、被写体(実物)の明るさに応じて、ISO感度の設定を変えれば、とりあえず、思い通りの明るさに写すことだけは問題なくできます

露出の目的2:作画効果を得る

任意の明るさに対して、露光量が一定になる、絞りとシャッター速度の組み合わせは、実は1通りだけではありません。例えば、絞りを1段開いてレンズを通る光を増やし、同時に、シャッター速度を1段速くして露光時間を短くした場合、その露光量は設定を変更する前と同じです。つまり、適正露出を保ったままで、絞りとシャッター速度の組み合わせは、自由に選ぶことができます。言い換えると、画像の明るさは一定不変で、絞りとシャッター速度だけ違う写真を撮ることが可能で、それぞれに画像の写り方だけを変えて、特徴的な作画効果を得ることができます。これが、露出の担う目的の2つ目です。この目的を果たすためには、プログラムAE以外の露出モードを知る必要もありますが、その活用が自在にできると、ただ撮っただけではない、撮影者の表現意図を生かしたような写真を撮ることが可能となります。実際に、どんな画面効果を得ることができるかという点は、いろいろな設定で被写体を撮ってみて、ぜひ自分のカメラと自分の目で確かめてください。

絞りと背景ボケの関係を知る実験

絞り(F値)の設定と、実際の画面効果の関係は、お手持ちの機材を使って、実験で確かめることができます。以下の要領で、テスト撮影(試し撮り)を行ってください。

使用する撮影機材

デジタル一眼レフカメラ、よく利用するレンズ
(標準ズームレンズでOKですが、望遠側のほうが画面効果は大きくなります。)

カメラの設定

露出モード=絞り優先AE
パラメーター=初期設定(ノーマル、スタンダードなど)
ISO感度=自動(なければ400)

テスト撮影する被写体の選択

自分の好みで、何を選んでもOKですが、背景に奥行きがあるほうが、被写界深度と背景ボケの効果がよくわかります。風景なら、身近にある公園や並木道などで良いでしょう。このとき、写る画面内の手前側に、何かよく目立つモノを、目印として写し込むようにしてください。もし、何もなければ家族や友人に協力してもらって、記念写真を撮るときのように、カメラの前に立ってもらいましょう。なお、天気が良い日の昼間で、順光(逆光ではないこと)のほうが、シャッター速度に余裕があって撮りやすいです。

テスト撮影の方法

同じ場所、同じ被写体、同じ構図、同じ画角(ズームレンズの焦点距離)、同じピント位置で続けて撮影します。つまり、変えていくのは、絞り優先AEの絞り値だけです。まず、目立つ被写体(または人物)にピントを合わせた後、マニュアルフォーカスに切り替えてピント位置を固定。この状態で、絞り値を開放絞りから最小絞り(F値の小さいほうから大きいほうへ)、1コマごとに、絞り値を1段ずつ変えながら撮影します。結果として、同じシーンを全部の絞り値(1/3段ではなく1段刻みでOK)について撮影することになるわけです。なお、シャッター速度がAEに連動して変化し、最小絞り側ではスローシャッターになることがあるので、手ブレに注意してください。できれば、三脚を利用したほうが、作業はラクです。撮影後は、全コマをパソコンに転送して画像を再生するか、または全コマをプリントしてください。

絞りの効果を検証

前述の要領でテスト撮影した一連の写真を比較すると、何か気が付くことがあると思います。いかがでしたか? どの写真でも、カメラのファインダーでピントを合わせた目印部分の写り方は同じですが、背景のボケ具合は、絞り値の変化に比例して、少しずつ変わっていますよね。絞り値の違いと、背景の写り方の関係は、例えるなら、湖の水面に浮かんだモノを眺めるときの、水の透明度の違いのように感じられるはずです。絞りが開放近くでは、背景はボケて不鮮明ですが、絞っていくと(F値の数が増すごとに)次第に、背景まで輪郭が鮮明に写るようになります。これが、背景ボケと呼ばれる作画効果です。一連の写真を見比べてみて、どれか特に気に入った写り方はありましたか?

では、絞りの効用が理解できたところで、すべての撮影結果の中から、自分の好みに合うものを何点か選んでください。そして、該当の画像データを、パソコンで表示してみましょう。このとき、カメラを買った際に同梱されていたCD-ROMの閲覧ソフトを利用すれば、JPEGデータと一緒に付いている撮影データの数値を見ることができます。この数値を参照することで、感覚的に自分の好みに合った写真の絞り値を、後からでもたどることができるのです。

さて、ここまでできたら、次はレンズを交換して、あるいはズームレンズの焦点距離を変えて、また同様にテスト撮影してみてください。すると、レンズの焦点距離によっても、背景ボケの描写が変わることが理解できます。望遠レンズや広角レンズなどの焦点距離の違いは、見た目の画角を変えるだけでなく、撮影された写真の背景ボケを変えることもできるのです。こうして、自分好みのボケ味がつかめたら、そのときの絞り値は、実践での参考のために覚えておきましょう。

テストではない実際の撮影では、テスト撮影と同様の試行錯誤を毎回行うことは、もちろんできません。しかし、テスト撮影を行って、絞り値を設定する目安だけ先に知っておけば、撮影する前に結果を想像することはできるようになるはずです。こうして絞りの感覚を体感しておくことで、カメラ任せではなく、自分の意思を反映した高度な露出決定が、必ずできるようになります。実践で撮影したいシーンに出会ったときには、絞り優先AEを選んで、好みのボケ味に合う絞り値をセットすればOK! こうすれば簡単に、思い通りの写真が撮れることでしょう。ここまでの表現テクニックをマスターできたら、もう初心者は卒業です。

ただ撮るだけの写真から、表現する写真へ

カメラのレンズは、ピントが合っていない部分の写り方も、絞りを使って自由に変えることができる。このことを知ると、どんな被写体を撮る場合でも、写真の構図を強く意識するようになります。四角いフレームの中で、どの部分にピントを合わせて、どの部分に背景ボケを配置するか? そんな3次元的な画面構成を考えながら撮影するとなれば、もはや構図を無視することはできません。こうなると、日の丸構図(画面の中央に主要被写体を配置する撮り方)だけではもの足りなくなって、同じ画面内に2つ以上の被写体を取り込んだり、また、それらの位置関係にも関心が向くようになります。抽象的な言い方ですが、「まわりが良く見えてくる」といった感覚です。

こうなってくると、ぼかして写す背景さえも、画面の周辺にある余分な残り物などではなく、それなりに意味のある空間として見られるようになります。1つの画面内に、「撮りたい被写体と、仕方なく写った付属物」があるのではなくて、「画面内にあるすべてのものが、被写体として相互に関係している」と感じられるようになるのです。こういった感覚が身に付いてくると、写真で表現できることも非常に幅広くなるでしょう。それこそが、写真で表現する楽しみなのです。

日の丸構図は、レンズの光学特性に照らし合わせて考えれば理にかなった撮り方で、資料用の記録写真を撮影する場合は、画像のひずみも少なく、正確さという点では最適です。しかし、作品としての芸術的価値がある、「表現する写真」を撮るのなら、構図を吟味し、被写体の配置を工夫した個性ある撮り方にも、また違う魅力があります。背景ボケを演出するなら、「ここに背景ボケがありますよ」という作画意図がよく伝わるように撮るほうが効果的なので、その場合は、日の丸構図を外した撮り方でも良いということになるわけです。

コンパクトデジカメの場合は、内蔵レンズの焦点距離が短いので(35ミリ判換算しない実質焦点距離)、通常の撮影では、背景ボケがあまり強くは現れません。つまり、もともとから、被写界深度や背景ボケをあまり考えなくて良い仕組みになっています。また、アスペクト比が4:3で画面の横方向が短いため、もともと背景が広くは写りません。よって、コンパクト機で撮影した写真は、自ずと主要被写体だけが目立つ画面構成になります。このため、コンパクト機で撮った写真は、どちらかというと実用志向の写真になりがちなのです。ただ、これも資料用の写真の撮り方としては最適で、必ずしも愛好家とは限らないカメラユーザー全体の、多様なニーズを満たす汎用性には優れています。

これに対して、デジタル一眼レフでは、使用するレンズの焦点距離がコンパクトデジカメよりも一様に長いので、作画効果としての背景ボケが大きく現れます。つまり、デジタル一眼レフの場合は、絞りの使い方によって、ボケ味の描写を自在に表現できるだけの余地があるのです。また、アスペクト比が3:2と画面の横方向が長めなので、主要被写体と背景の位置関係を工夫することもできます。こうした点で、一眼レフのほうが、作者の個性を反映した、文字通り「奥の深い」表現が可能となるわけです。もちろん、一眼レフでも一様にピントが合った写真は撮れますが、写し方をどうするか決めるのは、撮る人自身の感性。人それぞれのお好み次第で、いろいろなパターンがあって良いのです。

実際に撮影した背景ボケのある写真の例

この写真は日本庭園で、あやめの花と、その後ろの池と、あずま屋をからめて撮影したものです。ピントは手前の花にあり、背景はぼかしています。露出モードは絞り優先AEで、F5.6に設定。APS-Cサイズのデジタル一眼レフに望遠ズームレンズを装着して、光学上の焦点距離は120mm。画角を35ミリ判換算すると、約1.6倍のミリ数に相当します。

背景ボケは、このくらいの絞り値では、完全にボケることはなく、輪郭がわかる程度に、ゆるやかなボケ味として描写されます。レンズのボケは、このように抑え気味の表現も可能で、単色で塗りつぶしたようにボケるのでも、画面の全体がシャープでまったくボケないのでもなく、その中間で自由自在に、絞りを使ってボケ味を微調整できるのです。こうした微妙な表現ができるのも、絞りを数値で設定する方法のメリット。シーン選択モードだけでは、ここまで細かい設定はできません。風景写真の場合、何でもシャープに写れば良いと先入観を持たれることも多く、風景用のプログラムAEに任せても、その傾向があったりしますが、このようにボケ味を生かした風景写真というのも、撮り方の一つとしては選んで良いのです。

この写真では、奥のほうに同じ緑色系の木の葉が一かたまりになっていて、しかも、その占める領域がたくさんあるので、背景まではっきり写ってしまうと、せっかく咲いている手前の小さな花が周囲に埋没して、あまり目立たなくなる可能性があります。そこで、背景を少しだけぼかすことで、画面全体の風景としてのまとまりは残しながら、花の存在も引き立つような構図にまとめました。このとき、写真の明るさを決めているのは、内蔵露出計で測光された数学的に一定不変の解ですが、その露光量を、どのように絞りとシャッター速度に配分するかというところは、自分で勝手に決めて良いのです。

ここに挙げた写真の撮り方が、みなさんのお好みに合うかどうかはわかりませんが、絞り優先AEを使う場合の、一つの目安として参考にしてみてください。なお、絞りをもっと開く(F値の数を小さくする)と、背景ボケはさらに大きくなり、絞ると背景までくっきりと再現されます。どの程度の絞り値を選ぶかということに正解はないので(それが表現の自由というものです)、みなさんが撮影するときは、前述したテスト撮影の方法で探した、自分の好みにあう絞り値を選んでください。なお、絞り優先AEを使う被写体は、日本庭園と花の景色に限らず、どんなものにも応用できます。何を撮るかは、ご自身の感性で、制約なく自由に選んでください。

 
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