軽さは正義の大三元ズーム|タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXDレビュー

岩本あきら
軽さは正義の大三元ズーム|タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXDレビュー

はじめに

今回はタムロンから2026年3月26日に発売された「35-100mm F/2.8 Di III VXD(A078)」のZマウントを先行で使わせていただいたので、レポートしていきたいと思います。

まず、疑問に思ったのが、タムロンには「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」という優秀なポートレートレンズの存在がある中で、なぜ「35-100mm F/2.8 Di III VXD」を開発する必要があったのか?という点。

実際に私も、ある企業プロモーションの映像撮影現場で「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」をメインに使用したので、感じているところは同じかと思いますが、最高の描写とボケを生み出す反面、研修や発表の様子を長時間動画撮影する中でネックだったのが大きさ、重さでした。その後、「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」に入れ替えた経緯がありました。

35-100mm F/2.8 Di III VXDの主な仕様と特徴

焦点距離 35-100mm
明るさ F2.8
レンズ構成 13群15枚
最短撮影距離 0.22m (WIDE) / 0.65m (TELE)
最大撮影倍率 1:3.3 (WIDE) / 1:5.9 (TELE)
フィルター径 φ67mm
最大径 φ80.6mm
長さ 119.2mm (ソニー Eマウント用)
121.5mm (ニコン Zマウント用)
質量 565g (ソニー Eマウント用)
575g (ニコン Zマウント用)
絞り羽根 9枚(円形絞り)
最小絞り F22
標準付属品 花型フード、フロントキャップ、リアキャップ
対応マウント ソニー Eマウント用、ニコン Zマウント用

 

ポイントとしては、35-150mmの長さが160.1mm(Zマウント)に対して、35-100mmが121.5mmと4cm近くも短くなり、重さも35-150mmが1190g(Zマウント)に対して、35-100mmは575gとなり、約半分の重さまで軽量化されているところは驚きです。

28-75mm F/2.8 Di III VXD G2との違い

ワイド端サイズ比較
左:35-100mm 右:28-75mm G2

今度はタムロンの定番レンズ「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」と比べてみると、ほぼ長さは変わらないです。テレ端までズームした場合も、繰り出す長さもほぼ変わらないと言っても良いと思います。

テレ端サイズ比較
左:35-100mm 右:28-75mm G2

重さは、28-75mm G2が550g(Zマウント)に対して、35-100mmは575gと、その差はわずかです!あとは必要とする焦点距離によって、選び方が変わってくるのかな?と思います。

他にも細かい点を見ていくと、ズームリングが手前(カメラ側)になっているのも個人的には嬉しいポイントで、28-75mm G2だとズームリングが外側にあるのが慣れなくて、操作を間違うことが多々ありました。以前にご紹介した「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」もズームリングは手前なので、合わせて使うなら35-100mmの方が相性が良いのかなと感じています。

目で見えない点での違いをお伝えすると、35-100mmはズームリングの動きが非常に滑らかになっており、動きに高級感があります。28-75mm G2はズーム操作をすると擦れるような感触があり、ややチープに感じます。またレンズの形状、デザインも35-100mmの方が太さとくびれもあって個人的に好みです。

昼間のスナップ写真

今シーズン最大の寒波の影響で、各地大雪となった日に姫路に行く予定があり、雪が降っていないタイミングで姫路城周辺でスナップした写真を紹介したいと思います。

■撮影機材:Nikon ZR + TAMRON 35-100mm F/2.8 Di III VXD A078Z
■撮影環境:100mm F4 1/1250s ISO180

まずは定番に正面から100mm F4で撮影。お城の輪郭もシャープで立体感も感じられます。手前の橋の前ボケもとても綺麗です。

■撮影機材:Nikon ZR + TAMRON 35-100mm F/2.8 Di III VXD A078Z
■撮影環境:100mm F8 1/500s ISO110

お城に近づきF8に絞った写真がこちらで、絞っていくとよりシャープに写る印象です。

■撮影機材:Nikon ZR + TAMRON 35-100mm F/2.8 Di III VXD A078Z
■撮影環境:35mm F2.8 1/500s ISO140

ワイド端35mmで開放のボケ感はこんな感じです。ニコンの単焦点と比べると少し柔らかみのある優しい表現になるのかな?といった印象です。木の肌はしっかり解像していて、ボケのグラデーションも綺麗だと思います。

■撮影機材:Nikon ZR + TAMRON 35-100mm F/2.8 Di III VXD A078Z
■撮影環境:50mm F8 1/250s ISO140

手前の石碑とお城がある程度ピントが合うようにF8で撮ったものになります。

■撮影機材:Nikon ZR + TAMRON 35-100mm F/2.8 Di III VXD A078Z
■撮影環境:51mm F22 1/25s ISO110
■撮影機材:Nikon ZR + TAMRON 35-100mm F/2.8 Di III VXD A078Z
■撮影環境:35mm F22 1/20s ISO100

スローシャッターにして、絞ってバスを流し撮り。

■撮影機材:Nikon ZR + TAMRON 35-100mm F/2.8 Di III VXD A078Z
■撮影環境:64mm F2.8 1/3200s ISO500

ポストが可愛かったので開放で撮影。

■撮影機材:Nikon ZR + TAMRON 35-100mm F/2.8 Di III VXD A078Z
■撮影環境:35mm F4 1/60s ISO400

雪が降り出し、急激に寒くなったのでラーメン店へ。

■撮影機材:Nikon ZR + TAMRON 35-100mm F/2.8 Di III VXD A078Z
■撮影環境:100mm F8 1/400s ISO125

雪が止み、少し晴れ間が出てきて、姫路駅から撮った姫路城。

夜のスナップ写真、動画

今度は「しあわせ回廊 なら瑠璃絵」を見に行った時の写真と動画です。最初に訪れたのは、東大寺のライトアップ。外側からしか撮影は出来ないのですが大仏様のお顔を見ることが出来ました。

■撮影機材:Nikon ZR + TAMRON 35-100mm F/2.8 Di III VXD A078Z
■撮影環境:35mm F2.8 1/60s ISO25600
■撮影機材:Nikon ZR + TAMRON 35-100mm F/2.8 Di III VXD A078Z
■撮影環境:100mm F2.8 1/60s ISO25600

かなり暗かったのでISO25600まで上がってノイズ感はありますが、雰囲気は伝わるのではないでしょうか?

■撮影機材:Nikon ZR + TAMRON 35-100mm F/2.8 Di III VXD A078Z
■撮影環境:35mm F2.8 1/60s ISO1250

庭園のイルミネーションがとても綺麗でした。

こちらは動画からの切り抜きにはなりますが、玉ボケの様子になります。

全て開放で撮っていますが、中央はしっかり丸ボケになっていることがわかるかと思います。画面周辺にいくにつれレモンボケ、樽型のボケになっていきます。比較的丸ぼけも綺麗ですし、状況によっては輪郭が出るところもありますが、綺麗な形をしています。玉ねぎボケもそこまで出ていないので、レンズの質も良いと思います。

TAMRON Lens Utility Ver.5.0

35-100mm F/2.8の発表と同時にTAMRON Lens Utilityもバージョンアップされました。モバイル版が新たにiPhone(iOS)に対応し、しかもワイヤレス接続(接続には別売りのTAMRON-LINK(Model TL-01)が必要)が可能となり、追加機能も入りました。もちろん35-100mm F/2.8も対応していて、単一のボタンだけではなく、カスタムスイッチの切り替えが付いていて、3種類の割り当ても出来るようになっています。

新しいTAMRON Lens Utilityの詳細はこちらの動画をご覧ください。

まとめ

使用用途に合わせて、35-100mmの焦点距離がマッチするようであれば、とてもお勧めできるレンズに仕上がっていると思いました。個人的には同社広角ズームの「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」との組み合わせが最強なのではないかと考えています。この2本があれば16-30、35-100mmを軽量、コンパクトに持ち歩けるのはとても嬉しいですし、業務での使用もしやすいので、所有している28-75mm G2との入れ替えも考えたいと思っています。

全体としてのバランスも良いですし、ワイヤレス化したTAMRON Lens Utilityの機能を使うことで、より表現の幅も広がるかと思います。今後もタムロンのレンズに注目したいと思います。

 

 

■ビデオグラファー:岩本あきら
愛知県名古屋市出身。奈良県在住。2022年3月ビデオグラファーとして初のNikon公式 Nikon Creatorsに登場。大手企業プロモーションをはじめ、ライブ、学校行事の動画撮影などを行う。また、カメラ系インフルエンサーとして機材のレビュー、検証、ハウツー動画を発信。ジンバル撮影を得意とし、精度の高い都市景観撮影にも定評がある。

 

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