タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXDレビュー|1本で楽しむ桜スナップ

渡邉真弓
タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXDレビュー|1本で楽しむ桜スナップ

はじめに

いよいよ春。撮影が楽しくなる季節到来。
今回は、静岡県熱海市で撮影したあたみ桜と一緒に、タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXDを紹介する。桜撮影のヒントもあわせてお伝えするので、これからのシーズンにぜひ参考にしてほしい。

35-150mm F/2-2.8 Di III VXDを桜さんぽでおススメする理由

タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXDはフルサイズミラーレス一眼カメラ対応ズームレンズで、スナップに欠かせない35mmから望遠150mmまでをカバーした、まち歩きや旅にも「ちょうどよい」焦点距離なのが特徴。しかも、広角端で開放F2、望遠端でもF2.8と、ボケ感コントロールもしっかり楽しめるのが良い。

対応マウントは、ソニーEマウントとニコンZマウント。Eマウント用は2021年10月、Zマウント用は2023年9月に発売された。ちなみに筆者が35-150mm F/2-2.8 Di III VXDと出会ったのは2025年冬と最近のこと。たまたまこのレンズで撮る機会があり、その描写とスペックに驚き、手元に置きたいと思いあっという間にお迎えしてしまった。なお、今回はニコン Z5IIで撮影している。

それでは、タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXDと一緒にあたみ桜の撮影に出かけよう。

■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:35mm 1/1600秒 f/4.5 ISO400

あたみ桜の名所、糸川遊歩道へ | レンズ交換なしでいろいろ撮れる!

あたみ桜は早咲きの桜で、1月中旬から2月上旬が見ごろ。河津桜より早く咲くので、一足先に春を感じられるのが嬉しい。早速、糸川遊歩道へ向かう。

■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:52mm 1/1600秒 f/3.2 ISO200

逆光にキラキラと輝く桜並木。
手前の桜にピントを合わせるほうが、桜の迫力は出る。
ただ、この時は残念ながら散りかけていた。そこで、光が綺麗にあたる奥の桜に注目。手前は前ボケの表現に切り替えて撮影した。
焦点距離は52mmをセレクト。
35-150mm F/2-2.8 Di III VXDは焦点距離が35mmから150mmまであるので、微妙な調整がしやすい。
トンネル効果も相まって、奥の桜の立体感が際立つ写真になった。

■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:150mm 1/1250秒 f/4.5 ISO400

青い空だと桜の優しい色が映える。
すっと空にむかって咲く桜。
これはアップで捉えたい。そんなときに望遠端150mmが活躍する。

さて、同じ場所から焦点距離だけ変えて撮影をするとどんな風に変化するだろう。
広角端35mm、中望遠70mm、望遠150mmと撮り比べるとよくわかる。

35mm

70mm

150mm

1本で様々な撮影が楽しめる。それが、タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXDだ。

撮影していると、鳴き声が聞こえてきた。メジロだ。

■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:150mm 1/1000秒 f/4.5 ISO800

メジロに遭遇 | 高速・高精度AFがとっさの「撮りたい」を叶える

メジロが桜の蜜を吸いにあちこちを飛び交い始めた。
35-150mm F/2-2.8 Di III VXDはリニアモーターフォーカス機構VXDを採用しており、ピント合わせが快適。素早い動きにもとっさにピントが合い、可愛らしいシーンをたくさん撮ることができた。

■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:150mm 1/800秒 f/4 ISO640
■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:150mm 1/1250秒 f/5 ISO640
■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:150mm 1/1600秒 f/2.8 ISO640

全て望遠端150mmで撮影。もっと望遠のレンズでアップで撮りたいという人もいるだろう。ただ、この「桜風景の中のメジロ」というシーンは、メジロの背景はもちろん全体の構図にも気を配りながら撮影をする必要があり、メジロの動きにあわせたとっさの判断が求められる。総合力が試されるシーン。35-150mm F/2-2.8 Di III VXDは望遠端もF2.8と明るいので、天候が多少悪くともシャッタースピードを稼ぐことができる。ぜひ挑戦してみてほしい。

もう一歩近づきたい | 広角端35mmの最短撮影距離0.33m!

■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:35mm 1/2000秒 f/2.2 ISO400

丁寧に見つめると、桜の繊細さに驚く。
35-150mm F/2-2.8 Di III VXDは広角端35mmでは最短撮影距離0.33m。
ぐっと近づいて撮影できるのもこのレンズの魅力。
手元近くの桜を撮影するとふんわりと柔らかい世界が広がった。
このふんわりなボケ感は広角端35mmでF2のおかげ。

その場所ならではの桜スナップを | 自分ならではの視点を活かす

糸川遊歩道はさすが名所だけあり、平日でも人が多かった。
人の多い場所では、不要な写り込みを避けるためにも、桜をアップで撮りがちになる。
しかし、35-150mm F/2-2.8 Di III VXDを活用することで、「糸川遊歩道ならではの桜写真」を撮ることができる。

■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:85mm 1/4000秒 f/2.7 ISO400
■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:70mm 1/2500秒 f/5 ISO2500

1枚目は標識と桜が主役。絞りはF2.7で標識と桜が浮き上がるようにし、かつ人込みは背景としてぼかしつつ、混んでいることが伝わるようにした。
2枚目は川にかかる橋がうまく重なるアングルを見つけ撮影。中望遠70mmの圧縮感を活用し、桜並木と熱海の街並みを捉えた。ちょうど通りがかった黄色と赤色のウェアを着た人がアクセント。

夕方になるとライトアップが始まる。

■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:150mm 1/80秒 f/2.8 ISO1500

35-150mm F/2-2.8 Di III VXDは明るいレンズなので、ISO感度を抑えながら手持ち撮影もしやすい。

■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:61mm 1/160秒 f/2.5 ISO800

桜の木の下にあるバス停と出会った。この桜の木が「あたみ桜基準木」だそう。

■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:94mm 1/160秒 f/2.7 ISO800
■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:113mm 1/80秒 f/4 ISO400

1枚目と2枚目は場所を変えて撮影した。
2枚目は、バス停からバスが発車するシーン。手前の木が前ぼけになるアングルを見つけ、イメージどおりになるよう焦点距離を調整。シャッタースピードは1/80とし、バスをわざとぶらし、動きを表現した。

まちスナップの要素を桜撮影に組み込むことで、自分ならではの視点を活かす撮影ができるのではないかと思う。35-150mm F/2-2.8 Di III VXDのおかげで、幅広い撮影が楽しめた。

おわりに

タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXDは長さ160.1mm、質量1,190g。すこし大きく感じる人もいるかもしれないが、レンズ交換をしなくても準広角から望遠撮影まで選択でき、広角端F2という明るさを持ちながら150mmまでカバーする、大口径ズームであることが大きな魅力。タムロンのホームページでは「ポートレートズーム」と表現されているとおり、ポートレートはもちろんのこと、今回のように桜、まちスナップ、旅行…さまざまなシーンで大活躍するだろう。

描写もよく、逆光でも光をきれいに捉えてくれるレンズだと感じた。
これからの季節の撮影にもぴったりの1本。

ソニーユーザー、ニコンユーザーはぜひ一度使ってみて。

■撮影機材:ニコン Z5II + タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
■撮影環境:150mm 1/1000秒 f/4.5 ISO800

 

 

■写真家:渡邉真弓
札幌在住。日常をモチーフに「時の有限性」「薄れゆく記憶」について考察する作品を制作。「写真と一緒にくらしを楽しむ」をキーワードに、写真教室、写真にまつわる執筆・企画提案、撮影など幅広く活動している。北海道カメラ女子の会代表、フォトフェスCuiCui 事務局代表、京都芸術大学通信教育部美術科写真コース非常勤講師。地方自治体と地域振興プロジェクトも展開中。

 

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