テーブルフォトのフレーミング 自然な余白の作り方|Nana*

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テーブルフォトのフレーミング 自然な余白の作り方|Nana*

はじめに

こんにちは。Nana*です。前回は基本の構図と配置について紹介しましたが、今回は配置したものをどう切り取るか、つまりフレーミングについて紹介したいと思います。特に、余白を自然に見せるためのポイントに絞ってお伝えします。

写真における余白の役割とは?

フレーミングを考える上で切り離せないのが余白感です。余白というと、単に「何も写っていない空間」だと思われがちですが、実はそうではありません。余白は、被写体をどう見せるかという判断の結果として画面に現れるものであり、同時に、被写体の存在感を際立たせたり、視線の流れを作ったり、写真にゆとりやリズムを持たせたりする役割も担っています。

余白が足りないとフレーム内が窮屈になりますし、逆に余白が多すぎると、今度は被写体への視線の集まりが弱くなってしまいます。この二つのバランスをどう取るかが、フレーミングを考える上で重要なポイントになります。ただし、余白のバランス自体を最初から狙って作ろうとすると、かえってぎこちなくなりがちです。まずは被写体をどう見せたいかを決め、その結果として余白が整っていく、という順番で考えるのがおすすめです。

テーブルフォトにおけるフレーミングのルール

では、具体的にどんなことを意識すれば、余白が自然に整っていくのか、いくつかの作例とともに紹介していきます。

被写体の形状とフレームの向きを合わせる

縦長の被写体を横構図で撮ると、上下の余白が窮屈になりやすく、余程広い画角で切り取らない限り、バランスの良い余白を作るのは難しくなります。反対に、被写体の形状に合わせて縦構図に変えるだけで、同じ撮影距離でも余白が自然に整うことがあります。

縦長の被写体を横構図で撮影したもの。左右に対し、上下の余白が極端に少ない。
同じ撮影距離のまま、カメラの向きを変えるだけで適切な余白感に。
■撮影機材:SONY α7 V + FE 100mm F2.8 Macro GM OSS
■撮影環境:F4 1/60秒 ISO100
横長の被写体は横構図にして。
■撮影機材:SONY α7 IV + Carl Zeiss Makro Planar T* 100mm F2
■撮影環境:F値不明 1/60秒 ISO100
対角の長さを活用して配置する方法も。
■撮影機材:SONY α7 IV + Carl Zeiss Makro Planar T* 100mm F2
■撮影環境:F値不明 1/60秒 ISO100

安定感を生む余白の取り方

次の写真を見た時、何か違和感を感じませんか。

この写真のように、被写体がテーブルの上に乗っていることが分かる構図の場合、被写体の下側に余白を空けてフレーミングすると、重力に逆らって浮いているように見え、違和感が出やすいと感じています。
重力を考えると、次の写真のように、被写体の上側に余白を空けてフレーミングした方が、自然な安定感が生まれ、圧迫感も感じにくくなります。

■撮影機材:SONY α7 V + FE 100mm F2.8 Macro GM OSS
■撮影環境:F4 1/60秒 ISO100

もちろん、アングルや背景との組み合わせなどによっては例外もありますが、商品写真を撮影する場合には違和感を排除した方がダイレクトに魅力が伝わりやすくなります。

高さのないものはハイアングルで切り取る

プレートに盛られたサラダやトーストのように、高さのない被写体を水平に近いアングルで撮ると、フレームの中で占める被写体の面積が小さくなり、余分な余白ができやすくなります。

■撮影機材:SONY α7 V + FE 85mm F1.4 GM II
■撮影環境:F4.5 1/50秒 ISO100

このような被写体は、次の写真のように、ハイアングルから見下ろすように切り取ると、被写体が占める面積を適切に確保でき、余白のバランスも整いやすくなります。

■撮影機材:SONY α7 V + FE 85mm F1.4 GM II
■撮影環境:F4.5 1/125秒 ISO100

縦長のものと横長のものを同一フレームに入れない

縦方向に伸びるものと横方向に伸びるものを一つのフレームに一緒に収めようとすると、双方の余白の必要量が競合し、どちらかが窮屈になったり、逆に余白全体が間延びしたりしやすくなります。

横長のオーバルプレートと縦長のワインを同一フレームに配置した例。余白が偏りバランスが崩れやすい。

こうした場合は、フレーミングの段階で、縦・横どちらを主役にするかをあらかじめ決めておき、脇役はフレームアウトさせると、余白のバランスが崩れにくくなります。

■撮影機材:SONY α7 IV + FE 85mm F1.4 GM II
■撮影環境:F4 1/60秒 ISO100

全てをフレーム内に収めたい場合は、次の写真のように、フレームの中心に円(楕円)を描き、その円の内部に収めるように、プレートを斜めに配置すると余白が偏りにくくなります。

フレーミングによる見え方の違い

配置したアイテムを全て画角内に収めることだけが、選択肢ではありません。2つ前の作例のように、あえてアイテムの一部をフレームアウトさせる、という方法もあります。そうすることでフレームの外にも続きがあるように感じられ、作為的な印象が和らぎます。

■撮影機材:SONY α7 IV + FE 85mm F1.4 GM II
■撮影環境:F4.5 1/60秒 ISO100

反対に、アイテム全てをフレームに収め、余白を活かしたフレーミングは、静かで落ち着いた、まとまりのある印象に仕上がります。どちらが正解というわけではなく、写真のイメージに合わせて選んでみてください。

■撮影機材:SONY α7 IV + FE 85mm F1.4 GM II
■撮影環境:F5 1/60秒 ISO100

さいごに

今回挙げたポイントは、いずれも絶対的なルールではありませんが、根底では「フレーム内のバランスをどう取るか」という一つの原理で繋がっていると考えています。程良い余白とは、予め決められた比率や型に当てはめて得られるものではなく、被写体をどう見せたいかをベースに、その都度整えていくものだと思います。ぜひご自身の撮影でも試してみてください。

 

 

■フォトグラファー:Nana*
スティルライフフォトを中心に、広告撮影、動画撮影、アートディレクション、プロップスタイリング、グラフィックデザインなどのクリエイティブ制作に携わる。パーソナルワークとして2013年から暮らしをテーマに写真を撮り続けている。
2018年4月よりNHK文化センター青山教室「AURORA写真塾」講師

 

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