シグマ 24mm F2 DG DN Contemporary レビュー|Iシリーズ2本目の明るい24mm登場!

三井公一

SIGMA 24mm F2 DG DN  Contemporary.jpg

はじめに

 シグマから新しい単焦点レンズが登場しました。シグマの創立60周年記念日に発表された、この「24mm F2 DG DN | Contemporary」は、高いビルドクオリティと描写が人気の「Iシリーズ」に加わります。すでにこのシリーズには開放F値が異なる「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」が存在しますが、同時に発表された「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」と合わせて6本のラインナップに拡充されました。

 24mm(2タイプ)、35mm、45mm、65mm、90mmと、広角から望遠まで「Iシリーズ」だけでも十分に撮影が楽しめるような陣容になってきましたね。軽量コンパクトながら高品位なプライムレンズは撮影気分を高めてくれます。

24mm F2 DG DN | Contemporaryの特徴

 このレンズはIシリーズに属するので、とても素晴らしいレンズに仕上がっています。フルメタルの外装をまとい、カチカチと節度感の高い絞りリングを備え、高品位なメタル製花形フードが付属します。実際にこのレンズを手にすると、ヒンヤリとした素材感とともに適度な重量を感じられ、「モノ」としての存在感を確実に味わうことができるでしょう。所有する悦びを感じられますね。また、ユニークなプロモーションビデオで話題を呼んだマグネット式レンズキャップも同梱されます。

 見た目だけではなく、光学性能ももちろん高められています。11群13枚のレンズ構成で、SLDガラス2枚、FLDガラス1枚、ガラスモールド非球面レンズ2枚を使用して各種収差を良好に補正し、画面中心部から周辺部まで解像感高い写りを実現しています。また、絞り羽根は9枚の円形絞りです。最短撮影距離は24.5cm、フィルター径は62mmという仕様です。フレアやゴーストの発生を低減するシグマ独自のスーパーマルチレイヤーコートも施されています。このレンズはミラーレス一眼カメラ専用設計となっており、小型軽量化に配慮しつつ画質を最大限に高めています。

 レンズ鏡筒のサイド部には、円弧方向に動かすフォーカスモード切替えスイッチを備えています。これはとても操作しやすいので気に入った部分です。オートフォーカスはステッピングモーターを採用して、動画撮影時でも静かかつ高速に合焦するようになっています。また、簡易防塵防滴構造になっているので、悪天候時でも安心して撮影ができるのがうれしいところです。

 「SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary」はより明るく、さまざまなシチュエーションでボケ味を活かした描写を楽しめる24mmレンズになっています。

高品位なプライムレンズ「24mm F2 DG DN | Contemporary」

 鬱蒼とした草が生い茂る日陰の斜面をチョイ絞りで撮影しました。明るい部分から暗い部分にかけての写りが何とも言えません。このレンズはちょっとした森のディテールを豊かにキャプチャーしてくれました。

SIGMA 24mm F2 DG DN作例.jpg
■使用機材:SIGMA fp+24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2.8 1/80秒 ISO-100 露出補正-2.7

 24mm F2 DG DN | Contemporaryは開放F2と明るく、最短撮影距離24.5cmと寄れるレンズです。これに世界最小最軽量のミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp」を組み合わせれば、大きなボケを楽しむことができるのです。このカットは塀の住所表示に迫ったものですが、24mmのワイド感とボケ味を表現することができました。

SIGMA 24mm F2 DG DN作例 (2).jpg
■使用機材:SIGMA fp+24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/1250秒 ISO-100 露出補正-1.7

 24mm F2 DG DN | Contemporaryは光学的に収差を封じ込め、カメラボディでのデジタル補正と相まって、被写体を正確に表現します。建造物の直線もスッキリときれいに写し撮ってくれます。

SIGMA 24mm F2 DG DN作例 (3).jpg
■使用機材:SIGMA fp+24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/22 1/25秒 ISO-125 露出補正-0.3

 24mmという画角はスナップ撮影から風景撮影まで活躍します。誇張されすぎない広がり感は、自然な雰囲気を壊しません。24mm F2 DG DN | Contemporaryは6100万画素の「SIGMA fp L」の解像力にも余裕を持って応えてくれました。歴史ある建物のカッチリとした描写が頼もしいですね。

SIGMA 24mm F2 DG DN作例 (4).jpg
■使用機材:SIGMA fp L+24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/8 1/160秒 ISO-100 露出補正-2.0

 24mm F2 DG DN | Contemporaryの開放F2という明るさは、情感あふれるシーンを見た目そのままに捉えます。古いお屋敷の土間を撮りましたが、レンズの明るさと、F2での解像力とで狙ったとおりの仕上がりとなりました。

SIGMA 24mm F2 DG DN作例 (5).jpg
■使用機材:SIGMA fp L+24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/30秒 ISO-100 露出補正-2.7

 F2と明るく寄れる24mm F2 DG DN | Contemporaryはシーンを印象的に撮影可能です。「パナソニック LUMIX S5」で、竹の節目にフォーカスしてシャッターを切りましたが、芯のあるピント面と背景のガウス感、そして玉ボケが素晴らしいカットになりました。このレンズだから撮れるカットと言えるでしょう。

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■使用機材:LUMIX S5+SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/60秒 ISO-800 露出補正0

 開放での描写が魅力ですが、チョイ絞りで撮るとよりシャープネスと解像感が増してキリリとしたカットになります。土蔵の立体感がまるで肉眼で見ているようではありませんか。

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■使用機材:LUMIX S5+SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/6.3 1/60秒 ISO-320 露出補正-0.7

 24mm F2 DG DN | Contemporaryは明るいワイドレンズを求めているフォトグラファーにオススメの1本です。何よりも美しくカッコよいルックス、そして操作感、文句のつけようのない描写は、長期間に渡って撮影のパートナーになってくれることでしょう。このような暗い室内でも精細感ある写真を手にすることが可能です。

SIGMA 24mm F2 DG DN作例 (8).JPG
■使用機材:LUMIX S5+SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary
■撮影環境:f/2 1/60秒 ISO-250 露出補正-1.3

24mm F2 DG DN | Contemporaryのスペックを確認

レンズ構成枚数:11群13枚
画角:84.1°
絞り羽根枚数:9枚 (円形絞り)
最小絞り:F22
最短撮影距離:24.5cm
最大撮影倍率:1:6.7
フィルターサイズ:φ62mm
最大径 × 長さ:L マウント φ70mm × 72mm
ソニー E マウント φ70mm × 74mm
※ 長さはレンズ先端からマウント面までの距離です。
質量:L マウント 365g
ソニー E マウント:360g
エディションナンバー:C021
付属品:マグネット式メタルキャップ(LCF62-01M)、花形フード(LH656-02)

まとめ

 「SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary」は、「モノ」としての仕上がりと存在感、そしてそれにマッチした上質な写りを約束してくれるプレミアムな24mmレンズです。これを使えるLマウントとEマウントユーザーは幸せなのではないでしょうか。それでいてお値打ち価格なのですから驚きです。実際にカメラに装着して試されることをオススメいたします。

■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナーなどで活躍中。有限会社サスラウ 代表。

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